ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Ketevan / Katie Melua

Ketevan
  Katie Meluaの新作で6枚目のオリジナル・アルバム「Ketevan」です。タイトルになっているケテヴァンとはケイティの故郷グルジアでのbirth nameだそうです。

 前作「Secret Symphony」で再び育ての親であるプロデューサー・マイク・バットと組んで息を吹き返した感のあるケイティでしたが、今回もマイクと彼の息子のルークの二人のプロデュースで彼ら二人の曲を中心にアルバムを構成しています。

1     Never Felt Less Like Dancing
2     Sailing Ships from Heaven
3     Love Is a Silent Thief
4     Shiver and Shake
5     The Love I'm Frightened of
6     Where Does the Ocean Go?
7     Idiot School
8     Mad, Mad Men
9     Chase me
10     I Never Fall
11     I Will Be There

 一曲目から「あっ、マイクの曲だ」と分かる優しい雰囲気のバラードで、今回も安心して聴けるなという安堵感に包まれます。その後も比較的スローテンポの曲が殆どで楽器構成もシンプル。秋の夜長にリビングでくつろいで聴けるアルバムとなっています。

 裏を返せばややメリハリの無い小品だとも言えますが、ケイティの(特にマイク作の)バラードが好きだ、という方には特に不満も無く聴けると思います。

 一番のキラーチューンは先にシングルカットされたラスト曲「I Will Be There」でしょう。Amazonの解説によるとケイティがエリザベス女王の戴冠60周年の記念式典で歌うためにマイクが書き下ろした曲だそうですが、ケイティ自身が感じたように、美しさと靭さを併せ持つ母性への賛歌となっています。ちなみにマイクの息子のルークのソングライティングもなかなかのもので「The Love I'm Frightened of」などはなかなかの佳曲です。

 輸入盤にはツアー・スケジュールが添付されていますが、ヨーロッパツアーで残念ながら日本には関係ありません。是非一度来日してほしいですね。