ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 1

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はむちぃ: 皆様こん**は、ゆうけい家筆頭執事のはむちぃでございます。ご主人様、昨日は奥様がお留守をいいことに公開されたばかりの「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 1」 を観てこられましたね、奥様とご一緒に観るはずでしたのにばれたら怒られますよ~(-.-)。
ゆうけい: いや~全く。でもこの最終話には思い入れが深いもんでね~、一刻も早く観ようと決断いたしますた。
は: そうでした、ご主人様が3年前突如体調を崩された折り、唯一の楽しみがこの原作「Harry Potter and The Deathly Hallows」 を読むことでございましたからね。
ゆ: ジム通いはもとより、PCを開ける事もオーディオ機器を立ち上げる事もしんどくて、ただひたすら電子辞書片手にこれを読んどりましたからな。この世界に没頭してなきゃ、仕事と食事以外は寝てるしかなかったでしょうな。だからこの本には感謝してるんですよ。ですから映画の方もようやく最終話に辿り着いたかと思うと万感胸に迫るものがあります。まだ前半ですけど(笑。

『 2010年 アメリカ・ワーナー映画、146分

監督: デヴィッド・イェーツ

キャスト: ダニエル・ラドクリフエマ・ワトソン, ルパート・グリント, レイフ・ファインズ, ヘレナ・ボナム=カーター

 世界中で圧倒的な人気を誇る『ハリー・ポッター』シリーズの映画版最終章は2部構成。今回はその前編となる。亡きダンブルドア校長の遺してくれた手がかりを基に、最強の敵ヴォルデモートの不死と抹殺の鍵である“分霊箱”を見つけるべく旅に出たハリー(ダニエル・ラドクリフ)、ハーマイオニーエマ・ワトソン)、ロン(ルパート・グリント)。ホグワーツの先生たちからの指導も、ダンブルドア校長の保護もないいま、3人には互いを信頼し合うことが必要になるのだが、旅は困難を極める。そして彼ら自身の中に潜む闇の力が3人の絆を亀裂が生じることに――。『ハリー・ポッター』シリーズ最終章の前編。』

は: まだネタバレはエチケットとして避けなければいけない時期ですが、第一印象はいかがですか?
ゆ: まずまず面白かったですね、合格点じゃないですか。私があまり評価していない「不死鳥の騎士団」「謎のプリンス」のデヴィッド・イェーツがそのままメガホンを取っているんで若干心配していたんですが、長所である寒色系の美しい映像はそのままに意外にテンポ良く原作のエッセンスを詰め込んでおり、飽きさせない流れを作っていました。
は: 前2作は最終決戦に至るまでの長い長いブリッジの要素もあるので致し方なかった面もございますが?
ゆ: それを言えば今回も最後のブリッジですからねえ(苦笑。
は: ご主人様はその前半でどこまで行くか予想されておられました?
ゆ: 上映時間が146分と分かった時点でM邸脱出までだなと確信していました。
は: その予想は的中でしたか?
ゆ: 見事に(^_^;)。どうせなら3時間以上にしてもう少し進めてくれても良かったと思いますけど、意外に律儀な作り方をしましたね。

は: 原作のレビューをもう一度引用いたしますと、この最終話でのポイントは

1: 主要登場人物にまつわる謎
2: 悪役の親玉Voldemortが魂を切り分けた7個のHorcurux(邦訳:分霊箱)とは一体何か、そして破壊方法はあるのか?
3: 今回新たに登場する3つのDeathly Hallows(邦訳は「死の秘宝」になる予定)の正体

と超盛り沢山なのに、前半はハリーロンハーマイオニーの長い逃避行と、その疲れと分霊箱の悪影響による諍いが延々続き、その挙句に分霊箱一つしか片付かないで後半に突入する、と書いておられますね。
ゆ: その通りで原作を読んだ折には前半でかなりの忍耐を強いられたんですが、そのストーリー展開は今回の映画も全く同じなんですね。ところが結構スリリングな脱出劇が続き、その都度舞台も目まぐるしく変わるんで結構飽きさせないんです。加えてお馴染みの3人の心理的葛藤も結構上手く処理してありましたしね、これだけのものが撮れるなら、イェーツさん、前二作もラブコメにしないでちゃんとやってくださればよかったのに(苦笑。

は: お言葉を差し挟むようでございますが、原作本のレビューでは瑕疵としてこのようなことを書いておられますね。

『1:narrow escapeが多すぎる
間一髪の脱出が多すぎると、プロットとしてはスリル満点で面白いかもしれないが段々とリアリティが失われていく。確率的にはこいつらとっくにくたばっていて話が終わってるよなと思えてくるし、身の毛もよだつ恐ろしいオーラを放っていた敵がバカに思えてくる。』

ゆ: イエスアイドゥ~(坂田師匠風)、そして

まるでハリウッドのアクション映画のようです

とも書いていたでしょ。裏返せばハリウッド映画にすると丁度いい塩梅になるだろうとも予想してたわけですわ。それにしても前半だけでこんなにヤマがあったとは(笑。
は: ホントですか~(;一_一)、確かに筋は通っておりますが。。。ではまあハリウッド的脚本は完璧なわけですね。
ゆ: う~ん、端折ってるところで大事な部分もあって若干急ぎすぎたかな、満遍なくストーリーを進行させるため単調になったかな、と言うところはありますね。
は: 例えば?
ゆ: 冒頭の見せ場である、ハリーだらけのダーズリー家から隠れ穴への移送作戦はもう少し丁寧に、全組と言わないまでも主要な戦いは見せて欲しかったですね。ちょっとネタバレになって申し訳ないですけど、ジョージ・ウィーズリーの耳を切ったのがセヴェラス・スネイプである事は重要な伏線ですし、マッドアイの最期も見たかったです。ついでに欲を言えば「良い奴」になったダドリー・ダーズリー君も見せて欲しかったです。
は: そう言えば原作を読まれた際に一度だけ涙された場面がラストに出てくるはずでございますが?
ゆ: はい、そこで今回は幕を閉じたんですが、残念ながら泣けませんでしたねえ。やっぱりじっくりと原作を読むのと、パッパカパッパカ大急ぎで話を展開されるのとでは随分印象が違いました。そこが今回一番残念でしたかねえ。もちろん泣けた方もおられるとは思いますが。。。

は: さて俳優陣の演技でございますが。。。
ゆ: ダンブルドアの途中交替は別にして、このメンバーがハリー・ポッター・シリーズそのものと世界中に認知されてますから、何も言うことは無いですね。敢えて言えば私のお気に入りのスネイプ先生役のアラン・リックマンの出番が少なかったのがやや残念です。

は: では採点でございますが、Part 1ということで単体での評価はちょっと難しいですね。
ゆ: はむちぃ君は観てない設定に今回はしましたしね(苦笑。まあ及第点ということで標準と考えている点数をはむちぃ君にはつけてもらいましょうか。二つに分けるのは儲け主義だと言う話もあって、確かに莫大な収益を上げることは間違いないんでしょう。ダニエル・ラドクリフがロイヤルファミリーの一人よりも金持ちになったってのはどうよ、と言うご意見も有ると思います。とは言え、最終話は2時間半程度で収める限り、二つに分けないと仕方なかったと思います。
は: では来春の最終話を期待して採点にまいりましょう。

はむちぃ: 75点
ゆうけい: 77点