ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Accuphase DG-58導入記(1)音出し編

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 今年は珍しくオーディオネタが続きます(笑。先日ウェルフロートボードSACD/CDPであるAccupphase DP-700の下に導入したのも、BDRのボードを新しく導入するこの機器に用いるための下準備でしたが、幸い予想以上の音質改善効果が得られました。

 そして、満を持してこの機種を導入しました。アキュフェーズの最新のデジタルヴォイシングイコライザーであるDG-58です。当然ながら今まで使っていたDG-38との交換になります。38の時は5回にも渡る記事を書いてしまいましたが、今回はもうヴォイシングに慣れているのでそんなに書きません(笑。

 さて、このDG-58の評判の良さは発売当初より耳にしており、DG-48から買い換える人も多いほどだそうです。48にしてそれですから私が中古で買ったDG-38はさすがに古いといわざるを得ません。デジタル技術の進歩は日進月歩ですし、随分音は違うんだろうなあとは思っていました。そしてアキュのHPやSNSで得た情報で特に魅力的だと思ったのは

1) スムーズ・ヴォイシング機能
2) ADCで176.4Khzへのアップサンプリング
3) DACESS社のES9018をDP-700の後継機種DP-720と同等に使用

あたりでした。しかしデジタル領域でのヴォイシングイコライジングでそれほど音質が変わるだろうか?という疑問と、それより何よりためらうほどのお値段になっている事がネックで決断できずにおりました。

 しかし先日のDolon邸でのオフ会で刺激を受けて更に前進したいという気持ちが強くなりました。そんな折に試聴会でルーツサウンドさんの試聴会に行く機会がありジュニアさんに訊いてみると

58は絶対音がよくなりますよ、特にDACが抜群に良くなりました

と、セールストークを差し引いても自信に満ちたお言葉。しかし私の使用法の場合DACは使わないんだけどなあ、とか思っていたら、いつもは無口でベンチャラは決して言わないマスターまでも

58は良いですよ、僕は48買ったからしかたないけど、音は圧倒的にイイネ。

とおっしゃるではありませんか。やはり決断すべき時が来たな、と感じました。

 それからお金の工面をして発注、先週に届きました。早速セッティング。最初に述べたように足の下には先日までDP-700の下に敷いていたBDRThe Shelfを用いました。

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 38より随分背が高くなっているというイメージがあったのですが、冒頭写真のようにラックに収めてみればそれほどの違和感もありません。もちろん背が高くなったのはディスプレイが大きくなったからですが、さすがに綺麗です。
 ユーザーインターフェイスや操作性も随分改善されていました。「HOME」という画面から全ての操作が直感的に始められるところもいいですし、ライトがオフできて電源入れっぱなしでも画面を消せるようになったのが気に入りました。

 セッティングは38と大きな変化はないので、説明書を見なくてもできました。 

 アキュフェーズはDG-58をプリとパワーの間に用いる方法を勧めているそうです。確かに上に書いたESS社のES9018を使えるのは魅力ではありますが、せっかくプリで整えたアナログ情報を何故再度AD/DA変換しなければいけないのか、若干疑問に思っていました。
 というわけで入出力はデジタルの領域内で処理すべくDG-38の時と同じにしました。

入力

Accuphase DP700 → HS-link In
Onkyo ND-S1( for iPod) → Digital In
Accuphase C-27(phonoequolizer) → Line In

出力

DG-58 HS link Out → DP-700 HS-link In

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  さてここでとりあえず音出しのチェックです。DP-700問題なし。iPod問題なし。

 そして期待のアナログです。というのも、DG-58のアナログ入力ではADCが176.4KHzサンプリング(写真右上段二列目)に対応しているのです。早速176.4Khzに設定。
 そしてオーケストラソースで期待の音出し。出だしはいい感じです。しかし、すぐにハプニングが。。。強奏部でビリつきが起こるではありませんか!何故だ?と焦ってしまいました。

 ただ、このビリつきは経験があります。DG-38の前の使用者の方がゲインをマニュアルにしておられたために入力オーバーで同じようなビリついた音が出たことがありました。これはゲインをAUTOにするとすぐ解消しました。

 しかし、今回は初めからAUTOにしてあります。おかしいなあと思いつつパネルをチェックしていくとアナログはゲインを-6dB,0dB,+6dBに変更できることが分かりました(写真右最上段)。そこで-6dBにすると見事に綺麗さっぱりビリつきは解消しました。ちなみにあとで説明書を読むとちゃんと書いてありました(笑。

 それでも録音レベルの高いレコードでは時々写真右下の入力インジケーターの横にある「PEAK」警告が赤く光ることがあります。まあ聴感上問題ないのでそのままにしています

 もう一つの方法としてC-27サイドで10dBのゲイン調整を行えますので、そちらでゲインを落とすと確かに警告は減りましたが、やはり「上流は絞るな」というオーディオの鉄則どおりやや活気のない大人しい音になってしまいます。よって58サイドでのゲイン調整のままとしました。

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 さて、次は計測です。最初に書いたように私が58に期待していたのはスムース・ヴォイシングという機能です。38ではHoteiさんの助けも借りて色々なカスタム・ヴォイシングにトライしてみましたが、最終的にはスピーカーと部屋の特性に合わせてヴォイシングするだけのシンプル・ヴォイシングに落ち着いていました。
 ただ、このシンプル・ヴォイシング、一旦特性をフラットに補正してそれから部屋特性にリファレンスカーブを合わせなおして再ヴォイシングという二段階の面倒な操作が必要でした。このフラットにする段階で音がなまるという方もおられました。

 そのような声にアキュフェーズも対応したのか、この58にはシンプルコースにスムース・ヴォイシングという機能が追加されました。これは一回の計測で自動で両側のスピーカーを部屋特性に合わせてヴォイシングしてくれるという楽チンな機能です。やってみると、なんと1分半程度でできてしまいました。

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 で、補正後のカーブは38の時とほぼ変わりません。まあ当然ですが(笑。 Equolizerはフラットでしばらく行く予定なのでノータッチ。これでセッティングは終了、長くなってしまったので肝腎の音質については続編でインプレしますが、最後に大逆転の大化けが待ち受けていようとは、この時は思いもしなかったのでした。