私の大好きな女性SSWレイチェル・ヤマガタの、ミニアルバムを除くと三作目のアルバムになります。
1. Even If I Don't
2. Starlight
3. Saturday Morning
4. You Won't Let Me
5. Stick Around
6. Miles On A Car
7. The Way It Seems To Go
8. I Don't Want To Be Your Mother
9. Full On
10. Dealbreaker
11. Heavyweight (BONUS TRACK)
12. It’ll Do (BONUS TRACK)
実を言うと去年の秋に既にリリースされていたのですが、一作目の「Happenstance」二作目の「Elephants...Teeth sinking into heart」程には入れ込めず、やや肩透かしを食らった感じでレビューも放置していました。今回ツイッター経由で「Rachael Yamagata and Friends」というフリーDLソースをゲットして「Full On」を久しぶりに聴いて懐かしくなり、書いてみることにしました。
今回彼女はPledge MusicというSNSサイトを利用してファンから資金調達し、自らレーベルを立ち上げ、普段から親交のあるミュージシャンと(おそらくChesapeakeの)海沿いのコテージで7日間合宿してこのアルバムを作り上げています。
二作目を作る時もメジャーのレコード会社といろいろとトラブルがあった経緯もあり、今回こういう形でアルバムをリリースするのが彼女の一番やりたい手法だったのかも知れませんし、あるいは2作目のセールスがあまり良くなくてやむを得ずの方法だったのかもしれません。
そのあたりの事情を、日本盤が出たら過去二枚で詳細な解説をされていた内本順一さんが書いてくださるかなと期待していたのですが、半年ほどして出た日本盤はこれまたインディーズ系と思われるUltra-Vybeというレーベルで日本語は帯だけ。しかもレイチェルがRachelになってるわ、ボーナストラックのクレジットの順番が逆になってるわ(正しくは上記のとおり)でまたまたがっくり。
という長い前置きはさておいて、一作目のジョン・アレイジアがプロデュースに復帰した事もあり、前作の内省的で深く重い楽曲作りから一転、一作目のポップな感じに戻ったという評価が多いようです。個人的には一作目よりは、二枚組みだった(輸入盤のみ)二作目のフォークロック的な方の「Teeth...Sinking Into Heart」の流れを組んでいる感じがします。
個人的には4曲目の「You Won't Let Me」が一番のキラーチューンだと思います。今日の一曲にしばらくアップしておきますので是非聴いてみてください。その他には軽快なイントロで始まる一曲目の「Even If I Don't 」、彼女のお気に入りのナンバーだった「Sunday Afternoon」と対をなすかのような名前の「Saturday Morning」などが良い出来だと思います。
とは言え、最初に述べたようにアルバム全体としてみると過去二作と比べるとやや軽くて普通のポップアルバムの域を出ていない感じは否めません。彼女に対する期待が大きすぎるのかもしれませんが、また次作に期待したいと思います。