ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

What's It All About / Pat Metheny

What's It All About
  Pat Methenyの新譜です、マイミクさんが紹介されていたので早速買いました。この渋いジャケットは明らかに「One Quiet Night」路線だな、と推測できましたが、予想通りソロアルバムで特注のバリトンギターを主に使っています。「One Quiet Night」と異なるのは、全編カバー曲で構成されていることで、スタンダード集とも言えます。

1. The Sound of Silence *
2. Cherish
3. Alfie
4. Pipeline **
5. Garota de Ipanema
6. Rainy Days and Mondays
7. That’s the Way I’ve Always Heard It Should Be
8. Slow Hot Wind
9. Betcha by Golly, Wow

10. And I Love Her ***

*42-strings Guitar
**6-strings Guitar
***Nylon-String Guitar

  一曲目の「The Sound Of Silence」の出だしのピッチが高く、バリトンギターで無いのでちょっと肩透かしを食らってしまいました(苦笑。

 二曲目からバリトンギターが出てきて落ち着き、後は最後まで彼独特のソロの世界を楽しませていただきました。今回も一発録りのオーバーダブ無しですが、「One Quiet Night」が彼の感性とインプロ・テクニックが光るアルバムだったのに比して、今回は原曲の曲想を大事にしてシンプルなアレンジに抑えている印象を受けました。

 個人的には、カバーの定番を素直に丁寧に演奏している3「Alfie」、べンチャーズで有名な4「Pipeline」、カーペンターズのなつかしの曲をいかにもパット流に流麗にアレンジした6「Rainy Days and Mondays」、少々意外な選曲ですがスタイリスティックスの9「Betcha by Golly, Wow」あたりがよかったと思います。

 オーディオ的にはやはりバリトンギター独特の低音弦のベースラインの再生が肝でしょうね。ちなみに弦はADGCEAというConventional Guitarに比して5度低い独特なチューニングだそうです。

 じっくり聞き込むもよし、贅沢にBGMとして流しておくもよし、買って損は無い一枚です。前作をご存じない方はできれば「One Quiet Night」とセットで買われることをお勧めします。