ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ブルーリボン賞、キネマ旬報ベスト10と興行成績

Tsurugi
 第52回(2009年度)ブルーリボン賞、第83回(2009年度)キネマ旬報ベスト・テンが出揃いました。去年から週刊文春のきいちご賞がないのが残念ですが(苦笑。まあそれにしても、この記事中のリンクでお分かりになると思いますが、拙ブログでレビューした映画が多いのは素直に喜ぶべきか、本当に良質な作品が限られていると嘆くべきか。まあ、やっぱり去年は「ディア・ドクター」「グラン・トリノ」の年だったのかな、と思いますね。では紹介していきましょう。

Opv_main 第52回(2009年度)ブルーリボン賞

作品賞 「劔岳 点の記
監督賞 西川美和 (ディア・ドクター
主演男優賞 笑福亭鶴瓶 (ディア・ドクター)
主演女優賞 綾瀬はるか (おっぱいバレー
助演男優賞 瑛太 (ディア・ドクター)
助演女優賞 深田恭子 (ヤッターマン
新人賞 岡田将生 (ホノカアボーイ等)
作品賞&新人賞 木村大作監督

外国映画賞 「グラン・トリノ
特別賞 「釣りバカ日誌

Fukakyon みなさんも本木雅弘が司会で「おっぱい」を連発して顰蹙モノだったブルーリボン授賞式をご覧になられたかもしれませんが、拙ブログでも絶大な人気を誇る綾瀬はるかがなんと主演女優賞を受賞してしまいました。なんぼなんでもあの程度の演技で主演女優賞はないなあ(笑。まあ、一年を通して良く頑張っていたからその御褒美と言うところでしょうか。フカキョン助演女優賞キネ旬では決してあり得ない選出でしょうけど、インパクトの強さは文句無し(笑。まあ、冷静に考えれば余貴美子さんにあげて欲しいですが。

 作品賞の「劔岳 点の記」はわむちぃ君に勧められて観ていたのですが、正直申し上げてそれほどの作品かなと思います。まあ後でまた触れましょう。瑛太は「アヒルと鴨のコインロッカー」の演技が印象的で注目していましたが、ディア・ドクターでもまずまずの演技でしたね。ホノカアボーイ岡田将生君はまだ新人だったんですか、これからが楽しみですね。TVCMで影が薄いとかいわれてますが、私のレビューでも全く触れませんでしたね(^_^;)、何とかウォーター飲んで頑張ってもらいましょう(笑。

Deardoctor 第83回(2009年度)キネマ旬報ベスト・テン

* 日本映画監督賞 木村大作(『劔岳 点の記』)
* 日本映画脚本賞 西川美和(『ディア・ドクター』)
* 主演男優賞 笑福亭鶴瓶(『ディア・ドクター』)
* 主演女優賞 松たか子(『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』)
* 助演男優賞 三浦友和(『沈まぬ太陽』)
* 助演女優賞 満島ひかり(『愛のむきだし』『プライド』『クヒオ大佐』)
* 新人男優賞 西島隆弘(『愛のむきだし』)
* 新人女優賞 川上未映子(『パンドラの匣』)
* 外国映画監督賞 クリント・イーストウッド(『グラン・トリノ』『チェンジリング』)
* 日本映画ベスト・ワン 『ディア・ドクター』
* 外国映画ベスト・ワン 『グラン・トリノ
* 文化映画ベスト・ワン 『沈黙を破る』

  *キネマ旬報読者賞: 香川照之

2009年日本映画ベスト・テン
1位 ディア・ドクター
2位 ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ
3位 劔岳 点の記
4位 愛のむきだし
5位 沈まぬ太陽
6位 空気人形
7位 ウルトラミラクルラブストーリー
8位 サマーウォーズ
9位 誰も守ってくれない
10位 風が強く吹いている
次点 のんちゃんのり弁

2009年外国映画ベスト・テン
1位 グラン・トリノ
2位 母なる証明
3位 チェンジリング
4位 チェイサー
5位 レスラー
6位 愛を読むひと
7位 アンナと過ごした4日間
8位 戦場でワルツを
8位 スラムドッグ$ミリオネア
10位 イングロリアス・バスターズ
次点 ミルク

 先程の「劔岳 点の記」の続きになりますが、キネ旬が最優秀監督賞に木村大作を選ぶとは甘くなったもんですねえ。黒澤組のカメラマンで最近の映画の生ぬるさに我慢できず自らメガホンを取った心意気は買いますが、その思い入れが鼻につき過ぎた感がありました。あまりにも無茶な場面設定、うるさすぎるクラシックのBGM、エンドロールでのスタッフ&キャストの紹介を「なかまたち」と称したり、「この作品を原作者に捧ぐ」と記する自己陶酔、すべて「監督」という観点から見れば未熟だと思いましたけれどね。

 ベスト10にサマーウォーズが入ったのは嬉しいけれど、7位のウルトラミラクルラブストーリーはないですねえ。それなら「おと・な・り」を選んでくれよう(笑。

Grantrino  外国映画ではブルーリボンキネ旬も「グラン・トリノ」を文句無しの一位に選んでいます。私も一押しでしたから文句があるわけではないんですが、公正に見た場合この映画はあくまでも「小品」で、イーストウッドに絞ってみてももう一つの作品「チェンジリング」の方が作品としては優れているように思いますし、一位に選ぶとしたら「スラムドッグ$ミリオネア」あたりが順当な気がします。

 とまあ、色々と注文はつけてきたものの、拙ブログでの評価とこれらの結果に大きな乖離はありません。その一方で去年の興行収入はこれらの賞と大きく乖離しています。邦画、洋画ベスト5を紹介しましょう。(単位は億円)

邦画:
1: ROOKIES 卒業 85.5
2: 劇場版ポケモン 46.7
3: 20世紀少年 最終章 ぼくらの旗 44.1 
4: エヴァンゲリヲン新劇場版 破 40.0
5: アマルフィ 36.5

洋画:
1: ハリーポッターと謎のプリンス 80.0
2: レッドクリフ Part II  55.5
3: マイケル・ジャクソン This Is It  52.0
4: ウォーリー 40.0
5: 2012 38.0

  まあ、邦画が如何に内容無視でテレビをはじめとするメディアとのリンク・番宣やアニメに頼っているのかが分かりますね。ルーキーズのメンバーなんかもうええやろ、ゲンナリやわ、と言うくらいバラエティに出まくってましたし、その割には予告編見るだけでゲンナリするような映画である事はミエミエ。

 レビューする気になるほどの映画でもなかったですが、この中ではまあまあ映画としての体をなしていたアマルフィもTVCMとリンクさせまくリでした。「メディアミックス」と言うのが製作者側の今最も重要なキーワードなんでしょうけれども、その前に見るに値する映画を作れ、と申し上げたい。

 去年の拙ブログは邦画レビューが多かったのですが、この中でレビューしてるのは一つだけ(20世紀少年)、見たのは二つだけ(3、5位)、見てないので見たいのはエヴァくらいですね。一方レビューの少なかった洋画は上位5作品中4つもしています。してないレッドクリフも実は観ていますのでベスト5は全て見ていました。かと言ってこの5つの内容が優れているのかと言えば、、、まあ邦画ほどでないにせよ、大した事ない(苦笑。前田有一も言ってましたが、「This Is It」の突発的大ヒットなどは予想のしようがなくて、評論家泣かせですね。観にいった私が言うのもなんですが(笑。

 もちろんそのような映画に興行収入を稼いでもらって映画界を活性化する事は良い事で、そのような好況下でこそディア・ドクターやグラン・トリノなどの佳作も作れるわけですから決して否定はしませんが、できれば一つくらいは内容と興行収入の並立した映画があればなあと思います。  

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