ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

恋愛小説3 / 原田知世

 原田知世の新譜。カバー集である「恋愛小説」の第三弾で、サブタイトルは「You&Me」。ディスクメディアがサブスクに押されまくっている現況では仕方ないのだろうが、一つのアルバムでもいろいろなセットで売りにかかっている。

  本作も例外ではないが、私はいつもシンプルなCD(ただしSHMーCD仕様)を選択することにしている。

 

 いつかどこかで、あなたと一緒に歌えたら。 短編小説の主人公を演じるように歌う、ラヴ・ソング・カヴァー・アルバム第3弾。 デビュー以来、女優・歌手の両方で活躍を続ける原田知世。近年、女優として数々の話題作に出演する傍ら、大人の女性の凛とした美しさと透明感をあわせ持つ唯一無二の歌声で、歌手としても新たなステージに立っています。 『ルール・ブルー』(2018年)以来2年ぶりとなるニュー・アルバムは、『恋愛小説』(2015年)、『恋愛小説2~若葉のころ』(2016年)に続く、ラヴ・ソング・カヴァー・シリーズの第3弾。 今回は、自身の愛する1970~90年代のソングライターたちの名曲を中心にカヴァー。4曲では、細野晴臣大貫妙子小山田圭吾土岐麻子をゲスト・ヴォーカルに招いてデュエットを披露しています。 プロデュース&楽曲アレンジは、2007年以降の原田知世作品を手掛けるギタリスト/作曲家の伊藤ゴローが担当。バックを固めるメンバーは、近年レコーディングやツアーを共にしている信頼するミュージシャンたちです。 それぞれの歌詞の主人公を演じるように歌う、女優であり歌手である原田知世ならではの作品。これまでの『恋愛小説』シリーズ同様、懐かしくも新鮮な、ナチュラル・テイストのポップ・アルバムです。

 

1. A面で恋をして

2. ベジタブル (duet with 大貫妙子)

3. 小麦色のマーメイド

4. 二人の果て (duet with 小山田圭吾)

5. 新しいシャツ

6. A Doodlin' Song (duet with 細野晴臣)

7. 花咲く旅路

8. ping-pong (duet with 土岐麻子)

9. ユー・メイ・ドリーム

10. あなたから遠くへ

 

  大貫妙子の曲が二曲あるのを始めとして、今回はヒットソングよりも親交のある人たちの曲を多く採用しているので、安心して聴ける感じがした。特に「新しいシャツ」はもう知世さんの曲と言っていいほど馴染んでいる。去年のコンサートでも聴いた「ルール・ブルー」収録の「ping-pong」を作詞者の土岐麻子さんとDuetしているのもいい。

 

  そんな中で異色なのは、桑田佳祐の「花咲く旅路」、シーナ&ロケッツの「ユー・メイ・ドリーム」、金延幸子の「あなたから遠くへ」あたり。

  「花咲く旅路」は原由子さんでヒットした歌謡曲然とした曲でアルバムの中でいいアクセントとなっている。

  「ユー・メイ・ドリーム」は私も好きな曲で、知世さんも好きで聴いていたんだ、と思うとなんか嬉しい。

  大阪出身のフォークソング歌手金延幸子さんの曲を終曲に持ってきたのもうまい。渡辺真里奈さんが歌っていた曲だが、ふんわりした曲で知世さんにもとてもあっていると思う。

 

  プロデュース&楽曲アレンジは例によって例の如く伊藤ゴローさん。知世さんの信頼は絶大で、まあ羨ましいこと(笑。多くの曲でサポートしているバック陣は去年のコンサートツアーのメンバーでこれも安心して聴ける要因。特にパーカッショニスト角銅真実さんの貢献・比重が増している印象を受けた。

 

  ということで原田知世ファンにはやっぱりマストアイテム。サブスクでなくてディスクメディアで聴きましょう!