ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

25 /Adele

25

 「19」「21」と年齢をタイトルにしてその若さに似合わない圧倒的な歌唱力をアピールするというシンプルにして実に効果的な戦略で、テンミリオン単位という驚異的なセールスを記録して世界中の音楽界を席巻したAdele。その後ライブ「The Royal Albert Hall」が出ましたが、オリジナルアルバムとしては約五年ぶりとなる新アルバム「25」がついに発売となりました。今は27歳ですが、25歳ごろから製作を始めたということなのでしょうか?

 アルバムのリリース情報解禁と同時に世界中で話題となった「Hello」の視聴数は、「25」の発売日には4億回を突破していたそうですが、ファーストプレスで早くも400万枚近くのセールス(多分もうはるかに越えているでしょう)だそうです。

 「アデル現象」とまで呼ばれている話題作、さすがに予約注文にもかかわらず1週間以上待たされてようやく配達されてきました。輸入盤のプラケースの質の悪さには相変わらず閉口しますが、アルバムの内容は本当に月並みですが「圧倒的!」とか「Outstanding!」とかいう言葉しか思い浮かびません。失恋、結婚、出産という人生経験を糧にして新たな地平を切り開いた、幾多のフォロワーの追随を全く許さない、凄いアルバムだと思います。

1. Hello
2. Send My Love (To Your New Lover)
3. I Miss You
4. When We Were Young
5. Remedy
6. Water Under The Bridge
7. River Lea
8. Love In The Dark
9. Million Years Ago
10. All I Ask
11. Sweetest Devotion

『 全世界で3000万枚を突破した前作『21』から約5年ぶり、世界の注目を集める待望の3rdアルバム『25』がついにリリース。

プロデューサーにはテイラー・スウィフトケイティ・ペリーのモンスター・ヒットを手がけたマックス・マーティン、さらにはブルーノ・マーズやデンジャー・マウスなども起用した超充実作!

(日本盤AMAZON解説より) 』

 とにかく先行公開され、ファーストシングルとなっている一曲目の「HELLO」が圧倒的。コクのある歌唱力で

Hello, it's me
I was wondering if after all these years
You’d like to meet, to go over everything

とピアノ伴奏で静かに歌い始めるアデルの歌声には少しリバーブがかけているのが印象的。そして

Hello, from me outside

とサビで声量にものを言わせてガツーンとくる、その迫力は分かっていても衝撃的。そしてより分厚くなったアレンジと、新たに導入した女性コーラスによる後半の盛り上げ方は壮大にして荘厳な印象さえ受けます。

 間違いなく記録的なセールスとなるでしょうし、彼女の新たなキラーチューンとなるでしょう。

 その後もハイレベル、ハイテンションな歌唱が終曲までつ好きます。どの曲をとってみてもシングルカットできそうなくらいですが、なにせ「HELLO」が圧倒的過ぎて、一聴すると他の曲が平凡に聴こえてしまうのが逆に辛いところです。

 しかしよく聴いてみると、曲ごとにアレンジやバックの演奏に変化・特徴を持たせようとする意図は見て取れます。

 ちょっとラテン風にポップな曲調とした二曲目「 Send My Love 」、冒頭のドラムのソロが特徴的で少し幻想的なアレンジの三曲目「I Miss You」、そして再び女性コーラスを大胆に導入して壮大に歌い上げる四曲目「When We Were Young」、これはシングルカットされるでしょうね。

 その後も勢いを失うことなく、最後の壮大な「Sweet Devotion」まで曲は続きます。中盤以降では、シンプルなピアノ伴奏の「Remedy」「All I Ask」、ポップ路線の「Water Under The Bridge」、従来路線で切々と歌い上げる「Love In The Dark」あたりが印象的です。

  ただ、あの歌唱と声量で12曲歌われると、さすがに聴き疲れしますね。だから、大体4曲ずつで一休みすることにしています。アナログも出ていますが、となると6曲ずつ。となるとA面が圧倒的でB面がやや弱い気もしますが、片面ずつ聴くというのは正解かも。

 曲紹介でも書いたように、今回はアレンジもより高度になっていますし、録音もポップアルバムとしては深みがあり、好感の持てるものです。結構低音の深いところまでバランスよく入っているのでオーディオファイルにも楽しめると思います。

 日本盤にはボーナストラックも入っているようですが、未聴です。構成的には12曲で終るのが正解だと思いますけどね。