ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

今年を振り返る2015 (4) 書籍・展覧会編

Mondrian
(Piet Mondrian: Composition With Red, Blue and Yellow 2015/3/17)

はむちぃ: 皆さま、長のお付き合いいただきました「今年を振り返る」シリーズもこれが最後、「書籍・展覧会編」でございます。
ゆうけい: 今年は読みましたなあ、カテゴリーに「漱石大全プロジェクト」を増やしたのをご存知の方はおられるでせうか?
は: まあ、いないでしょうねえ(ー_ー)。
ゆ: まっ、いいか(;'∀')。では参りましょうで、はむちぃ君。

は: ではまず書籍でございます。 

漱石大全

書籍・雑誌:

漱石大全読破プロジェクト  28編
太刀洗万智を追いかけて(米澤穂信三作) 15/12/22
つめたいよるに / 江國香織  15/11/27
原田マハ「リーチ先生」終了  15/11/11
職業としての小説家 / 村上春樹  15/09/22
高村薫「戦後70年」特別寄稿を「写経」する  15/09/05
漱石の妻 / 鳥越 碧  15/09/03
一刀斎夢録/ 浅田次郎  15/08/28
輪違屋糸里 / 浅田次郎  15/08/16
その日東京駅五時二十五分発 / 西川美和 15/08/06
カズオ・イシグロの来日インタビュー記事  15/07/07 
忘れられた巨人 / カズオ・イシグロ土屋政雄訳  15/05/14 
高村薫:「21世紀の空海」 終了す  15/03/15
火星に住むつもりかい?-Life On Mars?- / 伊坂幸太郎  15/03/01
高村薫、オウムを語る 15/02/15
嵐が丘 / エミリー・ブロンテ 15/02/12
優雅なのかどうか、わからない / 松家仁之  15/01/04 
火山のふもとで / 松家仁之  14/12/26
沈むフランシス / 松家仁之 14/12/26 

は: 今年前半は、正月のKindleセールで購入した「漱石大全」に没頭されましたね。
ゆ: 漱石全集が760円で買える時代が来たのか!と、飛びついてしまいましたが、それがこういうことになるとは(^^;)。
は: フクレコにも投稿され、途中から「漱石大全読破プロジェクト」と名付けられ、
ゆ: 半ば冗談のつもりが本気になり、
は: 結局未読だった「明暗」まで突っ走られましたね。
ゆ: 漱石を時代順に読み返していくと、文体確立を試行錯誤していく過程で、その後の日本文学の一つの基準となる小説の形を作り上げていった偉大な作家であったことが再確認できて本当に良かったと思います。

は: その他はちょっと変わったところで、エミリー・ブロンテの「嵐が丘」が入っておりますね。
ゆ: 完読に至っていなかったのが長年気になっていた作品で、これもKindleの恩恵ですねえ。ブクレコで長文レビューにもかかわらず好意的に受け入れていただいて、こちらにも転載いたしましたが、再読してみてもあの時の興奮が蘇ってきますね。

は: さてそろそろ、今年のベスト3発表に参りましょうか。
ゆ: どれも思い入れはありますが、まあ行きましょう。ベスト1は分かってますけどね。
は: それを言ってはおしまいでございます。では第三位。

第三位: 忘れられた巨人 / カズオ・イシグロ、土屋政雄訳

ゆ: やはり大好きなカズオ・イシグロの新作ですね。読んだときは今ひとつピンとこんかったんですが、後に尾を引く感じで今も気になっています。
は: その後来日されインタビューがTV放映されたりしましたし。
ゆ: たしかにその影響も大きいですね。彼がこの作品をユーゴ紛争の事を思いながら書いたというのも意外といえば意外、なるほどといえばなるほど、ですね。
は: 来年あたり原書で読み返されるんですか?
ゆ: かなり集中しないといけないと思うので、その暇があればだけどねえ。。。

第二位: 「さよなら妖精」「王とサーカス」「真実の10メートル手前」 ( 太刀洗万智を追いかけて )

は: 第二位には最近はまっておられる米澤穂信様の太刀洗万智シリーズ三作が入りました。
ゆ: 一時期読書がスランプで、だれか新しい作家をと思っていた時に、某アンソロジー集で「太刀洗万智」という気になるキャラクターに出会い、「さよなら妖精」を読んだのがきっかけではまってしまいました。
は: 偶然なのか、必然なのか、「さよなら妖精」もユーゴ紛争を題材としておりますね。
ゆ: カズオ・イシグロのことが意識下で気になっていたんでしょうかね。彼とは違ったとてもストレートなアプローチで読ませてくれました。この作品がラノベ作家から本格ミステリ作家への転換点となり、報道の意義とは何かを太刀洗万智に問わせた傑作「王とサーカス」につながっていったのですね。この作品は傑作だと思います。「真実の10メートル手前」はつい最近出版されたばかりですが、「ベルーフ(天職)」シリーズとしてファンの間では好評を博していた作品群でお勧めです。
は: ただし順序としては「さよなら妖精」からお読みくださいませ。

第一位: 漱石大全読破プロジェクト

は: 第一位はすでに語りつくしましたが、当然ながら「漱石大全読破プロジェクト」28編でございます。
ゆ: 28編も書きましたか。。。思い返すと後期三部作、特に「行人」あたりが一番苦しくて、三回に分けてしまいました。ちょっと後悔しているのは「夢十夜」のレビューが内容にほとんど触れていないことで、書き直したかったのですがやっぱり貴重な記録としてそのままにしておきます。

は:では続きましてコミックスでございます。

コミックス:

Billy Bat 18 / 浦沢直樹  コミックス  15/12/22
聖☆おにいさん 12  15/11/28
Billy Bat 17 / 浦沢直樹  コミックス  15/10/04
僕だけがいない街 (6) 三部けい  15/07/13
Billy Bat 16 / 浦沢直樹  15/03/26
聖☆おにいさん (11) 15/02/26
僕だけがいない街(5) / 三部けい 15/01/01 

ゆ: 今年も三作の繰り返しに終わりましたなあ。
は: まあ焦って新しいところを探すこともございませんしね。
ゆ: 「グルグル2」が始まったのは嬉しいんだけど、こっちではレビューしてなかったね。
は: ブクレコではどうどうと恥ずかしげもなくされてますが(^^;)。
ゆ: 恥ずかしげもなくとは、その通りですな〈笑。まあとりあえず「僕だけがいない街」が佳境ですから楽しみですね。「Billy Bat」は終わるんだか終わらないんだか、謎ですねえ。「二十世紀少年」の轍を踏まなければいいんですが。

は: ではここはさらっとスルーして、「展覧会」編に参りましょう。

Dali
Salvador Dali: Woman with Head of Roses, Oil on Panel, 1935)

展覧会

パウル・クレー展 & ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム展@兵庫県立美術館  15/10/25
元町アートマルシェ / 国立美術館巡回展@小磯記念美術館 15/09/23
トーベ・ヤンソン展@あべのハルカス美術館 15/07/31
天野喜孝展 @ 兵庫県立美術館  15/07/12
堀文子 【 一所不在・旅 】展 @ 兵庫県立美術館  15/05/31
東京美術展探訪(3)マグリット展 @ 国立新美術館 15/05/28
東京美術展探訪(2)ルーヴル美術館展 @ 国立新美術館  15/05/27
東京美術展探訪(1)ワシントン・ナショナル・ギャラリー展@三菱一号館美術館  15/05/26
日本近代洋画への道展@明石市立文化博物館 15/04/17 ゆうけい
ホドラー展@兵庫県立美術館  文化・芸術  15/02/22
「志村ふくみー源泉をたどる」展@アサヒビール大山崎山荘美術館 15/02/15
チューリヒ美術館展@神戸市立博物館  15/02/08
岩合光昭写真展「ねこ」@明石市立文化博物館 15/01/30
高野山の名宝展 @ あべのハルカス美術館  15/01/29 

は: 展覧会は14記事と充実しておりますね、今年も。
ゆ: まあ次から次へおいしい展覧会がやってきますしね、それに今年はDolonさん宅訪問に合わせて東京美術展巡りもできましたし。
は: 川村記念美術館へ行けなかったのは残念でございましたが。
ゆ: またDolonさん訪問とセットで楽しみにとっておきます。

は: ではベスト1を選んでいただきましょう。
ゆ: これが今年は難しいんですよね~。ベスト3を挙げるとすれば、「マグリット」「天野喜孝」「チューリヒ」となります。で、迷ったんですが、まずはこれ。

Candy_girl_x2

Impresseive Exhbition of the Year 2015: 天野喜孝展 @ 兵庫県立美術館

は: 「タイムボカン」「キャシャーン」「ファイナルファンタジー」シリーズ等でよく知られた天野様の展覧会ですが、
ゆ: あれだけ充実しているとは予想していませんでした。「最も印象的な」展覧会としてあげたいと思います。

Best Exhbition of the Year 2015:  チューリヒ美術館展@神戸市立博物館

は: やはりベスト1はチューリヒ美術館展でございますね。
ゆ: 売りだったモネの大作はもちろん、アブストラクト、シュール、フォービズム、キュビズムあたりがとっても充実していて、二回観に行きました。
は: で、二回目でモンドリアンコンポジションシルクスクリーン(冒頭写真)をお買いになって、「誰でも描ける」絵と揶揄されておられましたね(^^;)。
ゆ: コロンブスの卵とはちと違うんですが、チューリヒ美術館公認の原寸大作品ですし、自分がいいと思ったものはいい、と信じております。でもダリの「薔薇の頭の女」があったら、そっちへ行ってたかも(苦笑。
は: セールスレディの方もそのリクエストが多いとおっしゃってましたね。
ゆ: あの絵は光ってましたねえ。

は: というわけで、皆様長のおつきあいありがとうございました。「今年を振り返る」シリーズ、これにて終了でございます。
ゆ: どこまで続くかはわかりませんが、来年もよろしくお願いいたします<(_ _)>。