ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Billy Bat (6)(7) / 浦沢直樹

BILLY BAT(6) (モーニング KC)BILLY BAT(7) (モーニングKC)
 書店でBilly Batの新刊が平積みされていたので早速手にとると、なんと第7巻!第6巻が出ていたのを完全に見落としておりました。ということで早速2冊読んでみました。

『第6巻:ケネディ大統領の暗殺をビリーに教えられ、歴史を変えようと試みるケヴィン。だが暗殺阻止の成功は、人類最大の悲劇を意味していた……!?

第7巻:ケヴィンが一身を犠牲にケネディ大統領を守れば、人類は本当の歴史より早く月に到達する? もし月に到達すれば、人類は予定より早く滅亡する? 奇妙な奇妙なビリーの予言にオズワルドはケヴィンの命を守ろうと奮闘!! そして明かされる暗殺事件の驚愕の真相……!?

AMAZON解説より)』

 第6巻では過去に散発的に出てきた忍者編などのエピソードがようやく一本の糸につながり始め、ここに来てやっと伏線回収に入ってきたか、と結構面白く読めました。後半で日系少女のジャッキーと言うキャラが出てきますが、途中でセカンドネームが「モモチ」であると事が明かされると思わずゾクッと来てしまいました。

 一方で偽ビリーで巨万の富をなすチャック・カルキンなる男の正体も明らかになってきますが、本物のチャックに「君って本当は誰なんだい?」と問われるところなど、今後の展開にどのような役割を果たすのかまだ今一つはっきりとせず、興味をそそられるところです。

 さて、主人公ケヴィンケネディ暗殺を阻止すべくオズワルドに接近します。コウモリの見える同士腹を割ってケヴィンはオズワルドを説得しますが、話の突拍子の無さにオズワルドは茫然。さて歴史は変えられるのか、というところで第7巻に突入します。

 というわけで、第7巻ではついにケネディ暗殺事件がメインになり、当時のアメリカの暗部が赤裸々に描かれます、といってもあくまでもフィクションで真相はいまだに藪の中なんですが。。。ビリー・バットという架空の存在と、ケヴィンの漫画を混在させつつの組み立てで、おそらくこれが真実なんだろうなと納得させてしまうくらい説得力のあるストーリー設定はさすが浦沢・長崎コンビですね。

 今後は三重県とおぼしき地点に眠る巻物をめぐってケヴィンとジャッキーが渡日するのでは?という展開が予想されますが、果たしてどういう方向へ物語を終息させていくのか、楽しみです。