ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

図書館戦争 THE LAST MISSION

Thelastmission

 有川浩原作の人気シリーズの映画化第二弾「図書館戦争 THE LAST MSSION」を観てきました。大好評だった「図書館戦争」は拙ブログでも高く評価しましたし、先日TVで「レインツリーの国」のエピソードをドラマ化した「BOOK OF MEMORIES」もまずまずの出来栄えでした。さて、本作はいかに?
 個人的には図書館戦争ファンの期待に十分応える出来栄えだと思いました。あとは、図書館内でのみ時間を限って戦闘が行われるという架空の舞台設定に荒唐無稽ささえ感じなければ、一般の方でも十分楽しめると思います。

『 2015年 日本映画 配給:東宝

スタッフ
監督: 佐藤信
原作: 有川浩
脚本: 野木亜紀子

キャスト
岡田准一榮倉奈々田中圭福士蒼汰橋本じゅん、土屋太鳳、松坂桃李栗山千明石坂浩二 他

 ベストセラー作家・有川浩の人気小説を岡田准一主演で実写映画化した「図書館戦争」の続編。国家による思想検閲やメディア規制が横行する近未来の日本を舞台に、本を読む自由を守るため結成された図書隊の隊員たちの活躍を描く。ある日、図書隊・特殊部隊(タスクフォース)の堂上篤らに、この世に1冊しか存在しない「図書館法規要覧」の一般展示が行われる芸術の祭典の会場を警備せよとの指令が下される。ごく簡単な任務に思われたが、その指令の裏には、図書隊の解散を目論む手塚光の兄・慧が仕掛けた罠が潜んでいた。主演の岡田やヒロインの榮倉奈々ほか、前作の主要キャスト、スタッフが続投。悪役となる手塚慧を松坂桃李が演じ、中村蒼、土屋太鳳らが新キャストとして加わった。(映画.comより)』

 今回は原作で言うと「図書館危機」編の最大の山場、茨城県展警備で起こった水戸図書館での防衛戦がメインとなります。
 前回の映画と先日のドラマで原作の世界設定、人物設定、舞台設定、恋愛模様などをほぼ全て説明し終わっているため、今回の映画では全体の2/3近くを戦闘シーンに費することが出来、アクションものとしての迫力が凄かったです。まあ戦闘に関するツッコミどころは満載なんですが、さすがにあれだけ延々と戦闘シーンを見せられると息を呑みます。
 そして終盤の堂上と笠原の図書館から脱出してブツを展覧会会場へ届けるミッションでのラブシーンと笠原が会場に必死で辿り着くシーンには、分かっていてもちょっとウルウルしてしまいました。

 俳優陣もすっかり息が合い、「図書館戦争」ワールドの中で活き活きと動き回っています。特に岡田准一の格闘術には一段と磨きがかかっています。榮倉奈々は相変わらずのダイコンぶりですが、まあ精一杯やってるし彼女はガタイがでかければそれでいいんです(笑。
 田中圭福士蒼汰栗山千明といった美男美女メンバーもすっかり馴染んで良い感じです。先日のドラマでめでたく田中圭の恋人となった土屋太鳳ちゃんは出番が少なくて残念でした。

 一方で存在感を見せ付けたのは、福士蒼汰の兄で未来企画を主宰する手塚慧役の松坂桃李。今回の騒動を陰で操る悪役なんですが、なんせかっこいい。レギュラー陣を完全に食ってましたね。

 ちなみに今回もまた栗山千明だけが「特別出演」になっていますが、これは原作者たっての要望で出演が決まったためだそうです。確かに柴崎のイメージに限りなく近いですね。

 ということで美男美女のラブコメ・エピソードも適度に挟まれていますし、下手に安っぽいエンドロール曲を用いない音楽も良かったですし、エンドロール中もエピローグシーンを続ける構成もよし。最後にはカミツレハーブティーを飲みたくなりました。

 というわけで、原作の架空の世界設定を受け入れることができれば、十分に満足できる作品であると思います。題名は「THE LAST MISSION」ですが、原作の本編ではまだ「図書館革命」編が残っています。今回の興行成績次第では映画化が有り得るかもしれませんね。

評価: C: 佳作
(A: 傑作、B: 秀作、C: 佳作、D: イマイチ、E: トホホ)