ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

東京美術展探訪(2) ルーヴル美術館展 @ 国立新美術館

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(ジャン=バティスト・グルーズ「壊れた水瓶」1771)

 東京滞在最終日は夕方の新幹線の時刻まで、国立新美術館ルーヴルマグリットの二つの美術展を鑑賞する予定にしていました。Dolonさんに「マグリット展をまじめに全部見ていると半日かかりますよ」と注意を受けて戦々恐々で開館前に到着するように出かけたのですが、切符売り場はもう行列が出来ていました。 

 先ずは混むのが分かっている「ルーヴル美術館展ー日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」を見ることにしました。

 午前10時には既に10分待ち、入ったら黒山の人だかり。。。が出来ているところは古代エジプトの石板。。。
 なんでやね~ん?という思いと、ラッキ~という思いが交錯しつつ、私と家内はスルーして絵画部門へGO! これから行かれる方で混んでいたら、これがコツです(w。もちろん石板が見たい方は別ですが。

 というわけで比較的ゆったりと観覧できましたが、最も印象に残ったのは「壊れた水瓶」(冒頭写真)。壊れた水瓶を持つ少女の顔に強烈な既視感があり、作者の名前を見て納得。ジャン=バティスト・グルーズです。18世紀後半のフランスにおける風俗画の流行に最も貢献した画家のひとりですが、彼の代表作で「小さな数学者」というとても素晴らしい作品を昔兵庫県篠山市植野記念美術館で見て感銘を受けました。その顔の描き方のタッチがそっくりだったのです。

Petitmath
(小さな数学者、今回は来ていません。)

 今回の展示は「日常を描く」というテーマ。なので、ミレーの「箕をふるう男」やホントホルストという聴き馴染みのない画家の「抜歯屋」、ブリューゲル一世の「物乞いたち」、ムリーリョの「物乞いの少年(蚤をとる少年)」など面白い題材の絵画が多くてそのあたりは楽しめました。

  そのほかはティツィアーノ・ヴェチェッリオレンブラントコローあたりが印象に残りました。

Louvre
左: ジャン=バティスト・カミーユ・コロー「身づくろいをする若い娘」1860-5
中: ヨハネス・フェルメール天文学者」1668
右: ティツィアーノ。ヴェチェッリオ「鏡の前の女」1515頃

 というわけでさくっと見て回って終了したのでした。というか、家内も「えっ、もうこれで終わり?」と驚いたというくらい、イマイチ感が否めなかったのでした。というわけで、同時開催のマグリット展に続きます。