ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

TRICK劇場版 ラストステージ

Tricklaststage

 14年の歳月を経てついに最後の「TRICK」です。今年最初の邦画レビューはこれしかない、と思っておりました。昨日TVで新作スペシャル3を観て、今日は家族三人で「劇場版ラストステージ」を観てきました。テレ朝のキラーコンテンツは今や既に「相棒」にシフトしていますが正直言って映画化すると全然面白くないです、そういう意味ではTVだろうが映画だろうがゆる~い雰囲気の好もしいTrickが終わるのは残念です。

 とはいえ今回も内容は偉大なるマンネリでした、確かにこの辺が潮時かもしれないですね。でもラストは良かったです、TRICKがこんなマジメな終わり方でいいのか?って、これで本当に本当に終わるのならば拍手したいと思います。

『 2013年 日本映画 配給:東宝

スタッフ:

監督: 堤幸彦
脚本: 蒔田光治
音楽: 辻陽
主題歌: 鬼束ちひろ「月光」

キャスト:

仲間由紀恵阿部寛生瀬勝久野際陽子東山紀之

 自称・超売れっ子実力派マジシャンの山田奈緒子と石頭の自称・天才物理学者の上田次郎が謎の怪現象に挑み、そのトリックを暴いていく人気ミステリーコメディの劇場版第4作にしてシリーズ完結編。ある日、上田の前に貿易会社社員の加賀美慎一という男が現れる。加賀美は海外の秘境でレアアースの採掘権を獲得したが、呪術を信仰する地元民が立ち退きに応じず、困っているという。彼らが信望する呪術師のトリックを見破ることができれば、研究資金を提供すると持ちかけられた上田は、例によって自称天才マジシャンの奈緒子を誘い、初めて海外へ飛び立つが……。独特の演出で作品の世界観を生み出してきた堤幸彦監督が引き続きメガホンをとり、マレーシアでシリーズ初となる海外ロケも敢行した。 (映画.com より) 』

 初の海外ロケとはいえ、すっかりルーチン化したストーリー展開、貧乳巨根の山田上田コンビの絡み、矢部警部のズラネタ、古くて賞味期限の切れたギャグを敢えて持って来る強引さ(今回はダチョウ倶楽部ヤ~!ムッシュムラムラ)、随所に散りばめられたコネタや小道具等々、まさにTRICKワールドそのもの。

 安心して観ていられるとは言うものの、新鮮さには欠けるのはまあ止むを得ないところ。それといつも思うのですが、コネタである張り紙や看板が多すぎて読みきれない。DVDが出たらもう一回観てね、的な仕掛けはあまり感心しないですね。
 マレーシアロケにしても、いままでの奇妙な舞台設定と比べてそう目を見張るほどのものでもない。というかTRICKワールドに取り込んでしまえば、どこでロケしてもそう変わんないような。。。

 ゲストのいじり方は昨日のTVスペシャル3ケーシー高峰上条恒彦国生さゆり等抱腹絶倒でした)の方がずっと面白かったですが、「警部補矢部謙三」シリーズのかわいいヒロイン御手洗未来畠山彩奈)ちゃんを最後に登場させてくれたので良しとしましょう(w。

 今回のゲストでは東山紀之君が一番格上で当然ワケアリの役どころ。とは言うもののそれほど突飛なこともやらず(事務所の圧力か?)あまり目立った活躍もできませんでしたね。
 一方呪術師役の水原希子。やっぱり綺麗です。演技はともかくそれなりの存在感を示してくれました。仲間由紀恵がもう旬を過ぎたかなと思わせるほどの美貌の女優を持ってくるのはちょっと可哀相かなと思わないでもなかったですけれどね。

 さて、本当に山田奈緒子は死んでしまったのでしょうか?エンドロールの後のワンシーンはとても意味深でしたが、阿部寛最後の渾身の演技、上田次郎の涙にはほろっとさせられました。

 エンディングテーマは鬼束ちひろの「月光」。この曲を最初に見出したスタッフの慧眼にはあらためて感心させられます。

というわけで、TRICKシリーズの掉尾を飾る作品ということでご祝儀に「佳作」を差し上げましょう。おっと言い忘れていました。堤幸彦監督、お疲れ様でしたっ!

評価: C: 佳作
(A: 傑作、B: 秀作、C: 佳作、D: イマイチ、E: トホホ)