ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

バラード / ジョン・コルトレーン

バラード
 去年から度々取り上げているユニバーサル・ミュージックの高音質シリーズであるSHM仕様SACDです。といっても、買ったわけではなく、「4BUY1GET」で入手いたしました。4枚買うと1枚サービスというキャンペーンなのですが、貧乏性なもんで(^_^;)散々迷った挙句、ジャズ・スタンダードの永遠の名盤であるジョン・コルトレーンの「バラード」を選択しました。

 おそらくコルトレーンのアルバムの中でも一番有名で、知らない人でも例えば「セイ・イット」の冒頭のフレーズなどは絶対に一度はどこかで耳にしているはずです。とは言うものの当時のコルトレーン・ファンの間では評判は悪く「あんな軟弱な音楽は単にボブ・シール(プロデューサー)の商売企画だ」とか「コルトレーンもあんな軽い音楽は嫌っていた」とか散々な言われ様をしていました。

 確かにそう言う面も否定はできませんが、コルトレーンのコクの深いテナー・プレイを存分に楽しめ、しかも一人でも恋人とでも家族ででもジャズ・スタンダードの雰囲気を楽しめる良質な雰囲気を持ったアルバムであることには違いありません。

 今回のSACD化には国内のオリジナルマスターを使用したようですが、十分にオーディオファイルの鑑賞に耐える音質になっていると思います。彫りの深いコルトレーンのテナー、流麗なマッコイ・ターナーのピアノ、シャープでかつ繊細なエルビン・ジョーンズのドラミング、ブラシ・ワークが鮮明にとらえられています。

 とは言え、私の場合比較すべきLPやCDを持っていませんのであくまで記憶との比較です。それにこのシリーズの最初の頃、ポリススティーリー・ダンに感じたような驚きはもうさすがにありません。慣れかもしれないし、さりげない音質の良さなのかもしれません。それに何度申し上げていますが4500円と言うプライスタグはよほどのオーディオファイルやジャズ・ファンでないと手を出しにくいとは思います。ま、私の場合おまけでゲットできた事はラッキーだったという、少々しまりのない結論でこのSHM-SACDシリーズも終了でございます(多分)。