ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

借りぐらしのアリエッティ x 種田陽平展@兵庫県立美術館

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  先日山本二三展を紹介しましたが、神戸ではもう一つのジブリ関連の展覧会が開かれています。兵庫県立美術館の「借りぐらしのアリエッティ x 種田陽平展」です。夏休みの子供向け企画ではあるのですが、アリエッティ・ファンとしては結構楽しめる展示となっていました。

Photo_2   スタジオジブリ制作の映画で久しぶりに拙ブログで絶賛した「借りぐらしのアリエッティ」。その映画で描かれた小人の世界が、巨大なセットとして前半の展示室に構築されていました。美術展を観に来た、というよりはお化け屋敷に入っていくような感覚です。
 そのセットを制作したのは「キル・ビルVol.1」、「THE有頂天ホテル」、「フラガール」など、数々の話題作を手がけ、国内外で高い評価を受けている美術監督種田陽平氏です。彼が実写映画の技を惜しみなく注ぎ込み創り出したアリエッティの家はさすがに良くできており、まさにアリエッティの世界に入り込んだような感覚でした。草の上の水滴、昆虫、人間の靴、角砂糖等々、映画を髣髴とさせる仕掛けが随所に凝らしてあり、楽しかったです。居間のロッキングチェアに座って束の間ボーっとしているのも一興でした。

Photo_3 後半では、映画全体の世界観を決定する上で重要な役割を担う「映画美術」に焦点を当て、美術監督種田陽平がこれまでに手掛けた実写映画美術の多岐にわたる仕事を、場面写真やセットの模型などの資料で紹介しています。個人的には三谷幸喜の代表作と言える「The 有頂天ホテル」「ザ・マジック・アワー」の素晴らしいセットの製図やミニチュアが印象的でした。
 先日の山本二三氏もそうですが、普段余り日の当たらない映画美術を見直すいい機会になりました。

  子どもさんには後半がやや退屈かも知れませんが、夏休みに親子連れで出かけるにはいい企画だと思います。