ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

トーベ・ヤンソン展@あべのハルカス美術館

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 昨日所用の帰りにあべのハルカス美術館で、「トーベ・ヤンソン展~ムーミンと生きる 」を観てきました。インターネットが普及しだした頃からムーミンの公式HPはあり、わたしも良く覗いていました。今も多分「ムーミン谷村民」のままだと思います。そのムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンの生誕100周年だそうで、画家トーベ・ヤンソンの作品、ムーミン関連の諸種の原画、ジオラマ、映像等を見ることができました。

『 「ムーミン」シリーズを生んだトーベ・ヤンソン(1914-2001)の生誕100周年を記念した展覧会です。フィンランド国立アテネウム美術館で開催の回顧展(2014年3月~9月)を日本向けに再構成し、代表作である「ムーミン」シリーズの挿絵原画のほか、政治風刺雑誌のためのイラスト、生涯を通して挑戦し続けた油彩作品、「不思議の国のアリス」をはじめとする児童文学の挿絵など400点以上を紹介します。また約30年間、彼女がほぼ毎年夏を過ごしたクルーヴ島ハルの「夏の家」の実物再現モデルを特別展示し、作家の全貌に迫ります。(公式HPより) 』

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(「夏の家再現モデル)

 トーベ・ヤンソンムーミン作家というイメージが強いですが、元は画家を志しておられたそうで、入ってすぐのところには、幼少期の素描、自画像、風景画等の作品が展示されていました。

 自画像は煙草を吸っているものが多く、ヘビースモーカーだったのかな?と変な感想を持ちながら眺めていました。ある一点などはジョニ・ミッチェルCDジャケット用に描いた自画像とよく似ていました。
 風景画では厳密な意味では具象画ではありませんが「冬の夜の狼たち」と言う作品が印象的でした。

 多感な時代に第二次世界大戦が起こり、積極的な反戦活動をしたわけではありませんが「ガルム」という雑誌にマチス・ドイツを風刺した挿絵を多く描いていたことには驚きました。

 それからいよいよムーミン関連の種々展示に写りますが、初期のものは正直なところインクで小さい紙に書かれた原画が多数を占めており、今ひとつの感は否めませんでした。

 そして再び画家としての作品が展示されますが、当時の抽象画のムーブメントの影響も受け、自身も成長しており、後半の絵は大変見ごたえがありました。とくに1975年の「自画像」はそれまでの(失礼ながら)凡庸な自画像とは一線を画した表現力で自らの内面を描き出しており、敬服しました。

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(「ムーミン谷への不思議な旅」ランチョンマット)

 後半のムーミン関連の作品は、なかなか充実しており、それに続くトールキンの「ホビットの冒険」やキャロルの「不思議の国のアリス」の挿絵原画なども見ごたえがありました。

 もちろんグッズ売り場はムーミンのキャラクター一色ですが、色々なものがあり、見るだけでも楽しめました。9月27日まで催されていますので、機会があれば是非どうぞ。