さて、聴かせて頂いたいろいろなソースに対する感想を書いてみたいと思います。
Dolonさん編
CD
1:CLASSIC:Super Artists On Channel Classics
まずはAudioAccesary誌のサンプラーCDから弦楽演奏を。音質が良いことで有名なCHANNEL CLASSICSレーベルのサンプルです。弦の音が濃密で官能的で、前記事に書いたようにドライな音を想像していた私は不意打ちをくらってしまいました(苦笑。
2:女性ヴォーカル:アン・サリー「星影の小径」
三浦孝仁先生がよくかけられる、神経内科医にしてジャズシンガーのアン・サリーです。ゆったりとした日本語が心地よいです。自分のシステムで聴いたことはないのですが、オーディオショーで聴いた時より若干ハスキーな感じがしました。この時点では最前列のソファで聴かせて頂いていたのですが、いつも慣れた試聴位置よりもヴォーカルが近くて高いので、tamielさんと代わっていただきました。
ムーン・ダンス
3:女性ヴォーカル:マリア・ヒタ 「Menina Da Lua」
SS誌で和田博巳さんがよく試聴ソースに用いられているブラジルのDiva。さすがの歌唱力とラテン系の心地よいリズムが眼前に展開します。前記事で書いたように僅かにヴォーカルの高域が硬質な感じがしました。
Maria Rita
4:アコーディオン:小林靖弘 「プシュケ」
アコーディオンのcobaさんの演奏。アコーディオン自体の動きまで見て取れるようなリアルさに息を呑みました。
風のナヴィガトーレ
5:映画音楽:M.I.-1 OST
Dolonさんのお好きな分野でサブウーファーの効果が確認しやすい映画音楽に移ります。Dolonさんはハンス・ジマーの大ファンだそうですが、このスコアはダニー・エルフマンのペンによるもの。次のMI2に比べるとやや控えめな印象ですが、それでもパーカッシブな音の連続による緊張感の高まりはサブウーファーの効果を確実に知らしめてくれます。トランジエントのよい締まった低音が軽々と出てくるので粘ついた感覚がなく素晴らしいサブウーファーだなあと思いました。
この感覚どっかで味わった事があると思ったら、HoteiさんのテクニクスMonitor1が全て平面型ユニットなんですよね。
ミッション:インポッシブル
6:映画音楽:M.I.-2 OST
いよいよハンス・ジマーの作品。ティンパニの連打はSALogicの宣伝どおり空気が震えるよう。クライマックスは部屋全体に共振が起こるほど。あまりかけるとさすがに近所から苦情が来そうであまり大音量ではかけられないとのことでした。それくらい凄い低音が堪能できました。
ミッション:インポッシブル2
7:女性ボーカル:鬼束ちひろ 「Sign」
Dolonさんが次のソフトを探しておられるときにパッと目に入ったので思わずリクエストしてしまいました^^;。以前感冒薬を飲んで聴いたら飛んでしまった、という記事にした「Sign」を。冷静にDolonさんほどのシステムで聴くと、鬼ちゃんの声量の限界まで分かってしまいちょっと辛かったかな。実はザ・シンフォニー・ホールでのアコ-スティック・コンサートで薄々は感じていたんですけどね。
鬼束ちひろ ~THE ULTIMATE COLLECTION~
Analog
8:JAZZ:Miles Davis「So What」
いよいよアナログを聴かせていただきました。素晴らしいーーとしか言いようがない。言葉を失いました。
ルディ・ヴァン・ゲルダーがオリジナル盤は回転数を間違っていたと告白した曰く付きの曲ですが、そんなことに関係なく全ての楽器の質感が高次元。結構重目のテンポの曲だと思ってましたが、ジミー・コブ、ポール・チェンバースのリズムセクションがあんなに弾けるようなグルーブ感で演奏しているとは思いませんでした。。
Zyxのカートリッジが素晴らしいものらしいと言うことは聞いていましたが、ライラと同じくハイスピードでありながら中低域のガッツのようなものも大事にしている印象を受けました。もちろんPEのJRDG Cadenceの音作りのうまさもあると思いますが。
Kind of Blue
9:JAZZ:Bill Evans 「Waltz For Debby」
これも私の愛聴盤の一つですが、スコット・ラファロのベースのうなり、空気の震えのようなものまで克明に出ます。大場商事のAvalon Diamondの試聴会でも聴かせて頂いた事がありましたが、それは本当に優等生的な音でした。Dolon Soundは音の立体的感覚やS/Nというところで僅かに劣るかも知れませんが、それを補ってあまりある熱気のようなものを孕んでいたように思います。アナログである事(試聴会はCD)、サブウーファーの効果、に加えてEidolon独特の底面バスレフポートの影響があるのかもしれません。
Waltz for Debby
10:JAZZ:Stan Getz 「Desafinado」
tamielさんがスタン・ゲッツがお好きとのことでボサノバブームの火付け役となった名盤「Getz/Gilberto」からのチョイス。アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルト等のブラジル陣のうまさが見事に出ていました。ゲッツは彼等に下手くそだのノロマだのと揶揄されながら一生懸命に吹いていたと言われています。確かに彼等のリズムにあってない気はしますが、復活をかけていた頃ですから気迫のこもった熱演ですね。
Getz/Gilberto
11:映画音楽:「Paris,Texas」
ナスターシャ・キンスキーファンの私にとって確実にベスト5に入る映画のOST。3曲かけていただきましたが、いきなりもうライ・クーダーのスライドギターに痺れます。
記憶をなくした主人公が息子と一緒に見る昔の海水浴の8mmフィルムはこの映画で唯一と言っていいかもしれない明るい情景なのですが、このバックで流れるのがCanci Mixtecaと言う曲。熱いものがこみ上げてしまいました。
Paris, Texas: Original Motion Picture Soundtrack
12:女性ヴォーカル:Jennifer Warnes 「You Don't Know Me」
もともとはカントリーの古い曲ですが、後述するパトリシア・バーバーのカバーとの違いを楽しむためにかけていただきました。このLPは高音質盤で以前Dejavuでも話題になりました。傅先生も大好きなジェニファーの美声とバーバーの呟く様な凄みのある低音の声との対照がくっきりと表現されました。
The Well
tamielさん編
13:JAZZ:4管のサックス演奏
tamielさんは現在サックスを練習中とのことで、まずは管楽器から。名前を失念しましたがss,as,ts,bs全ての管を一度に堪能できる曲です。
14:JAZZ:MJQ(Manhattan Jazz Quintet)
MJQのいかにもジャズらしいバップ感覚にあふれた曲でした。たぶん下記のアルバムだったと思いますが、曲名を失念してしまいました。
マイ・ファニー・バレンタイン
15:JAZZ:MJO(Manhattan Jazz Orchestra) 「The Chicken」
今度はオーケストラでジャコパスの十八番だったチキンを。おそらく今回の試聴曲の中でもっとも多編成の楽曲だと思いますが、個々の楽器の表現力と音場の広さが高次元で達成され、大変グルーブ感のある演奏を楽しめました。
バードランド~MJO結成15周年記念
Bible Black編
CD
16:CLASSIC:Roussev 「Vladiguerov」
今回最も衝撃を受けた演奏。
スヴェトリン・ルセブはブルガリア出身の新進気鋭のヴァイオリニストでオーベルニュ管弦楽団のコンサートマスターです。去年の関西での公演を偶然にも私とDolonさん両方が体験し、その天才的な演奏にびっくりしたと言う経緯があります。よい録音がないのが残念な人なのですが、ようやくAmbrosieレーベルから故国の大作曲家パンチョ・ヴラディゲロフの曲を選択したアルバムがリリースされたので持って行きました。
一曲目のブルガリアのダンス曲「Ratchenitza」をかけて頂きましたが音が出た途端鳥肌が立ちました。ヴァイオリンの弦の音の美しさ、ボウイングの強弱、フィンガリングにより弦がはじかれる様、そして、バッキングするエレーナ・ロツァノヴァのピアノが立体感を持って絡んでくる様、全て素晴らしいとしかいいようがないです。クラシックの語彙が乏しいのが悲しい(T_T)。
前記事にも書きましたが、vnとpの二つの楽器だけでこれだけ音場が濃密な音数で満たされるとは。拙宅ではSP間にスカスカの部分が多く吸引力と言うか、訴求力に欠けます。
それにしてもやはりこういうクラシックはAvalonの独壇場ですね。Tak Saekiさんが次から次へクラシックのCDを聴きまくっておられるのも実感として理解出来ますね。
17:ROCK:Peter Gabriel 「Don't Give Up」(Duet with Kate Bush)
持参したのはSACDハイブリッド盤でした。ヴォーカルの試聴目的(PGとケイト・ブッシュの男女の声が一曲で聴けるので)と、拙宅でいつも聴いているSACDレイヤーとの比較目的のため持参しました。立体的な特に前後方向の深さと言う点でSACDの方が僅かながら勝っているかな、と思いましたが、これにはSP自体の内振りの角度も影響してきますのでなんとも言えないところですね。DSD変換された音はデジタル臭と言うものが殆ど無くSACDに十分拮抗していると思います。前記事でも述べましたが若干ケイトのヴォーカルがきつめに思えたのはトラポとインシュの影響でしょうか。
So (Rmst)
18:ROCK:Daniel Lanoit 「I Love You」
ピーター・ガブリエルやU2のProduceなどで有名なダニエル・ラノアの曲を。録音の裏の裏まで知り尽くした人ですから、ロック特有のエフェクタの使い方のチェックソースとして持って行きました。もう少し下品に響いてもいいかなというところはありますが、Avalonでもロックは十分堪能できますね。Dolonさんによるとサブウーファーで若干音のエッジが柔らかくなるので上品に聞こえるのはその為かも、とのことでした。
シャイン
19:JAZZ:Patricia Barber 「You Do't Know Me」
ジャズボーカルは候補が多すぎて悩みましたが、Dolonさんのおられたシカゴで活躍するパトリシア・バーバーにしました。独特の呟くような歌唱とピアノタッチを楽しませていただきました。ジェニファー・ウォーンズのカバーに比してずっと情念的な曲になっていると思うのですが、そのあたりもよく出ていました。
Night Club
20:JAZZ:Bill Bruford's Earthworks 「One of A Kind Part1,2」
やっぱりビルブラを聴きたかったので最後にかけていただきました。すっかりジャズの人となった彼が、プログレ時代の名曲をEarthworksで演奏したライブをチョイスしてみました。うーん、なんと言っていいのか、その前にtamielさんのソースで正統派ジャズの熱演を聴いたばかりだったので、ビルブラ独特の変拍子ジャズはちょっと中途半端な演奏に聞こえてしまいます。ちょっと選択ミスでした。でもスティーブ・ハミルトンの透き通るようなピアノソロは素晴らしかったです。
Random Acts of Happiness
Analog
21:女性ヴォーカル:Hi Fi Set 「遠くからみちびいて」
アナログにはこの人と決めていた山本潤子さんのHi-Fi Set時代の名曲をかけていただきました。tamielさんも彼女の大ファンとのことで大変嬉しかったです。もうオーディオ云々じゃなくてひたすら彼女の歌声に酔いしれました。
ザ・ダイアリー
22:ROCK:David Bowie 「Heroes」
ボウイ、イーノ、フリップ翁の3人が一度に聴けるおいしいアルバムです。丁度1年前の今頃ボウイのライブでも感動した「Heroes」をかけていただきました。ボウイのヴォーカルはいうこと無し。イーノのシンセの音もバックに縦横無尽に広がります。あとはフリップのギターがもう少し暴力的に響いてくれれば言うこと無しでした。
Heroes
最後に素晴らしいオフ会の機会を与えてくださったDolonさん、そして美味しいケーキとコーヒーでもてなして下さった奥様に再度感謝したいと思います。ステラ・メロディ使いのtamielさんも、楽しく御話させていただきありがとうございました。また御一緒したいです。
なおアナログ盤につけたアフィリエイトは全てCD盤です。ご了承ください。なお、ルセブのCDはリンク先のHPに詳細な紹介があります。私はHMVで購入しましたが、2,3ヶ月待たされてその間一度、入荷しないのでキャンセルするかという問い合わせがあったくらいですから、手に入りにくいかもしれません。