ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

脳内ポイズンベリー

Poisonberry

 久々の映画レビューです。なかなか行く機会がなくって映画に飢えておりましたが、昨日はお気楽な楽しい映画を見てきました。考えてみれば邦画をレビューするのも久しぶり。それがこれか(笑。「脳内ポイズンベリー」です。いやあ、なかなか楽しかったです。

『 2015年 日本映画 配給:東宝

スタッフ:

監督: 佐藤祐市
原作: 水城せとな
脚本: 相沢友子

キャスト:
真木よう子西島秀俊古川雄輝、成河、吉田羊、桜田ひより神木隆之介浅野和之 他

失恋ショコラティエ」で知られる漫画家・水城せとなの同名コミックをもとに、年下男性に翻弄されるアラサー女性の苦悩を、彼女の脳内にある5つの思考を擬人化して描いたラブコメディ。携帯小説の作家として生計を立てている櫻井いちこは、飲み会で出会って以来気になっていた青年・早乙女と偶然にも再会を果たす。彼女の頭の中では、「理性」「ポジティブ」「ネガティブ」「衝動」「記憶」という5つの思考がせめぎあい、声を掛けるか否かで会議を繰り広げはじめる。その結果、早乙女を食事に誘ったいちこは彼の部屋にまで押しかけて肉体関係を結び、やがて2人は付きあうことになるが……。真木よう子が優柔不断な主人恋いちこを演じるほか、脳内メンバーにも西島秀俊神木隆之介ら人気俳優がそろう。監督は「キサラギ」「ストロベリーナイト」の佐藤祐市。 (映画.comより) 』

  主人公は過去に「暗黒」恋愛体験を持つケータイ作家30歳、真木よう子が演じております。真木よう子ではいい女すぎてミスキャストではないか、と前田有一が文句を言っておりましたが(笑、彼女が7歳年下の美大卒だけど創作活動だけで食っていけないアルバイトのイケメン君(古川雄輝)と、まじめでしっかりと彼女をサポートしてくれそうな編集者(成河)の間で揺れる、というベタなお話なんですが、彼女の脳内で5人、というか、五つの思考と記憶と衝動が会議するというところが良いアイデアです。

 もちろん原作はあるわけですが、理性(議長):西島英俊、ポジティブ:神木隆之介、ネガティブ:吉田羊、衝動:桜田ひより、記憶:浅野和之の脳内メンバーの丁々発止のやり取りは、まるで舞台演劇を見ているようで楽しめました。特に神木君対吉田さんのポジティブxネガティブ対決は見応えがありましたね。この演出って「キサラギ」に似てるなあ、と思ったら、監督が同じ佐藤祐市でした。

 そして揉めに揉めて収拾がつかなくなってくると突然降臨するボンデージ姿の真木よう子様のお姿も男性ファンへの大サービス。まさにイドの女王といった貫禄で、現実世界での、自分に自信の持てない平凡なアラサー女と対照的でした。どんな女性でも普段は脳内会議に任せつつ、意識下ではあんな魔性を持っている、ということを原作者は言いたかったのかな?

 映像では空中楼閣のCGもまずまずOK。

 あえて文句をつけると、BGMが過剰で仰仰しい。もう少し抑制が効いてても良かったかなと思います。

 というわけで、比較的お気楽に楽しめる一風変わったコメディタッチの映画です。息抜きに観るにはいいんじゃないかと思います。

評価: C: 佳作
(A: 傑作、B: 秀作、C: 佳作、D: イマイチ、E: トホホ)