ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Accuphase P-7300 導入その後:エージング状況とカスタムヴォイシング

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 Accuphaseの新型AB級ステレオアンプP-7300を導入して一ヶ月過ぎました。毎日二時間以上色々なソースを鳴らし続けてエージングをしておりますが、まあ新機を導入するといろいろ思わぬことが起こるもので、結構苦労してます。

 エージングに伴い、どんどん低音が出るようになりますよと言われていたのですが、ウーファーの一基からなにか共鳴?振動?してるような異音が聞こえたり、右スピーカーの横の本棚(LP庫)が共振したりで、もう一度ルーツサウンドさんに来ていただきました。
 異音は左の二基あるうちの下のウーファーユニットで60-70Hzあたりで聞こえてくるのですが、ユニットを外して単体にすると聞こえず、中にひっかかるような異物も無く、元へ戻しただけで消えました。ネジの緩みの無いことは確認してあったのですが。。。まあとにかく、代理店によるとユニットの修理はできず交換になると聞いていたのでほっとしました。
 本棚の共振は周波数を特定して、イコライザーで30Hzあたりを2-3dB落とすと消失しました。

 その後も引き続きエージングしていると、硬かった低音が段々ほぐれて意外にしなやかでナチュラルな低音に変わってきました。ただ、全体的な印象としてはP-7000に比べると「」の音で一つ一つの音にしっかりした芯があります。また情報量も増え、音場が広がったにもかかわらず中が混んできたなという印象が強くなりました。ヴォーカルのセンターフォーカスも少しずれとにじみが感じられます。

 そこで、そろそろいじってもいい頃だろうと、スピーカーの位置や内振りを微調整したところ、大分音場の見通しがよくなり整理がついてきました。

 そして今日いよいよ最終調整であるDG-58によるヴォイシングに入ることにしました。以前ルーツサウンドさんとアキュフェーズの方が来られた時に、カスタムヴォイシングを自分でやってもなかなか上手くいかないと話したところ、お二人とも折角58を導入したのなら、スムースヴォイシングだけで満足せずにカスタムで調整するべきという意見でした。その際いくつかコツをアドバイスされていたのと、ファイルウェブの方からもご意見をいただいていたので、今日家内の留守を見計らって半日を費やしてじっくりと取り組んでみました。

 まずは普通のスムースヴォイシングをネットあり、ネットなしで施行。拙宅のスピーカー、ディナウディオ・サファイアはソフトドームツイーターEsotar2の支配力が強く、ネットなしでは少し女性ボーカルがきつくなります。計測結果で言うと、ネット無しだと4-10KHzがほぼフラットなのに対して、ネット有りだと6KHzで2dBくらいもり上がるのをピークとしてそのあたりが山形に盛り上がります。

 だから、ネット有りでスムースヴォイシングしてネット無しで聴くくらいがボーカルに関しては丁度良くなります。とは言え、これだけだと左右のスピーカーの周波数帯域を揃え、周波数特性の暴れを押さえるだけなので、面白みというかヴォイシングの旨みには欠けます。

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 ある程度はイコライジングで調整できるとは言うものの、やはりカスタムヴォイシングで好みの音にしたいものです。アドバイスされていたのは、のスピーカーの特性の方が左より暴れが少なくていいということ。
 そこでカスタムの「SP2:L&R」という方法でまず右、左単独で計測します。その結果から好みのカーブを自分で作成するわけですが、その際リファレンスとしては左右の平均の分布が画面に出ます。しかしそこを敢えて、できるだけ右の特性にあわせて作ってみました。

 何度か試行錯誤を繰り返しましたが、低音が出すぎたり、バランスの悪い音になったりでなかなか上手くいきません。それでも根気よく繰り返し、ネット有り時のスムースヴォイシングの右補正カーブも参考にして最終的に上記のようなカーブに決まりました。

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 そのカーブでのヴォイシングの結果がこのグラフです。やはり左の方が横壁に近いせいか低域の暴れが大きいですが、かなり右特性に近づけることができました。いろんなソースをかけてみますと、今までよりヴォーカルのフォーカスがピシッと決まって前に出てくる感じがあり、全体のバランスもいい感じです。低音の増強感も程ほどでかつ深くなりました。ソースによっては出すぎかなというものもありますが、まずまず満足できる結果でした。

 今後ももう少し鳴らしこんでみて、師匠の客観的な意見も聞かせていただこうかなと思っています。