映画「ウォルト・ディズニーの約束」を観ていても、ディズニーが偽チャック・カルキンに見えて困ったゆうけいです。全く困ったもんです(w。
とか何とか言いながら、Billy Batの新刊に気づくのに少し遅れてしまいました。本日届いて早速読んでみました。はや14巻目に突入です。
前回13巻のレビューで「もしこれで決着がつかなかったら大概にせいよ」と書きましたが、
「大概にせいよ!(笑」
本巻の主人公はなんとこのシリーズを通してヒール役に徹してきたあの来栖!
『その男は下山事件、ケネディ暗殺事件 - 二十世紀の歴史の闇を飛んで来た。
コウモリに魅せられ、コウモリに操られ、男は数知れぬ悪を犯した。
どうしてもコウモリを見たい。どうしてもコウモリと語りたい。
そして自分の人生をやり直してみたい。
男が最後の選んだ道は、人類にとって最悪の結果!?
男を止めるため、ケヴィンは漫画の完成を急ぐ。
だが描けども描けども作品はハッピーエンドとhじゃ程遠い悲劇へと向かい・・・・・・!?
ひとりの男が願いをかなえ、そして人類は最終回を迎える。
(単行本帯より)』
アカの子と苛められ、父を喪って人生が変った栗栖。下山事件、ケネディ暗殺事件、ケヴィン・ヤマガタの死等々、これまでの長大な物語を来栖の視点という裏側から見直すことにより、いくつかの回収しきれていなかった謎が明らかとなりました。
それとともに前回ヒットラーの絵画を持ち出しアメリカに渡った偽チャック・カルキンが、ケヴィン・ヤマガタのアシスタントと接触する経緯も明らかとなります。
それはまあそれでいいのですが、なんとその来栖が、本巻の後半でなんと月に行ってしまいます。そして月のコウモリの絵の謎がついに明らかとなります。
以下、ネタバレになりますが、コウモリが時を巻きなおしてきたパラレルワールドではもう地球は全て消滅してしまい、最後に残っているのはこの世界の地球のみ。そしてもう余命いくばくも無い来栖が月のコウモリに願いをかけたが最後、最後の地球は消滅してしまうのです。
その真実を知りつつBilly Batの物語に置き換えて描き続けながら地球の破滅を救おうとするケヴィン・グッドマンの苦悩。彼はどのようなエンディングを描くのか。とりもなおさずそれは、来栖がどのような結論を人生の最後に出すのか、と同義です。
いつもならまだ続くのかよ、とツッコミを入れるところですが、今回のエンディングには少し感動しました。
「もう願いごとはしない......だけど父ちゃんにこれを見せてやりたかった......月から見た地球がこんなにきれいだって事を.......」
来栖も人の子でした。