ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

高野山の名宝展 @ あべのハルカス美術館

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 あべのハルカス美術館で催されている「高野山の名宝」展を観てきました。丁度高村薫女史が新聞に空海の連載をされているので実物を見たいと思っていたところでしたが、高野山開創1200年記念で文字通り「名宝」が大挙して展示されていました。

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(パンフレットの八大童子と購入した両界曼荼羅図のクリアファイル)

「 弘仁7年(816)、弘法大師空海密教修行の理想の場所として高野山の開創に着手しました。空海は命をかけて真言密教の基盤を作り、承和2年(835)、永遠に人々に救いの手を差し伸べるとの誓いを立ててこの地で入定にゅうじょうされました。以来、高野山は時代や宗派を超え、今なお篤い信仰を集めています。1200年の時の蓄積はまた、山上の地に「山の正倉院」とも例えられるわが国最大規模の仏教芸術の宝庫を形成しました。皇族や武家など時の権力者をはじめ全国各地から寄進された約5万点におよぶ品々は、信仰の歴史を映す鏡であり、かけがえのない文化遺産として、連綿と受け継がれてきました。  本展は、平成27年に執り行われる「高野山開創1200年記念大法会」に先立ち、高野山の至宝約60件を展示し、その魅力をあますところなく披露するものです。空海の精神と壮大な歴史に育まれた日本の文化の精髄をご堪能ください。 (公式HPより) 」

 密教と言えば曼荼羅ですが、今回特に印象に残ったのは仏像群密教法具独鈷杵(どっこしょ)、五鈷杵、三鈷杵、金剛鈴などでした。

 仏像では快慶作の「孔雀明王坐像」(重文)に圧倒ざれました。思わず「孔雀王」を思い出したりして。
 ポスターになっている「国宝の八大童子」(国宝、多くは運慶作)はずらっと並ぶとやはり壮観でしたし、懐かしの東大寺戒壇院の四天王像の原型となった快慶作の「四天王立像」は引き締まった肉体の造形美に感銘を受けました。運慶快慶は東大寺にも縁が深いですが、高野山にもこれだけの傑作を残しているのですね。

 密教法具は実際手に持つものですから小ぶりなものですが、その重量感と緻密な造りこみにはため息が出るほど。一見の価値ありです。

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 ちなみに美術館の外に三鈷杵(さんこしょ)の大きな木製のレプリカが展示されていました。これは「吉野蔵王三鈷杵」と言います。唐にいた空海が帰国の命を受け「密教を広めるのに最適の地を示したまえ」との祈りをこめ、所持していた三鈷杵を投げたところ紫雲に乗り日本へ飛び去り、高野山の松の枝にかかっていたということで「三鈷の松」「飛行三鈷杵」として有名な逸話がありますが、その三鈷杵から型を起こして再現したものだそうです。

 3月8日まで催されていますので興味のある方は是非どうぞ。