ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

今年の映画レビューを振り返る2011

わたしを離さないで [DVD]
はむちぃ: 皆様こん**は、今年も一年回顧の季節がやってまいりました。
ゆうけい: とはいうものの、今年の拙ブログはアクティビティが低く、まともに続けられたのは映画レビューくらいという体たらくでございまして、まことに申し訳ございませんm(__)m。
は: というわけでございまして、今年を振り返るシリーズは映画編のみとさせていただきます、あしからずご了承くださいませ。
ゆ: では早速、本年の映画レビューを評価順に紹介していただきましょうか、はむちぃ君。
は: かしこまりました、では早速参りましょう。

A: 傑作

邦画

八日目の蝉
ステキな金縛り
死にゆく妻との旅路

B: 秀作

邦画

海炭市叙景
大鹿村騒動記

洋画

コンテイジョン
ソーシャル・ネットワーク
インセプション
わたしを離さないで
英国王のスピーチ
127時間
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2
ヒアアフター

C: 佳作

邦画

あしたのジョー
ダンシング・チャップリン
ツレがうつになりまして。
パーマネント野ばら
まほろ駅前多田便利軒
阪急電車 片道15分の奇跡
春との旅
星を追う子ども
探偵はBARにいる
武士の家計簿
洋菓子店コアンドル

洋画

ツーリスト
トロン:レガシー

D: イマイチ

邦画

アンダルシア 女神の報復
コクリコ坂から
プリンセス・トヨトミ
告白
裁判長、ここは懲役4年でどうすか
十三人の刺客
川の底からこんにちは
相棒 劇場版II -警視庁占拠!特命係の一番長い夜-
東京島
白夜行
夜明けの街で

洋画

カーズ2
SALT

E: トホホ

邦画

さらば愛しの大統領
東京オアシス

は: 邦画、洋画で見事に評価分布が分かれましたね。洋画は全体の75%と圧倒的に秀作に集中し、邦画は76%が佳作・イマイチに集中しております。
ゆ: いやあ、予想はしていたものの見事な数字の一致ですな(^_^;)。とは言え、わたしは決して洋画至上主義ではないんです。一言で言えば、洋画はこれというものをセレクトして観ており、邦画は手当たり次第に観ている、ということなんだと思います。

は: だから邦画には傑作もトホホも含めて全ての段階の評価があるんでしょうね。
ゆ: 確かにね、そしてそんな中で傑作、秀作と評価できる映画が5本もあったのは昨今の邦画が元気な証拠なんでしょう、嬉しい事ですね。あと、自ら反省すべき点として、洋画に傑作がないのは最初に「ソーシャル・ネットワーク」「英国王のスピーチ」あたりにBをつけてしまったのが縛りになったかもしれません。つくづく評価というものは難しいですな。

は: 来年も続けるかどうか迷うところでございましょうが、それはさておき、そろそろ恒例の月ラプ表彰に参りましょうか。まずは助演男優賞からまいりましょう。
ゆ: 了解です。

助演男優賞: アラン・リックマンハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2

は: ハリー・ポッター・シリーズ名脇役セヴェラス・スネイプ先生でございますね。
ゆ: 英国の押しも押されもせぬ名優ですが、このハリー・ポッター・シリーズにおいても第一回から抜群の存在感をシリーズを通して示し続け、最終作の本作で観る人に鮮やかな感動を与えました。
は: 邦画におきましても松田龍平様(探偵、まほろ)、中井貴一様(金縛り、トヨトミ)など、いい助演をした俳優さんは沢山いましたが、、、
ゆ: 「あしたのジョー」の伊勢谷友介も良かったですけどね。でも、今回はこの人以外には考えませんでした。

は: では助演女優賞でございます。
ゆ: これは最後にこの映画を観るまでは随分迷っていたんですが、この人の目を見張る演技に脱帽しました。

助演女優賞: 井上真央八日目の蝉

は: 赤ちゃんの時に誘拐され4歳まで愛人に育てられたため、普通の家庭の幸せを知ることなく大人になってしまった女性を熱演されました。
ゆ: この人のこれだけシリアスな演技を見たのは初めてで、新鮮な驚きがありました。当初は「わたしを離さないで」のキーラ・ナイトレイ、「阪急電車」の宮本信子あたりを考えていたんですが、
は: 今年最後のレビューでの見事な大逆転でしたね。ただ、井上真央様は主演ではないかという意見が出てきそうですが?
ゆ: クレジットを観るとそうなんですよね。また、見方によっては彼女が主演と見ても何ら問題はないと思います。でも個人的にはやはり永作博美が主演だと思ったので、こちらで表彰させていただきました。ついでに申し上げますと、この映画や「パーマネント野ばら」で熱演を見せた小池栄子もよかったですね。彼女もいつの間にかいい味を出す女優になってきました。

は: では続けて主演男優賞でございます。
ゆ: 了解です、やはり今年はこの人でしょうね。

主演男優賞: ジェシー・アイゼンバーグソーシャル・ネットワーク

は: 実在の人物、フェイスブック創始者マーク・ザッカーバーグをモデルにした癖のある演技は圧倒的でございましたね。
ゆ: アカデミー賞こそ「英国王のスピーチ」のコリン・ファースに譲りましたが、いまだに強い印象を残しているのは彼の方ですね。
は: 邦画でも「死にゆく妻との旅路」の三浦友和様、「ステキな金縛り」の西田敏行様、「大鹿村騒動記」の故原田芳雄様といった方々の好演が作品自体の評価を押し上げましたね。
ゆ: 特に西田敏行さんの幽霊役なくしてはあの映画は成り立たなかったと思いますね。

は: では、表彰の華、主演女優賞でございます。
ゆ: 私一押しの蒼井優や去年惜しくも受賞を逃した深津絵里を始め、永作博美石田ゆり子宮崎あおい松たか子中谷美紀木村多江満島ひかり深田恭子エマ・ワトソン、ヘレナ=ボナム・カーターなどなど、選り取り見取りですな~(^o^)
は: いかにご主人様が女優重視で映画を観ておられるか分かりますね(-.-)ボソッ
ゆ: ギクッッッ(^_^;)、では発表です。

主演女優賞: 石田ゆり子死にゆく妻との旅路

は: 実在の夫婦をモデルにし、末期の癌と知りつつ借金から逃げる夫と流浪生活をともにする妻の演技はみごとでございました。
ゆ: やはり今年一番心に沁み入り、今でも強く印象に残っています。柔らかく自然体の演技でいて、けなげなところ、痛切なところ、しっかり演じておられました。最後に永作博美が現れましたが、さすがに彼女を凌駕するまでには至りませんでした。
は: コアンドルの蒼井優様もよかったのでは?
ゆ: 去年の「雷桜」に比べれば、のびのびとやっていましたね。でも彼女にはもう一皮向けた演技を期待したいですね。

は: では、監督賞に参りましょう。
ゆ: 傑作、秀作に選んだ作品の監督は当然ながらもう甲乙つけがたしではあるんですが、やはりこの人でしょう。

監督賞: 三谷幸喜ステキな金縛り

は: すっかり三谷コメディという様式を確立された感がありますね。
ゆ: 確実に良質なコメディを提供できる、貴重な人材であると思います。

は: ではいよいよ最優秀作品賞に参りましょう、傑作の3作品、「八日目の蝉」「ステキな金縛り」「死にゆく妻との旅路」が最有力ではあるかと思いますが、秀作にも優れた作品が揃っております。
ゆ: はむちぃ君の言う通りで傑作に選んだ作品には申し訳ないんですが、敢えてこの作品にしました。

最優秀作品賞: 「わたしを離さないで

は: カズオ・イシグロの傑作小説を、その寒色系の雰囲気そのままに見事に映像化された作品でございましたね。
ゆ: レビューでも申し上げましたが、原作と設定を変えてある点のひとつがとても惜しいと思うのですが、見事な映画化であり、ラストシーンには涙を禁じ得ませんでした。ずっと公開を楽しみにしていた映画であり、その期待に応えてくれたという点においてこの作品を推させていただきました。
は: そう言えば、今回ノミネートの作品中でも地味で宣伝もそれほどされなかった映画であるにもかかわらず、随分長期にわたってアクセス解析で予想外に多くのアクセスを連日記録していましたね。
ゆ: その意味でも今年一番の驚きでしたね。多分カズオ・イシグロのインタビューがTVで流れたからだと思うのですが、それにしても驚くべきアクセスでした。彼の人気の根強さと、作品の良質さの相乗効果だと思います。
は: その意味でも本ブログでの最優秀作品賞に値いたしますでしょう。では、最後に功労賞をお願いいたします。
ゆ: かしこまりました。

功労賞:
三宮シネフェニックス(本年5月閉館)
故・原田芳雄氏(本年7月19日逝去)

は・ゆ: 原田氏のご冥福をあらためてお祈りいたします。皆様、長文のおつき合いありがとうございました。