2014年第88回キネマ旬報ベスト10が発表されました。日本映画は「そこのみにて光り輝く」が作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞と四冠を獲得しました。観た時からこれはキネ旬では上位に行くだろうなと思っていましたが、これだけ評価されるとは思いませんでした。
正直なところ俳優陣の演技が光った映画で、演出脚本に関しては中盤の間延びと全体的な暗さ、終わり方の中途半端さが気になり、あまり高評価できるものではなかったように思います。まあ価値観の相違で、あれが名演出だ言われればそれまで。じゃあ何故外国映画賞はテンポと歯切れが良く終わり方も見事な「ジャージーボーイズ」なんだ?という皮肉の一つも言いたくはなりますが。。。
日本映画ベスト10
第一位: そこのみにて光輝く
0.5ミリ
紙の月
野のなななのか
ぼくたちの家族
小さいおうち
私の男
百円の恋
水の声を聞く
ニシノユキヒコの恋と冒険
蜩ノ記
個人的には第三位の「紙の月」が圧倒的に第一位です。両者とも原作・映画ともに見ていますが、原作をうまく処理したという意味では脚本演出とも「紙の月」が優れていると思います。
第二位以下では「0.5ミリ」は見たいと思ってるんですが、3時間以上あるというのがネックですねえ(苦笑。
外国映画ベスト10
第一位: ジャージー・ボーイズ
6才のボクが、大人になるまで。
罪の手ざわり
エレニの帰郷
ブルージャスミン
インターステラ―
リアリティのダンス
インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
ウルフ・オブ・ウォールストリート
ラッシュ/プライドと友情
名匠クリント・イーストウッドの「ジャージー・ボーイズ」、文句なしですがどちらかと言えば娯楽映画で、キネ旬が一位に推してくるのは意外でした。私の見た映画の範囲内では「ブルージャスミン」あたりじゃないかなと思っていました。「チョコレートドーナツ」が10位にも入らなかったのは残念です。
個人賞
主演女優賞 安藤サクラ 百円の恋 、0.5ミリ
主演男優賞 綾野剛 白ゆき姫殺人事件、そこのみにて光輝く
助演女優賞 小林聡美 紙の月
助演男優賞 池松壮亮 愛の渦、海を感じる時、大人ドロップ、紙の月、バンクーバーの朝日、ぼくたちの家族
キネ旬は安藤サクラが好きなようですね。私も良い役者さんだと思いますが、いつも言うように主演女優には「華」がほしいです。そういう意味ではやっぱり「紙の月」の宮沢りえさんですね。
「紙の月」でいうと、小林聡美の助演女優賞、池松壮亮の助演男優賞には拍手を送りたいです。ただ、キネ旬とは逆に個人的には助演男優賞は「そこのみにて光り輝く」の菅田将暉の方がよかったです。ただ池松君は複数の映画のエントリーですので他で光った映画があったのかもしれません。
最近の新人では「ヒミズ」に出ていた二階堂ふみが抜きん出ていると思いますが、この門脇麦という女優さんと、拙ブログで2013年度最優秀新人賞に挙げた葵わかなには私もちょっと注目しています。東出昌大君は「桐島、部活やめるってよ」の時にあげるべきで、もう新人じゃないですよね。
監督賞 呉美保 そこのみにて光輝く
脚本賞 高田亮 そこのみにて光輝く
外国映画監督賞 クリント・イーストウッド ジャージー・ボーイズ
冒頭でも述べたように「そこのみにて光り輝く」は演出・脚本より俳優陣が光っていた映画だと思うのですけれどね。クリント・イーストウッドはまた代表作が増えたなあという感慨を抱きます。
まあ、そんなところですが受賞記念で再上映される映画をピックアップして観てみたいと思っています。