ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

るろうに剣心 京都大火編

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 この夏一番楽しみの「るろうに剣心 京都編」二部作の第一弾「京都大火編」が公開されました。前作「るろうに剣心」のレビューで

 一番面白いのは京都編だけれど、物語が壮大すぎて映画化は無理だろう

と語っていました。ところが意外にヒットしたので京都編が製作されることになってしまいました。大丈夫かな~と思っておりましたが、二部作にすると言うことで一応納得。
 しかし人間業とは思えない武術剣術の使い手、化け物のようなキャラクタをどう描くのか?
 心配はつきませんでしたが、とにもかくにも観てまいりました。

 で、、、やっぱり無理がありましたねえ。。。中盤までは、原作に忠実なストーリー展開で適度にアクションシーンもあり、まずまず良かったと思うのですが、後半ー終盤で一気に話がボロボロに。。。

 京都大火シーンのしょぼさはどうよ、とか、お笑いコントみたいな原作にない志々雄フェイクは一体どういうつもりなんだ、とか、大坂で軍艦を爆破できなかったら志々雄たちは東京へいっちゃうじゃないか、とか、もう突っ込みどころ満載。次作で一体ストーリーをどうやって元通りに回収するのか、心配でなりません。

『 2014年 日本映画 配給:ワーナー・ブラザース映画


監督: 大友啓史
原作: 和月伸宏
脚本: 藤井清美、大友啓史


キャスト
佐藤健武井咲青木崇高蒼井優、大八木凱斗、 江口洋介伊勢谷友介、土屋太鳳、田中泯宮沢和史小澤征悦藤原竜也神木隆之介 他

 和月伸宏の人気コミックを佐藤健主演&大友啓史監督で実写映画化した「るろうに剣心」(2012)の続編で、原作のクライマックスにあたり、人気の高いエピソード「京都編」を描いた2部作の前編。かつては「人斬り抜刀斎」と恐れられた緋村剣心は、新時代の訪れとともに穏やかな生活を送っていた。しかし、剣心の後継者として「影の人斬り役」を引き継いだ志々雄真実が、全身に大火傷を負わせた明治政府へ復讐を企てていると知った剣心は、逆羽刀を手にとり、単身で志々雄のいる京都へ向かう。

(映画.comより) 』

 それ以外にも、剣心が剣をおいたのと同じ鳥羽伏見の戦で志々雄真実が燃やされてたら「剣心の後継者」ではありえんじゃないか、とか、あれじゃ四乃森蒼紫が精○病みたいにしか見えんじゃないか、とか、「謎の男」ってどうみても比古清十郎だろう、とか、いろいろつっこみどころはありますが一番の不満は

 るろうに剣心シリーズ屈指の名シーン、剣心と薫の別れがしょぼすぎる。。。ちゃんと夕暮れで蛍が飛んで薫に涙してもらわないと。そういう意味では前回割と頑張っていた武井咲の演技力に限界がありました。

 アクションはさすがにみんな頑張ってましたが、やっぱり雑魚相手では物足りない。実質まともな対決は剣心宗次郎、剣心沢下条張だけですからねえ。

 それにしても駒形由美ひどすぎ。なんだこの何とかメアリージュンってのは?

 というわけで今回はこれくらいにして余興にキャラの似合い具合を勝手に採点。

佐藤健  緋村剣心  ◎ まあこの人以上に剣心が似合う人はいないでしょう

武井咲  神谷薫   △ 前回はまあまあ満足できましたけど、今回は物足りない。

青木崇高  相楽左之助  ○ 上に同じ。「二重の極」のエピソードがカットされたのは悲しい。

蒼井優  高荷恵  ○ まあ優ちゃんですから(笑。あまり重要な役割がなく、可もなく不可もなく。

大八木凱斗  明神弥彦  ○ まあまあ。次回の例のシーンの活躍を期待して。カットされたら怒るぞ(w。

江口洋介  斎藤一   △ あいかわらずタバコ吸いまくっとる。爆発物があるところでも平気で吸っとる。。。

伊勢谷友介  四乃森蒼紫  ○ 伊勢谷友介の役作りには感心するが、演出が下手すぎ。

土屋太鳳  巻町操  ○ 意外に操っぽかった。来年のNHK連ドラの主役も射止めたそうで、ご祝儀で。

田中泯  柏崎念至(翁) ◎ さすがの貫禄。舞踏家でもあり姿勢やアクションシーンも見事。原作どおりにお茶目な一面も見せてほしかったですけど。。。

藤原竜也  志々雄真実 ◎ メイクも凄いが、目だけでの演技も貫禄もの。

神木隆之介 瀬田宗次郎 ◎ そっくりという点では佐藤健と双璧。予想通り宗次郎そのもの。アクションの練習も頑張ったそうです。

滝藤賢一  佐渡島方治  ○  意外に良かった。「半沢直樹」でのひ弱な役柄の印象を吹っ切るエキセントリックな佐渡島を見せてくれました。

三浦涼介  沢下条張  △ 演技もメークも悪くないんだけど、刀を舐めるのは、演出として最低。原作でもやってたのかなあ?

高橋メアリージュン 駒形由美  × 論外、だれだこりゃ?

あとの十本刀比古師匠はまだ顔見世程度なんで省略。しかし不二が小さすぎる。。。

あっ、もう一人忘れてた!

???? 雪代巴: 後姿だけが出てきて、誰が演じているかわからない!福山よりこっちを明かせよ!!!!!と思ってるファンは多いはず。

 ということで、「京都編」は映画で二回にまとめるにはやっぱり無理がありすぎるなあ、と感じました。TVシリーズで2クールくらいかけないと難しいですね。そういう意味では前作は実にうまくまとまっていたと思います。 

 一応前半と言うことで今回は評価なし。