ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

La Vie En Rose~I Love Cinemas~ / 手嶌葵

La Vie En Rose~I Love Cinemas~
 その独特の声質と歌唱でオーディオファイルにも絶大な人気を誇る手嶌葵が、昨年リリースした映画音楽集「The Rose~I Love Cinemas~」に続いて2作目の映画音楽カヴァー集を発表しました。彼女はオードリー・ヘップバーンが憧れの人だそうで、今回はオードリーの主演作が多く収録されています。彼女の作品の中では超マイナーな「緑の館」まで入っているのにはビックリです。当時の夫メル・ファーラーが監督してイメチェンを図った作品ですが、まあ概ねの評価は「トホホ系」でしたねえ。こんな作品まで入れちゃちょっとオードリーが可哀想な気も。。。

1. Winter Light (1993/米 映画「秘密の花園」より) 
2. Smile(1936/米 映画「モダン・タイムズ」より) 
3. La Vie En Rose(1954/米 映画「麗しのサブリナ」より) 
4. A Dream Is A Wish Your Heart Makes(1950/米 映画「シンデレラ」<アニメーション>より) 
5. Song Of Green Mansions(1959/米 映画「緑の館」より) 
6. Secret Kingdom (1976/英 映画「シンデレラ」<実写>より) 
7. Night And Day (1934/米 映画「コンチネンタル/離婚協奏曲」より) 
8. Wouldn't It Be Loverly? (1964/米 映画「マイ・フェア・レディ」より) 
9. Fascination (1957/米 映画「昼下りの情事」より) 
10. Edelweiss (1964/米 映画「サウンド・オブ・ミュージック」より) 
11. Angel (1998/米 映画「シティ・オブ・エンジェル」より) 

 前のレビューにも書きましたが、前作はどこの国の歌手が歌っているのか分からない不思議な雰囲気がありました。全体に超スローペースの英語ながら、一語一語の発音は比較的綺麗であり、その独特の声質とあいまって良い雰囲気を醸し出していました。
 今回も概ねそういう感じの歌唱で、スローバラードがメインとなっています。というか、アレンジを全てそういう落ち着いた方向に(やや無理矢理に)もっていってます。だから前作にはまった方はまた満足できると思います。

 ただ今回は欲張って難しい歌を選び過ぎたのではないでしょうか。そのために前作より更に英語をしっかり練習したのでしょう、それがかえってジャパングリッシュっぽい感じを増してしまった印象があります。例えば7の「Night and Day」。発音がゆっくりなために「ナイラ・アン・デイ」という風に聞こえてしまいます。
 更には今回あのサラ・マクラクランの名曲「エンジェル」にも挑戦しております、、、評価は聴いた方にお任せしますが、「The Rose」程には期待しないほうがいいでしょう(苦笑。

 録音も大きく変わりました。前回のようなふわっと包みこむような柔らかさが影を潜めて、全体に輪郭のはっきりしたクリアでハイファイ調の音となりました。特にピアノはフェビアン・レザ・パネとは思えない切れの良さ(w。
 それに伴ってか手嶌葵の声も明瞭ではありますが、オンマイク過ぎる気もします。AMAZONのレビューに「高音を強調しすぎ」と書いておられる方がおられますが、確かにその通りで子音の擦過音や吐息音がきついですね。前作のようにもう少しナチュラルなバランスで録音した方が好ましいと個人的には思います。

 と、色々と注文をつけてしまいましたが、とにもかくにも待ちわびた手嶌葵の新作です。秋の夜長にゆっくりと楽しんでください。

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