ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

夜明けの街で

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 前回の「東京オアシス」のレビューでちらっと申し上げておりました「夜明けの街で」を観てきました。もちろん原作も読んでおりますが、正直なところ深キョンこと深田恭子観たさでございます。でもって、その点に関しては満足いたしました。露出度が控えめな分「十分」とは申しませんが(笑、深キョンの魅力は十分出ていたと思います。

『2011年日本映画、配給:角川映画

監督: 若松節朗
原作: 東野圭吾

キャスト: 岸谷五朗深田恭子木村多江萬田久子中村雅俊  他

累計発行部数120万部を突破する東野圭吾の人気小説を、岸谷五朗深田恭子の主演で映画化。「沈まぬ太陽」の若松節朗監督がメガホンをとる。バッティングセンターでの偶然の出会いをきっかけに、不倫関係におぼれていく上司・渡部和也と部下・仲西秋葉。やがて渡部は、秋葉が15年前に父親の愛人が殺害された事件で容疑者として疑われており、まもなく時効を目前に控えていることを知るが……。(映画.comより)』

 ほぼ原作に忠実に堅実な作りをベテラン若松監督はされていました。ただ、原作からミステリーの部分を思い切ってそぎ落としてあるため、映画としての出来は今一つでした。
 原作ではヒロインが彼女の自宅で15年前に起こった殺人事件の犯人ではないかという疑念が不倫劇に影を落とすのですが、原作で登場する事件を執念を持って追いかける二人の人物を省略してしまったため、ちっとも影を落とさないんですね。
 だから、ほぼ100%不倫ドラマに終始してしまいましたし、ラストの真相の解明シーンがちっとも盛り上がらずに終わってしまいました。

 まあそんなことはともかく、この映画は深田恭子を鑑賞するためにあるといっても過言ではないでしょう。深キョンはこの映画のために身体を絞り、男を不倫の甘い地獄へ引きずり込むだけの魅力を存分に振りまいていました。演技力という点では、貞淑な妻を演じつつ最後の最後に怖さを見せつける木村多江さんには及びませんが、成熟した肉体とちょっと舌足らずな幼い台詞回しのアンバランスがもたらすコケティッシュな魅力は他の女優にはない得がたい資質であると思います。まだまだ事務所の後輩の綾瀬はるかに負けずに頑張ってほしいものです。

 男優陣に関しては、、、特に申し述べる事はございません(笑。というわけで、深田恭子の魅力を再確認するための映画、もうすぐ公開も終了だと思いますが、ファンの方は是非どうぞ。

評価: D: イマイチ
((A: 傑作、B: 秀作、C: 佳作、D: イマイチ、E: トホホ))