ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

さらば愛しの大統領

さらば愛しの大統領 [DVD]
 今年から映画レビューでの評価をA~Eの五段階にしました。予想通りの二項分布でBCDに評価は集中、A(傑作)、E(トホホ)はなかなか出ません。というか、Eはまだ出ていないんですね。というわけで狙いをつけてレンタルしてきたのがこのDVD、世界のナベアツ監督・主演の「さらば愛しの大統領」です。

『2010年 日本映画

監督:柴田大輔 世界のナベアツ

宮川大輔/ケンドーコバヤシ/世界のナベアツ/吹石一恵/釈 由美子/大杉漣/志賀廣太郎/前田吟/宮迫博之/仲村トオル/水野 透(リットン調査団)/剛(中川家)/
礼二(中川家)/高橋茂雄(サバンナ)/河本準一次長課長)/小杉竜一ブラックマヨネーズ)/岩尾望フットボールアワー)/RG(レイザーラモン

 独立国家宣言をした世界のナベアツが、大阪合衆国初代大統領に就任!そんな時、謎の大統領暗殺予告が届く。大阪府警捜査一課随一のアホコンビ、早川刑事(宮川大輔)と番場刑事(ケンドーコバヤシ)が暗殺犯の捜査に乗り出すが…。次々現れる暗殺犯!操る謎の組織とは!?二人の刑事は大統領を守ることができるのか?合衆国に未来はあるのか??(AMAZON解説より)』

 う~む、予想に違わぬバカバカしさ、さすがと言ってしまいそうなトホホぶりです。まじめな映画ファンが観ると途中で席を立ちそうなおふざけぶりでした。
 「大阪国」というテーマは、先日紹介した万城目学の「プリンセス・トヨトミ」や桂三枝師匠の創作落語大阪レジスタンス」など、いろいろとありますが、ここまで安直だと吉本新喜劇のレベルですね。

 まああえて褒めるとすればそれなりに笑える(但し吉本のベタさを許容できる人のみ)点でしょうか。構成作家でもあるナベアツさんとNOVAうさぎなどのCFを手がけてきた柴田大輔監督が組んでいますから、それなりに笑いの重層構造を構築しています。すなわち

1: 芸人個人のギャグ: これはナベアツの「3の倍数」や宮迫博之の「ゴリラ」、中川家兄弟独特の絡みなど、個人芸で見せる笑い。

2: ショートコント的笑い: 冒頭の人質たてこもり犯説得ネタや暗殺団の「裏で糸を引く」ネタなど、とにかくワンシーンワンシーンがコントであると言っても過言ではない(笑

3: ストーリーでの笑い: 大阪国独立宣言までの過程の荒唐無稽さで笑いを取る

と、大きく分けて三層構造の笑いになっているところは良く考えられていると思います。思いつきで進めていったらこうなっただけかもしれませんが(爆。

 それにしてもキャストは映画の貧相さに比べると豪華そのもの。特に吹石一恵さんや釈 由美子さんがよくこんなおゲレツ映画出演をOKしましたね。大杉漣前田吟仲村トオルさんあたりはこういうの好きなのかもしれませんが。

 というわけで確信犯的に「オモロー」=「トホホ」系を狙っている映画にその評価を出すのは術中に嵌っている気もしますが(苦笑、今年初めてのE評価を出したいと思います。

評価: E: トホホ
(A: 傑作、B: 秀作、C: 佳作、D: イマイチ、E: トホホ)