ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Dolon邸オフ会ふたたび Part 3 Hats off to Avalon Diamond

Dsc_0104
Avalon Diamond, through the courtesy of Mr.Dolon)

 さて、機器紹介のトリは当然ながらダイアモンドです。サブタイトルの「Hats off To Avalon Diamond(ダイアモンドに脱帽)」は昔Audiofanというネット掲示板に試聴会の感想を書いたときの題名です。

「そんなにDiamondがいいならWilson Audio Cub2(当時私が使っていたスピーカー)のツィータをそれに替えればいいじゃないですか」

という辛辣なレスが返ってきたのを覚えています(笑。まあそれはともかく、出不精の私でもそれなりに試聴会なるものへは出かけておりますが、10年以上前に大場商事(現太陽インターナショナル)主催、傅先生のセッティングと司会で聴いたダイアモンド以上に私の心に響いたスピーカーは未だにありません。

 ちなみにこのスピーカーはディスコンだと思っておられる方も多いでしょう、しかしまだ現役なのです。ちゃんと太陽インターナショナルのHPに載っています。ちょっと主要諸元を引用してみましょう。

『 ドライバーユニット: 0.75inch (約2cm) 純粋ダイアモンドダイアフラム トゥイーター3.5inch(約9cm)、セラミックドーム ミッドレンジ11inch(約29cm)、 ノーメックス&ケブラー複合コーンウーファー

エンクロージュア: ポート・フロアー型能率87dB(2.83v,1m)

インピーダンス4Ω(最低3.6Ω)

周波数帯域24Hz~100kHz(+/-1.5dB,無響室反応)

推奨アンプ出力50~500W

寸法W305×H1092×D432mm、重量68kg 』

 低能率・低インピーダンスの難しそうなスピーカーです。おまけに68kgと今の私の体重よりはるかに重いのにスピーカー端子底面にあります。なんて扱いにくいやつなんだ(笑。
 ちなみにDolonさんはハンドルネーム通り以前はEidolonをお使いでしたが「全く同じフォルム(HPより)」なので買い替えて違和感はなかっただろうと思います。それでもやっぱりスピーカー端子の取り付けには苦労するとおっしゃってました。

 しかし、出てくる音は凄いんです。

Diamondの飛び抜けている点ははただ一言、今までのどの音楽再生よりもよりリアルで生命力のある点です。(HPより) 」

   箱鳴りや共振を徹底的に押さえ込んだ現代型スピーカーの典型であること、ティール&パートナー社の明るくて透明感のあるダイアモンドツイーターをはじめとする高性能ユニットの優秀さ、芸術品といえる造形、このあたりがアバロン・ダイアモンドの特徴でしょう。

 実際試聴会で聴いてみて、澄み切った背景から立ち上がる三次元的な音像、ハイスピードサウンド、明るく陽性な音色に魅せられたのはもちろんですが、何と言っても楽器の音のリアルさ、これに一番衝撃を受けました。
 特にアコースティック楽器でこれ以上音がリアルに鳴るスピーカーを私は知りません。皆さんもちろん異論はおありと思いますが、私にとってはそうだったのです。そのリアルさを以って明るく楽しく「音楽」を再生する、アヴァロン・アコースティクスの主宰者ニール・パテルの哲学が最もよく聴いてとれるスピーカーではないかと勝手に思っています。

( 後に出た上位機種のIsisはもう原寸大の楽器というレベルに達しているように思いましたが、あの大きさになると普通のリビングルームではとても扱えません。 )

 一方で「最も鳴らすのが難しい」スピーカーであることも容易に推測できました。その当時私には買って使いこなすだけの経済力も技量もありませんでした。今もありませんが(笑。
 ほう、ダイアモンドが買えないからサファイアにしたのかと言われそうですが、まあ否定はしません(^_^;)。もちろんサファイアも素晴らしいスピーカーで買ってよかったと思っています。

 しかし私にはやっぱりダイアモンドは憧れでした。だから約3年前にDolonさんが導入された時には、やったぁ!と喝采したくらい本当に嬉しかったです。とは言え、Eidolonと長く付き合ってこられたDolonさんでも鳴らし込むのに随分な苦労をされたそうです。現在のセッティングの特徴を箇条書きにしてみますと

1: 堅牢な床に直置き 
2: 壁から距離をとってある
3: 平行法
4: サランネット付きがデフォルト

というところでしょうか。このうちで意外だったのは平行法です。以前Eidolonは内振りにしておられましたが、オーケストラの正確な定位と押し出しがほしい等の理由でこの方法にされたそうです。そして冒頭写真のように、リビングルーム内での均整美も副次的に生まれています。
 ただ、平行法にはセンターライン上でしか理想的なリスニングポイントが得られないこと、所謂口元が見えるようなボーカルの音像は得られないことなどの短所もあります。もちろんDolonさんはそんな事は先刻ご存知の上でこの方法をチョイスされています。

 その結果としての「現在が最高の音」は、鳥肌が立つは、腰が抜けそうになるはで、もう嬉し過ぎて大変でした。どんなに音量を上げても破綻をきたさず平然と佇むその姿は誇らしげでもありました。そしてその性能をリビングオーディオでここまで引き出すことを成し遂げられているDolonさんの手腕に脱帽しました。

 というわけで、個々の音楽ソースで具体的な感想を語りたいと思います。今しばらくお付き合いのほどを。