(ガンダム最初期設定: ザク、兵庫県立美術館提供E-メール画像)
前々から行かねばと思いつつ、機会を逸し続けていた「超・大河原邦男展 レジェンド・オブ・メカデザイン」をようやく観てきました。大河原邦男氏は日本のロボットアニメ創成期からガッチャマン、ガンダム、ボトムズ等々のデザインをてがけ、メカデザインという仕事を確立した伝説のデザイナーです。その大河原氏の数多くの門外不出資料が展示された、過去に例を見ないほどの規模の展覧会で、まさしく「超」展覧会でした。
新聞で日祝日は大変な混み様と知ってはおり覚悟して出かけましたが、GWということもあり、多くのメカオタクと子供連れで大変な賑わいようでした。ちなみに明日は大河原邦男氏のサイン会があるそうで、更に凄い人出になりそうです。
美術館入り口では、連動イベントとしてトヨタ・オーリスのシャア専用車が展示されていました。乗ってみたかったのですが、長蛇の列であきらめました。
1Fに飾られていた巨大ロボットの指。この横からEVで三階に上がったところが展示会場です。今回は500円出して音声ガイドを借りました。なにせ、ギレン・ザビの銀河万丈さん、ヤッターマン2号の伊藤静さんのナレーションと大河原邦男氏自身のインタビュー音声が聞けるのですから。
(タイムラクーダ)
展示は7つの章に分かれていました。
第一章: プロローグ:「メカニカルデザイナー」誕生 → ガッチャマン等
第二章: ロボットアニメの黄金時代 → ゴーダム、ダイターン等
第三章: 兵器としてのロボット → ガンダム、ダグラム、ボトムズ等
第四章: カワイイ、メカ → ヤッターマン等
第五章: リアリズムの拡張 → ウラシマン、バイファム等
第六章: ロボット・ヒーローの復活 → エクスカイザー等
第七章: 大河原邦男の今
(ボトムズ)
どの章も見応えがありましたが、やはり私の世代ですと初期ガンダム、ボトムズあたりということになります。特に凄かったのはボトムズに出てくる、スコープドッグ1/1(すなわち実物大)モデル。
また、音声ガイドで面白かったのは、「ガンダムの主人公側モビルスーツは商品化が前提のため制約が多く、フラストレーションが溜まった。一方で敵側モデルは自由にやらせてもらえたので楽しかった、その結果ザクなどの面白いデザインが産まれた」、という裏話。
(ガンダムSEED)
大河原氏はとにかくメカが好きで、その絵を描くこともさることながら、機械を組み立てることがもっと好きで、仕事でも3Dモックアップを作るのが楽しみだったそうです。
とは言え、アニメ監督の要望、番組スポンサーの玩具メーカーの存在等、好き勝手が許される世界でもありません。そうした数々の条件をクリアして産み出されたメカのリアリティが大人の鑑賞にも十分に堪えうるレベルの作品に仕上がっていたところに大河原氏の凄さがあると思います。
今はメカデザイナーには厳しい時代だが若い人にも頑張ってほしい、との氏の激励の言葉で音声ガイドは終わりました。
(デバンダー: チビメカ 部分)
展示会場を抜けるとそこは凄い熱気のグッズ売り場。レジは長蛇の列で、欲しかったグッズもあったのですがあきらめて帰りました。できれば終了する19日までにもう一度行ってみたいと思います。