ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

SPACE BATTLESHIP ヤマト

Yamato
はむちぃ: 皆様慌しい師走の候如何お過ごしでしょうか、本日の映画レビューは「SPACE BATTLESHIP ヤマト」でございます。って当然「ノルウェイの森」だと思っておりましたが。。。
ゆうけい: (ToT)。。。上映時間を間違えましてな。。。orz
は: はぁ(嘆息。で、丁度時間が合うのが「ヤマト」だったというわけですね。
ゆ: そうなんですわ、まあ先日急逝した原作者西崎義展氏の霊が呼び寄せたか、と思って供養代わりに観る事にいたしました。
は: で、観た甲斐はございましたか?
ゆ: 諸君、敢えて言おう、カスであると!<`ヘ´>
は: それはデスラー総統ではなくギレン・ザビでございます(--〆)。というか供養になっておりません。
ゆ: スマソ。でも西崎さんもこれじゃ浮かばれませんねえ。 

『 2010年日本映画、配給:東宝

監督・VFX山崎貴
原作:西崎義展
脚本:佐藤嗣麻子

キャスト:木村拓哉黒木メイサ柳葉敏郎緒形直人西田敏行高島礼子堤真一橋爪功池内博之山崎努

ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が、国民的人気を博したTVアニメ「宇宙戦艦ヤマト」をSMAP木村拓哉を主演に実写映画化。西暦2194年、ナゾの異星人ガミラスが地球に侵攻し、その圧倒的な攻撃力によって人類は絶滅寸前に追い込まれてしまう。5年後、生き残った人間たちは放射能で汚染された地上を逃れ、地下で生活していた。元エースパイロットの古代進は、放射能除去装置があるというイスカンダル星を目指して旅立つが……。』

は: なるほど、原作もたった一隻の宇宙戦艦で一つの星相手に戦いながら14万光年以上を航海すると言う無理矢理なストーリーでございましたが、それに輪をかけて荒唐無稽なドラマに仕立て上げてしまいましたねぇ。
ゆ: ヤマトが宇宙に出た時点で早くも映画の方は力尽きました(嘆息。あとは無謀なストーリー変更、無残な脚本、臭い芝居、チープなVFX、どれをとっても文句無しでございました(-.-)。

は: 呆気なくイスカンダルへ着いてしまうせいか、ヤマトの鑑内の緊張の無さ、それはまあユルユルでございましたね。
ゆ: みんな和気藹々でしたな。おまけに格納庫の様な閉鎖空間で銃をぶっ放しまくるし、一体どういう戦闘教育を受けているんだか。
は: 沖田艦長の人物設定も元々かなり無理はあるんですが、
ゆ: それに輪をかけて情けない。途中を端折ったせいで大したリーダーシップを発揮しないまま病室行き(--〆)
は: おまけにとても器でない古代進を艦長代理に無理矢理任命してその後大した見せ場も無いままお亡くなりになるのはお気の毒でございました。

ゆ: その古代進は任命直後のワープ時に森雪と突然○○しだすし(怒。
は: そう言えば松本作品屈指のヒロイン森雪も大分印象が異なっておりましたね。
ゆ: えらいツンデレになっておりましたな。その割りには突然古代にキスされてその後なすがままならきゅうりはパパだ状態でしたが(苦笑。

は: なすがままと言えば、部下たちも古代進の無謀なガミラス星突入作戦に唯々諾々従い彼の盾となって命を落としていきますね。
ゆ: スターウォーズR2D2をパクったようなアナライザーまでもね(苦笑。
は: 原作では当然ヤマトで突入します。これはこれで無理はあるのですがこの映画よりはマシですね。
ゆ: 一つの星相手に十人余りがチンケな艦載機で突入して、その後が西成の人集めみたいな装甲トラック一台ですから思わず笑ってしまいましたな。
は: 挙句に古代進と森雪以外全滅ですから。。。
ゆ: 自分の兄を見殺しにしたと沖田艦長を恨んでいた筈の古代君が艦長代理として成長した姿なんですか、な?

は: その一方で敵のガミラス星の姿の改竄も茫然とするくらいひどかったですね。
ゆ: ネタバレの時期ではないのでこの大変更は敢えて伏せますが、何であんな設定にするのかわけが分かりませんね。あれだとガミラス星波動砲をぶっ放した後で古代進が深い後悔にとらわれる、という原作屈指の深いテーマがぶち壊しですがな。

は: 帰還時も隙だらけの臨戦態勢、特に最後の最後、艦と地球が絶体絶命と言う最中の御託の長さといったら。。。
ゆ: デスラーが「これからミサイルで地球を消滅させますよ」とご丁寧に教えてくれてるのに皆さん何をチンタラチンタラ話し合っているんだか、特に重大な使命を背負ってしまいながらむずかる森雪には小一時間(以下略) 

は: さて「臭い芝居」の方ですが、あれだけの名優の皆さんが頑張れば頑張るほど滑稽になっていくのはちょっと理解の範囲を超えておりましたね。
ゆ: 木村拓哉のせい、とでも言いたいのかな、はむちぃ君(笑。
は: えっ、違うのですか(^_^;)?
ゆ: キムタクはもう何を演じてもキムタクなんですから、キムタクが古代進を演じるなんて思っちゃダメですよ。それを承知で主演させるんですから成功するかしないかは脚本と演出次第。
は: で、それがダメだったと。
ゆ: 敢えて言おう、キムタクは良く頑張っていたと。
は: ハイハイ、もうええっちゅうに(;一_一)。で御相手の黒木メイサ様は如何でございました?
ゆ: 当代ピカイチの女優と聞いていたんですが、どこがいいのか良く分からなかったですねえ。何の魅力も感じないのは私がおかしいんでしょうか?

は: 多分(-.-)。さて、脚本もダメ、芝居もダメとなるとあとはVFXを楽しみにするしかないわけですが?
ゆ: これもまたヤマトが地中から発進していきなり波動砲をぶっ放すあたりで力尽きましたな。
は: なんと息切れの早い映画でございましょう。
ゆ: 宇宙へ出てからのヤマトはまるでプラモ。宇宙での戦闘や艦内戦闘ははるか過去のスターウォーズやエイリアンでももうちっとマシだったような。
は: ということはハリウッドに30年遅れてる事になりますね(嘆息。
ゆ: 「白組」とかいうVFXチームは「日本最高峰」らしいんですが、「ALWAYS 三丁目の夕日」を撮った山崎貴がその使い方を間違えるとはねえ。

は: 何か褒めるところはございませんかね?
ゆ: 音楽ですかね、これだけは原作に忠実にやりましたね。スティーブン・タイラーのエンディング・テーマも良かったと思いますよ。あとはデスラーの声を伊武雅刀にしたことくらいかなあ。

は: というわけで少々辛うございますが採点をしなければなりません。
ゆ: 私の場合時間を埋めてくれたことには感謝しなけりゃいけませんが、ヤマト世代の皆さんには焦らないでレンタルを待つことをお勧めいたします。

はむちぃ: 45点
ゆうけい: 37点