ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

インセプション

インセプション [DVD]
はむちぃ: 皆様こん**は、新年最初の映画レビューは昨年公開され、夢~潜在意識の複雑な世界を描いて話題となりました洋画「インセプション」でございます。
ゆうけい: 公開当時観損ねたのでレンタルDVDになるのを楽しみにしておりました。観ている分にはその美しい映像と派手なアクションシーンをひたすら楽しめばいいんですが、この映画世界を説明しようとするととても難しいですね。
は: 三度観ないと完全には理解できないという噂でございます。
ゆ: そんな奴ぁおらんやろう、おんなじ映画三回観るくらいなら3本別の映画観た方がお得でっせ~。
は: 新年早々大木こだま師匠でございますか(--〆)。
ゆ: ということではむちぃ君、映画紹介お願いします。
は: かしこまりました、AMAZONなどを参考に、なるべく詳しく説明いたしましょう。

『2010年アメリカ映画配給:ワーナー・ブラザース映画

監督・脚本:クリストファー・ノーラン
撮影:ウォーリー・フィスター
美術:ガイ・ヘンドリックス・ディアス
編集:リー・スミス
音楽:ハンス・ジマー

キャスト:レオナルド・ディカプリオ渡辺謙、ジョセフ・ゴードン=レビット、マリオン・コティヤールエレン・ペイジマイケル・ケイン

ドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、人が一番無防備になる状態―夢に入っている時に潜在意識の奥底まで潜り込み、他人のアイデアを盗み出すという、危険極まりない犯罪分野において最高の技術を持つスペシャリストである。コブが備えもつ類稀な才能はこの業界でトップレベルであり、裏切りに満ちた企業スパイの世界において引っ張りだこの存在となっていた。だがその才能ゆえ、彼は最愛のものを失い、国際指名手配犯となってしまう。

そんな彼に絶好のチャンスが訪れる。彼が最後の仕事と決めたミッションを果たすことさえできれば、かつての幸せな人生を取り戻せるかもしれないのだ。だがその任務はほぼ不可能に近い「インセプション」と呼ばれるものだった。今回は彼が得意とするアイデアを盗み取るミッションではなく、コブとその部下のスペシャリストたちで構成されたチームは強盗とは真逆の行為―つまり 「インセプション」 とはアイデアを“盗み出す”のではなく他人の潜在意識に入り込み、ある考えを“植えつける”という最高難度、究極のミッションを意味する。これを成し遂げればそれこそ真の完全犯罪となりうる。

しかしながら最高の技術を持ち、細心の注意を払って準備を行ったが、予測していなかった展開が待ち受けていた。彼らの動きを全て先読みする手強い敵と対戦する準備は到底できていなかったのだ。その敵の存在を予見できたのはコブただひとりだった――。(AMAZON解説等より)』

は: 徹頭徹尾隙のない練られたシナリオ、歪み変形していく街や崩れ落ちていく崖の映像など、大変重厚でかつ映像美を極めた映画でございました。
ゆ: さすが「ダークナイト」を撮ったクリストファー・ノーランだけあって凄い映画を作ったもんだと思いますね。シナリオ、映像、演出、キャスト、全てにおいてハリウッドの実力を遺憾なく示した映画といえるでしょうね。
は: それにしても難しい設定でございました。相手の夢の中、潜在意識に入り込むという設定はSFでは決して珍しくないとは思うのですが、この映画の場合、ただ単に相手の夢の中に入るだけでなく、産業スパイチームが夢の世界を自分たちでデザインしたり、相手の知らない人物も入りこんだり、自由に姿かたちを変えられるメンバーがいたりします。
ゆ: その上夢の中では時間の進みが遅く、しかも夢の中の夢、下層へ降りて行くほどその進み方が遅くなり、かつ危険であるといった設定が観るものを楽しませもし、悩ませもします。
は: 上層の夢の中で車が橋から転落する束の間の無重力状態がその下層のアクションシーンに影響を与えるさまなどは大変凝っていて面白かったですね。
ゆ: そのような活劇映画において、敢えて主人公夫婦愛と家族愛をテーマの中心に据えたところがこの映画の重要なポイントでしょう。現実には主人公の責任で命を落としてしまう妻が夢の世界では頻繁に登場し、主人公を夢の世界に留まらせようとするその切なさ。
は: そして最後のシーンで主人公がミッションを成功させ子供たちの元に戻ったのか、それとも否か、敢えて判断を示さずに観るものに判断を委ねた余韻の深さ。
ゆ: 一つのコマの回転にそれを象徴させた演出の上手さには本当に畏れ入りました。

は: 俳優陣の頑張りも特筆に価するものがあると思います。
ゆ: ディカプリオがハリウッド有数の演技派になったことは論を待たないのですが、それにしても見事な演技でした。彼の代表作のひとつと言っていいかもしれませんね。
は: 日本人俳優渡辺謙様も奮闘しておられました。
ゆ: 流暢な英語でハリウッドの俳優に囲まれても全く違和感がなかったですね。そして何と言ってもヒロインのマリオン・コティヤールの演技がこの映画に深みを与えていたと思います。

は: ということで大変見応えのある映画でございます。
ゆ: 難解で何回も観ないと理解できない(笑、という意見も確かにありますが、とりあえず今回述べたような約束事を把握しておき、あとはストーリーの展開に身を任せて派手なアクションシーンや凄い映像美を単純に楽しむ、と言う手もありです。是非どうぞ。

は: 去年はここで採点だったんですが、年末の総括で廃止を決定いたしましたので少々寂しゅうございますね。
ゆ: そうなんだよね~、で考えたんだけど以下の5段階で評価してみようかと。

A: 傑作
B: 秀作
C: 佳作
D: イマイチ
E: トホホ

は: なるほど、これなら100点満点評価より無難で総括で混乱することもございませんでしょう。では「インセプション」の評価をお願いいたします。
ゆ: では評価です。

評価: B(秀作)