ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

しまなみ海道紀行(2)尾道散策

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(ロープウェイより尾道市街を望む)

 さて、時間はさかのぼりますが、旅行第一日目、9月6日の昼前に山陽自動車道福山西ICを降りた私たちは、すぐにはしまなみ海道に向かわず、尾道を目指しました。

 目的は二つ、一つは昼食に名物の「尾道ラーメン」を食べること、もう一つは小津安二郎の傑作「東京物語」や大林宣彦監督の尾道三部作「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の舞台となった街を散策することです。

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 まずは車を駐車場に止めて、すぐそばのおのみち歴史博物館 へ。寂れた裏通りでしたが、ここは尾道銀行本店だったそうです。中に金庫の大きな扉がありました。「知らざれる尾道仏教美術」と題した展示があり、ありがたい仏像を拝ませていただきました。

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 次はいよいよ「おのみち映画資料館」です。この二つを見ると料金が500円に割引になります。小津の「東京物語」が主体で、大林監督に関する資料は散策マップだけと、いささか寂しいものがありました。展示されているポスターはお宝鑑定団に出すとかなりの値段がつきそうでしたけどね。

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 そこからしばらく向島の見える海沿いを歩くと、尾道ラーメンのお店「壱番館」にたどり着きました。街のあちこちで行列を見かけたのですが、全て尾道ラーメンのお店。ここも例外ではありませんでした。久しぶりに行列に並びましたが、回転が速く20分ほどで店内に案内されました。

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 上が普通の所謂「尾道ラーメン」、下が壱番館名物の「角煮ラーメン」。醤油ベースで背脂がいっぱい浮いている割には意外にあっさりしたラーメンで美味した。しかし塩味は濃い目。まあ、私たち夫婦が薄味嗜好ですからまあこれが普通なんでしょう。角煮も柔らかくとろけるようでとても美味しかったです。お汁は残してしまいましたが、二人で完食しました。 

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 さて、腹ごしらえもできたところで、尾道散策開始。ぶらぶら歩きながら千光寺山ロープウェイの駅を目指します。麓駅から5分くらいで頂上に到着。冒頭写真のような尾道の街を展望できます。

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 そこから「文学のこみち」を降りていきます。書ききれないほどの石碑を見ることができましたが、詳細はリンク先をご覧ください。途中中村憲吉旧宅や志賀直哉旧宅を過ぎつつ、尾道名物の急な坂道を降りていきます。蒸し暑かったのでじわじわ汗がしたたってきます。

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 途中に尾道で最も有名な観光スポット千光寺があり、多くの観光客で賑わっておりました。 

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 千光寺も通り過ぎ、引き続き急坂を降りていきます。猫も蒸し暑さのせいか、ぐったりしております(笑。

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 ようやくJRの踏み切りも越えて降りきりった頃には汗びっしょり、どこかで涼もうとアーケード街に入ると、「尾道珈琲浪漫」という喫茶店を見つけました。あまりに暑かったので、久しぶりにアイスコーヒーを頼むと、なんと本格的な濃い目のサイフォンコーヒーを氷を入れたグラスに注いでいただけました。久々に見る本格的なアイスコーヒーで、とても美味しかったです。

 ここで家内と二人しばし休息を取り、坂の町尾道を後にしたのでした。大林三部作、特に原田知世様の記念すべきデビュー作「時かけ」ゆかりの場所も訪れたかったのですが、残念ながら時間がありませんでした。

 というわけで、車で尾道を後にした私たちは、しまなみ海道の風景を満喫しながら、今治のホテルへ向かったのでした。自転車愛好家の皆さんには日本でも有数の人気コースだそうですが、それにしてもサイクリングロードを走る旅行者が多かったのには驚きました。