ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ハラがコレなんで

ハラがコレなんで [DVD]
はむちぃ: 皆様お久しぶりでございます。ゆうけい家筆頭執事のはむちぃでございます。またまた映画レビューに引っ張り出されてまいりましたが、今日はその前にゆうけいより一言あるそうでございます。
ゆうけい: 皆様こん**は。ご存知のように新藤兼人監督が5月29日に他界されました。享年100歳、戦後日本の映画界とともに生き、生涯現役で天寿を全うされた、大往生と申し上げても過言ではないでしょう。
は: 奇しくも先日「一枚のハガキ」をレビューしたばかりでしたが、御遺作となってしまいましたね。
ゆ: ご自身の経験をもとに生涯戦争のおろかさを告発し続けられた反骨の人でいらっしゃいました。「一枚のハガキ」もこうなるともう少し誉めておけばよかったですね(苦笑。
は: いえいえ、そういう私情を交えないことこそが映画レビューの鉄則でございましょう。というわけで今回レビューいたしますのは、「川の底からこんにちは」の石井裕也監督、ご主人様お気に入りの仲里依紗様主演の「ハラがコレなんで 」でございます。
ゆ: かなり破天荒な映画になりそうな気配で、映画館で観た予告編も面白そうだったので、かなり期待しておりました。

『2011年 日本映画 配給:ショウゲート

監督: 石井裕也

キャスト
仲里依紗 中村蒼 石橋凌 稲川実代子 斉藤慶子 並樹史朗 竹内都子

妊娠9か月の原光子(仲里依紗)。子どもの父親はアメリカ人の元カレの可能性が高いが行方知れず。お金もなく行くあてもないが、昔住んでいた長屋に行ってみることに。そこには貧乏で優し過ぎるがゆえに、パッとしない住人たちが昔と変わらず住んでいた。人のことなど構っていられないはずの光子だったが、彼らのために一肌脱ごうと決意する。(シネマトゥデイより)』

は: 。。。。。(ーー;)
ゆ: 。。。。。(ー_ー)!!
は: これは久々のトホホ映画。。。。。
ゆ: 「OK!」とは言えませんで、仲ちゃん!じゃあなくて石井監督!!ストーリーが破天荒を通り越して無茶苦茶でござりますがな
は: おっ、吉本百年物語真っ最中の今に花菱アチャコのギャグを持ってくるとは、「粋だね!」
ゆ: でしょっ(^_^;)。って、この映画のキーワード二つ「OK!」「粋だね!」の二つをさりげなく紹介してしまいましたが、これを生かすも殺すも脚本次第、予告編では「川の底から」にも勝る面白い映画になるのでは、と期待が膨らんでいたんですが、あにはからんや、、、
は: トンでもないことになってしまっておりました。

ゆ: 黒人の彼氏についてアメリカへ行ったはいいが妊娠させられてあっさり捨てられて帰国、無一文に腹ボテという究極の悪条件にもめげずへこたれず、超前向きな彼女は昔住んでいた貧乏長屋に戻ってきて、あろうことか周囲の人々のために一肌も二肌も脱ごうとする、というシチュエーションはなかなか面白い。
は: 今旬の女優仲里依紗様に映画の最初から最後まで腹ボテ役をやらせる、と言う大胆な演出、それに応える仲様の熱演。
ゆ: 本当に何をやらせても面白い演技をする子ですねえ。で、

この面白いシチュエーションに仲チャンの熱演がありながら、何故にこれほどひどい映画が出来上がるんですかっ!

てのがこの映画最大の謎ですな。
は: 「川の底からこんにちは」の石井裕也監督ですから、月並みな演出はしないとは思いましたが、
ゆ: 月並みでなくとももう少しまともな、というか常識的な脚本と演出をしてほしかったですね、「川の底から」はそういう意味では無茶と破天荒の均衡を絶妙に取って結構成功していたと思うんですが、その均衡が崩れてしまっていた感が否めません。

は: 敢えて細かいストーリー展開にまでは踏み込みませんが、あり得ないフィクション話と割り切って観ればそれなりに楽しめることは楽しめます。
ゆ: 仲ちゃんファンはそういう割り切りを持ってご覧いただきたいですね。もちろんトホホ映画マニアの方には一押しでございます。

評価: E: トホホ
(A: 傑作、B: 秀作、C: 佳作、D: イマイチ、E: トホホ)