ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

アキュフェーズのクリーン電源PS-520試聴記

Ps520
(手前: PS-520、奥:PS-510)
 C-3800ネタの時は多くのオーディオファイルの皆さんにご覧頂き、ありがとうございました。もう散財は終わりや~、と思っていたのですが、懲りもせずまたまたアキュフェーズの自宅試聴を利用させていただきました。今回はクリーン電源PS-520です。

 借りた目的は二つ。

1: C-3800を導入してから、深夜の音が昼に比べてとてもいい。C-3800だけまだクリーン電源を経由していないので、昼間の電源の汚れがそのまま反映されているのではないか?

 電源が汚れていることは事実で、先に導入しているパワー用のPS-510のDistortion計では、導入当初は5%くらいだったのが最近ではいつも振り切れます。でも昼夜問わずなので聴感とあわない。ひょっとして狂っているのでは?そうだ、試聴機を借りて計測してみよう!もちろんC-3800に試してみてその効果も見てみよう。

2: 今まで容量の小さいデジタルクリーン電源Fairyにプリ以外の前段機器を全て集中させていたもので、アナログを鳴らす場合4つの機器を負担させることになり、供給電力が低下している可能性があります。そこでアナログ系統をPS-520に分けてFairyの負担を減らそう。 そうすればアナログの音も一段とよくなる可能性があるのではないか?

とまあ、こういう目論見です。

Ps5202
(昼間のDistortion計の一例、6%超となっています)

 まず、Distortionの件ですが、先ほど申し上げたようにPS-510で測定すると昼でも夜でもDistortion(Input)が振り切れるのですが、PS-520で計測したところ、昼が5.5%〜振り切れあり、夜になると3~4%台になることがわかりました。ある程度聴感と一致していると思います。

 PS-510のメーターが故障しているのかどうかが気になりますが、これはアキュに問い合わせているところです。

 さてC-3800につないでみての音質ですが、貸し出し当日は低域ばかり膨らんでもこもこした音になり、がくっときました。やっぱりプリにはあわないのかと、半分あきらめモードになりましたが、とりあえず電源だけ入れておきました。

 翌日ダメモトで一応もう一度試してみようとプリをつないでみましたところ、激変しておりました。長いこと使われておらずコンデンサーが空になっていたのでしょうかね?

 音数が増え、その音の一粒一粒が磨かれたように綺麗になり、ベースなどの低域の沈み方も適度なピラミッドバランスで深くなりました。こういうクリーン電源を通した場合躍動性が失われ大人しくなり過ぎないかが心配なところですが、少し上品にはなりますが弾むような躍動感は失われませんでした。

 つくづく第一印象で投げ出さなくて良かったと思いました。

Analogmaintenance
 さて、その夜はターンテーブルXerxes 20のメンテナンスを行なっておき、翌日の日曜日に、アナログ系統である、ザクシーズのモーターとフォノイコライザーAccuphase C-27、そしてC-3800をPS-520につないで色々LPを聴きました。

 やっぱり大きく変わりました。前日のCDでのインプレッションはそのままに、楽器の音がくっきりとしてぐいぐい前へ出てきます。その分ボリュームが低いとボーカルが引っ込む感じがありますが、ボリュームを上げると問題ありません。このように音が前へ出るようになったのは、やはり供給電力が向上安定したからだと思います。やっぱりFairyに背負わせている負担が大きかったんですねえ、悪いことをしていました。以下簡単なインプレを。

 クラシックでは1960年録音のイムジチの四季の適度なホールトーンとアンサンブルの美しさが印象的でした。
 ロックではやはりLed Zeppelin Iの一曲目「Good Times Bad Times」でのベースの唸りとボンゾのドラムの迫力、二曲目冒頭のページのアコースティックギターの響きの美しさが印象に残りました。
 ジャズではマイルス・デイヴィスの「Four & More」。突き刺さるようなマイルスのトランペットの音がきつ過ぎず、ぎすぎすしなくなりました。そして今まではトニー・ウィリアムスのシンバルに迫力だけを求めていましたが、低音の出方に余裕があるので、その響きの美しさにも注意が向くようになりました。
 フュージョンではやっぱりウェザー・リポート。「バードランド」の音の洪水が前に飛び出てきて音場の広がりが見事です。

 そして、いい加減聴き疲れてきた頃、中島みゆきの「ファイト!」の冒頭のドラムのドンドンドドンドスーン!のあまりのリアルさに茫然となりました。 

 買おう!と決心した瞬間でした。でもって早速ルーツサウンドさんに見積もりのメールを出しました〜。もう戻れない(笑。