フランコ・セルブリン・アッコルドのセッティング覚書
Franco Serblin AccordoとMrantz SA10+PM10を導入して約3カ月経過し、ほぼセッティングが固まってきたので、Accordoのセッティングについて気がついたことを書いておこうと思う。
もうオーディオ断捨離したのでポン置きで気楽に聴くつもりだったが、結構セッティングにシビアで苦労する羽目に。
最終的には内振り強め・壁から離す、という結果になり、気がつくとほぼ下記マニュアル通りになっていた。はじめからおとなしく従っておけばよかったか(苦笑。
・ シルクドームツイーターの音圧が強いので、フォーカスはリスニングポイントよりやや前方に置く方が良い。
当初ポン置き平行法でしばらく聴いていた。独特の形状でまっすぐにしていてもバッフル面は少し内向きになっていてちょうどいい感じだと思ったが、それほどの音量を入れていなくてもすぐに耳が痛くなり鼓膜に違和感が出る。エージングすれば変わるかと思ったが一向に変わらない。
シルクドームツイーターなので予想外だったのだが、どうもこのツイーターがきつい。おそらくウーファーよりツイーターの音圧を高めにしてあるようだ。
あとで気がついたのだが、マニュアルにも「ツイーターのintensityを下げたい場合にはフォーカスポイントをリスニングポイントから離してください」と書いてあった(冒頭図参照)。
ということで、写真のように、かなり内振りにしてCDの置いてある当たりをフォーカスにすることにより、解決した。
・ キャビネットのあるレベルの空間には何も置かない方が良い。
フランコ・セルブリンの経験と勘でキャビネットをデザインしたと思っていたが、「キャビネットの独特の形状により空気の流れを綿密に計算してある」そうである。確かにその独特の形状でバスレフポートが内側後面を向いていることもあり、スピーカー周囲に結構広大な空間をつくってやる必要があると感じた。小型ブックシェルフなのになんとも贅沢な要求ではあるが。
もちろんどんなスピーカーでもツイーターレベルには何も置かないのが鉄則だが、アッコルドの場合、キャビネットはもちろん、その上下にも何もない空間をつくってやる必要があるとセッティングしていて感じた。
せっかくマランツのCDPとアンプがペアのデザインなので、真ん中にラックを置いて上下に並べたかったのだが、音が濁るしぼやけるのであきらめた。よく真ん中に機材やラックを置いてある写真を見かける(同社のデモの写真でさえ)が、それではアッコルドの最大の魅力である、清潔でクリアな音場を形成できないと思う。
・ 側面後面の壁からの影響がないくらいに離す方が良い。
マニュアルにも書いてあるが、このスピーカーは壁の影響を強く受ける。もちろんそれを利用して低音を膨らませることも可能だが、そこまでして低音を求めるスピーカーではない。それよりも「Distortion」や「Worsening of the characteristics of the sound」の方が目立ってきて、アッコルド特有のクリアな美音(特に弦やボーカル、ピアノなど)が損なわれる。
かと言って、「側面後面から100cm離し、かつ左右のスピーカー間を220-250cmあける」のは一般の日本の通常家屋では容易なことではないと思う。短辺でも約5m何もない空間を作るのは結構リビングを広くとった拙宅でも容易ではなかった。
だからそのあたりはある程度個々の部屋でアレンジが必要だが、とりあえず壁から90cm程度離し、SP間を2mあけることはできた。
今のところこれでアッコルドの性能はかなり引き出せていると思う。これでしばらくはエージングを続けていく予定。
最近出たトールボーイのアッコルド・エッセンスは180mmウーファーが付いた分扱いやすそうだが、おそらくセッティングの肝要なポイントは同じことではないかと思う。
Count No Count
Count No Count by Ross Breckner 1989
Whitney Museum of American Art
という名前のブログを今はやってます。
Marantz PM-10 購入
先日貸し出し試聴させて頂いたマランツのプリメインアンプPM-10、ルーツサウンドさんを通じて正式注文していたのだが、昨日無事到着した。
アキュフェーズほどではないが、立派で頑丈な箱に収まっている。白はSA10も同じだったので、マランツ色かな。
開封。
出ました、まっさらの個体。
ブルーのバックライトと、天板越しのレッドのLEDが綺麗である。
早速音出ししてみると、たった10分ほどで驚くほどの美音になった。試聴機を早や超えているではないか。試聴機との違いは付属の電源ケーブル(試聴機にはついてなかった)くらいなのだが、これは嬉しい誤算。
鳴らし続けていると、音場も広くなってきて、ドライブ力も発揮してきた。
今日は色々なソフトを取っ替え引っ換え聴くつもり。
やはり純正ペアが一番なのだなぁと再認識。もう少し聴き込んで、最終的にはこのラックにPM10も収納してスピーカー周りをスッキリさせて断捨離を終わりたい。マランツから頂いたオーディオクエストのラインケーブルWATERも有効に使いたいしね。
そのために長いSPケーブルが要るのだが、これはまたルーツさんにJIVEでお願いするつもり。というか、そういう配置を勧められているんだけど。
KOJO TECHNOLOGY 医療用タップ MKI-4
現在使っているオーディオ用タップはハッベルの4個口のしっかりしたものだが、もう20年以上使用しており、さすがに経年劣化は否めない。
そこでオーディオ断捨離を機にこれも買い換えることにした。オーディオ用と称するバカ高いタップはもとより眼中になかったが、かと言って安物のプラスチックのものでは心許ない。ということで、職業柄手に入る医療用タップを物色。耐久性が高く金属製のものを探していてIMIのMKI-4が良さそうと思われた。
実はこれ、私が使っているクリーン電源Fairyなどでも有名な青森のKOJO Techこと光城精工が作成している。KOJOのオーディオ用タップも高価だがこれなら防塵キャップも含めて10,000円程度。
というわけで2、3週間前に注文したが、欠品とのことでなかなか来ず、ようやく二月三日に届いた。思ったより箱が大きく驚いた。
タップは冒頭写真の通り、しっかりした作りである。4色あるがフローリングで目立たない茶色を選んだ。裏にはしっかり光城精工の文字があるが、残念なことに青森ではなく台湾で生産しているようである。
医用コンセントプラグは明工社製ME 2591、透明なタイプである。医用なのでコードグリップをはじめ各所は一般品に比べて格段に強化されている。
オプションのキャップも購入。3個入り。
早速J1プロジェクトの壁コンに繋ぐ。当然ながら噛み込みはガッチリしており、コードとの連結部もしっかりとして安心感がある。
同じ光城精工のFairyのコードを差し込む。相性が悪いはずもなく、音がよりクリアになったような。まあ、プラセボでも別に構わない。安全と信頼性が第一。
Marantz PM-10 貸し出し試聴
Marantz SA-10を購入した時から対になるプリメインアンプPM-10のことは気になっていた。SA-10自体は素晴らしいプレーヤーだが、物理的特性としてマランツとアキュの相性があまり良くない感じがする(特に音量調整)ことが気になっていたのだ。そこでルーツサウンド さんにお願いして、PM-10を貸し出し試聴を打診したところ、貸し出していただけることになった。D&Mホールディングス とルーツサウンドに深く感謝申し上げます。
PM10に関しての詳細は
・ Marantz オフィシャルHPのPM-10紹介サイト
・ファイルウェブの「開発者に聞く」サイト
に譲るが、究極のミニマル構成とダウンサイジングを目指すオーディオ断捨離計画にとって、スイッチングアンプをパワー段に採用したプリメインアンプというのは非常に魅力的であった。
ちなみにPM-10は21.5kgで、約50kgのP7300に比して半分の重さで一回り小さい。当然ながらSA-10と縦横は同サイズ、同デザインになっている。冒頭の写真では遠近法で少しわかりにくいが圧倒的に扱い易い。
デザインも機能もミニマル、シンプル美の極致、ブルーのバックライトが美しい。ちなみに左が入力セレクター、右がボリュームコントロールであるが、ほとんどリモコンで操作するため触ることはほとんどない。
後面の入力端子、スピーカー端子とも高級感あふれる作りで、この辺はアキュフェーズ と全く遜色はない。
天板にはメッシュの放熱窓が設けられている。写真ではわかりにくいかもしれないが、写真上端に赤色LEDが光っていて綺麗である。このLEDを使用した理由として、ファイルウェブの対談で村山氏が「オーディオ回路上でダイオードとして使っている」と語っておられる。ちなみに赤は青よりノイズが少ないそう。
中央後ろ1/3にはHypex社のNcore NC5001が4基設置され、パワー段の左右独立かつBTLのスイッチングアンプとなって片チャンネル400W(4Ω)を叩き出している。電源部は写真手前の方でトランスはない。
写真上の方を占めるのがディスクリートで組んだプリアンプの基板で、この写真では見えないが中央前のプリアンプ用のトランスが主な放熱源である。ただ、長時間使用しても気になるほどの発熱はない。
さて、ルーツサウンド さんで受け取り、持ち帰って早速ぽん置きで音出ししてみたのだが、驚いたことに、いきなりほとんどアキュのC3800+P7300と変わらない音色とドライブ力で音楽が流れてきた。
当初はそのまま試聴して返すつもりだったのだが、俄然やる気が起き、早速正式にセッティングした。台はウェルフロートボード。
2日間エージングしつつ聴いてみたが、ドライブ力はP7300に全く劣らない。というか、P7300では膨らみすぎてかえって聞き辛くなっていたのではないかと思えるほど。おそらく前のディナウディオ・サファイアでは低音がP7300に比べれば物足りなかったかもしれないが、アッコルドにとってはジャストフィットのドライブ力である。
さてプリ部はどうか。確認のためPM-10をパワーダイレクトでパワーアンプとして使用し、SA-10との間にアキュフェーズ のC3800を入れてみた。確かに音の深みや音場の奥行きといった点で向上することは間違いない。
しかし音の色付けを極力廃してアンプ段を無色透明とし、スピーカー本来の魅力を最大限に引き出すという方向性がC3800とPM-10で一致していることは再確認できた。
マランツ・アンバサダーの澤田氏は「まだまだ無色透明でなくすりガラス」と謙遜されているが、私がアキュフェーズ史上最高のプリアンプと信じているC3800と同等に近い能力を有しているのは立派なものである。
そして一日二日と聴き込むうちに、より滑らかで美しい音に変化してきた。DSD録音などは音の木目が細かく、軽やかに音の微粒子が舞うような美しさがあり、アキュではどうしても破れなかった殻を突き抜けた気がする。カタログ的に言えば、これが動的過渡特性が良い無帰還スイッチングアンプのアドバンテージなのだろう。
ということで究極のミニマル構成
Loudspeakers: STUDIO FRANCO SERBLIN Accordo
SACD/CDP+Digital Inputs: Marantz SA-10
Integrated Amplifier: Marantz PM-10
で最終形となることでほぼ決まり。故障修理の面でアキュより心配ではあるが、とりあえず3年保証があればいいだろう。
リモコンもこれひとつで事足りるのはありがたい。
オーディオ断捨離途中経過: システムの現状
断捨離ほぼ終了後、2020/01/19
2019年末から進めていたオーディオ断捨離が今日で一段落した。スピーカー、CDPを入れ替えたのをはじめとして、先日ディスクユニオンに700枚ほどのLPを送り出し、本日オーディオユニオンとオーディオサウンドにアナログ一式やスタックスのシステム、クリーン電源の一つ(PS510)などを売り払い、リビングを徹底的に片付けた。
Thanks and Good-Bye, XERXES20、Accuphase C27、and Lyra Kleos !
元箱類は大事にとってあった。
今考え得る最もシンプルなシステムとなった。
SACD/CDP and Digital Inputs: Marantz SA-10 ← KOJO Fairy
↓
Audio Quest WATER RCA 1.5M
↓
PreAmplifier: Accuphase C3800 ← Accuphase PS520
↓
Cardas G-Master reference XLR 6M
↓
Power Amplifier: Accuphase P7300
↓
Black Rhodium JIVE 2.5M
↓
問題はC3800+P7300という鉄壁のコンビをダウンサイジングできるかどうか。MarantzのSA10と対になるプリメインアンプPM10と言うのが妥当なところだが、今日ひさしぶりに三宮上新にでかけて、西田さんに話題のAccuphase50周年記念超弩級プリメインアンプE-800を聴かせていただいた。C3850とA48を一体にしたと考えてよい凄いPMAだった。能率の悪いMAGICOのSP(多分S1 MkII )を軽々とドライブするし、音色品位はまさしくC3850のもの。感心することしきりだったが、そのあとでC3850+P7300の音を聴くとやはり一ランクちがう。特に音離れの点で圧倒的に差がある。というわけでこれだけのプリメインで敵ではないのだから、いくらダウンサイジングの途中とは言え、C3800+P7300は当分は動かせそうにない。。。とは言うもののダウンサイジングの最終ターゲットはここなんだけど。
Audio Quest オーディオケーブル WATER 1.5M RCA
マランツSA-10購入者対象のキャンペーンに応募していたが今日、保証書とともに届いた。
オーディオクエスト社のケーブルは、マランツの試聴室で音決めに使われているということで、いわばマランツの標準ケーブルである。
WATER RCA1.5Mは調べてみると標準価格75000円。マランツなかなか太っ腹である。
さて、封を開けてみるとでかい箱。
箱を開けると、こんなバッグが出てきて、
チャックを開けると、
これかー。
これがオーディオクエスト独特のDBS(Dielectlic Bias System)の電池ボックス。これで静電場を作り出して強力にノイズを軽減する、という売り文句、アメリカで特許も取得しているが、昔トランスペアレントのケーブルでも見たことがあるような。
早速繋いでみたが、やっぱり大袈裟感は否めず。
でも音は確かにノイズフロアの低い、清潔感と躍動感を両立させた良い音である。エージング無しでこの音はなかなかなものだ。