ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

大阪ハイエンドオーディオショウ2010(2)

Accuphase1
Accuphaseブース、パワーアンプ右上が新製品P-6100 )

 前回に引き続き大阪ハイエンドオーディオショウのチョイ聴き寸評記、今日は3、4F編です。

3: アキュフェーズ

Accuphase2
 何といっても私のホームグラウンドですから(笑、SMEのプレーヤーについて係りの人に教えてもらったりしつつ、まったりと過ごさせて頂きました。タイミングが良かったのか、はたまたサービスか、下記3系統の音を比較的短時間で聴くことができました。

1: DP-510→E-460(新プリメイン)→Monitor Audio PL-300
2: E560単体と+A-45でシングルとバイアンプの比較、SPはMonitor Audio PL-100
3: 800+801及び新カートリッジAC-5+SMEのプレーヤー+C-26 →C-3800→P-6100(新ステレオアンプ)→JBL Project K2 S9900
(1と3はDG-48でイコライジング

  不思議と、というかやっぱりと言うか、スピーカーがまったく異なるにもかかわらず私にとって全く違和感の無い音。特にMonitor Audioはアンプやプレーヤーの能力特徴を素直に引き出すスピーカーのようですね。今回ハイファイジャパンの部屋でPL-200も聴けましたので100,200,300全て聴くことができましたが、ナチュラルでバランスの良いシリーズです。

 期待していた新パワーアンプ、M-6000のステレオバージョンのP-6100ですが、もちろんJBLの最高機種も難無くドライブしていました。ただJBLが比較的能率の高い鳴らしやすいスピーカーであることもあり、真の実力を見たとは思えないですし、これがP-6100の個性だ、というところまでは分かりませんでした。

 アナログの音はデジタルラインのアキュの音とは幾分趣を異にしますが、個人的にはとても良かったです。フォノイコに次いで再開発に乗り出した新カートリッジAC-5は、帯域の両エンドまできっちりと伸び情報量も多い現代型カートリッジでありながら、中域の密度感の濃さを重視したアナログらしい音作りで注目すべき作品と思いました。
 Lauren Whiteのジャズボーカルで聴くカーペンターズの「スーパースター」やお馴染みのファリャの三角帽子の導入部など、JBLの能力もあいまって濃厚なアナログ感覚を楽しめました。

4: ラックスマン

Luxman3
 アキュフェーズの向かいはいつもの通りラックスマンの部屋。元38ユーザーだった私はSQ-38uやD-38uに見とれつつ着席。

 CDPは中堅機種のD-06、プリメインアンプは新機種の純A型L-590AXで、ラックスマンが扱うコンセンサスオーディオのスピーカー「Bogen」(上の写真)をドライブするデモを聞かせていただきました。
 「ラックスマンの純A級」と言えばとろ~りとした濃密なクラシックサウンドを連想しますがあにはからんや、滑らかな微粒子感を残したまま現代風ハイファイサウンドに様変わりしていました。Bogenのセラミック振動板もその音に貢献しているのでしょう。
 ちなみにBogenのお値段はペア約160万円。このオーディオショウにあってはとってもお安くリーズナブルなお値段(笑。いや、真面目な話、これだけシンプルなシステムでこの音なら本当にC/P比は高いと思いました。

5: アクシス

Axiss2
 Wilson Audio = 大場商事、というイメージが強いだけにアクシスにウィルソンのスピーカーが置いてあるとまだ違和感が(笑。でも、元Wilsonユーザー(と言ってもCub2ですが)としてはウィルソンが鳴っているだけで嬉しくなってしまいます。写真のように時代はPCオーディオになっていますがウィルソンはウィルソン、Sasha H/Pからは実に闊達で陽性の楽しい、そしてレベルの高い音が出ていました。

 なお前段機器はUSB-DAC、プリ、パワーともにAyreでした。アクシス扱いのハイエンド機器で聴くのもおつなものです。ノラ・ジョーンズのYoung Bloodなんかご機嫌にスイングしてるし、ノラのボーカルは華やいでるし、エアー+ウィルソンも良いなあ、なんてね(笑。

6: ハーマンインターナショナル

Harmaninternartional
 ハーマンと言えばJBL。というわけでJBLの新モニター4365マークレビンソンの512+32L+532というハイエンドラインで鳴らしていました。さすがマークレビンソン、4365の38ウーファー1501FEをブイブイドライブしていました。
 ジャズドラム、ベースの音はさすがJBL、他を寄せ付けない麻薬的な魅力にあふれております。アコースティックジャズしか聴かないという方にはこのシステムは完璧ではないか、と感じました。

 とは言え、次に入った時には傳先生のデモで超満員でしたが、チャイコフスキー交響曲もしっかりと鳴っておりました。最近のJBLはソースを選ばないですね。

7: 株式会社メース

Mace2
 メースのブースはホテルの小室が二室あり、一部屋ではKiso AcousticsのHB-1、もう一部屋ではHarbethのデモが行われていました。Harbethの小型密閉型スピーカーHL-P3ESRBBCモニター3/5シリーズの系譜を継ぐモデルですが、密閉型の良さと適度な箱鳴りを備えた大変好もしい音でした。エリック・クラプトンの渋いブルースが熱気を持って再現されておりました。
 これと同じ大きさのMonitor20を比較のため鳴らされましたが、こちらは箱鳴りを無くして正確な音の再現をする典型的なモニタースピーカーです。楽器の音が正確に再現される分、音楽的味わいには乏しくなります。その違いが良く分かるデモでした。

Mace1kiso  Kiso AcousticsのHB-1は高峰楽器とコラボレートして製造され、小さい筐体からスケール感の大きい素晴らしい音が出ると話題の国産スピーカーです。確かにその小ささからは驚くほどのスケールの大きい音が出ていて、後ろのハーベスを鳴らしているのかと耳を近づけて確認しなくてはいけないほどでした。ただ、部屋が小さすぎるのでしょうか、それを活かしきれていない若干もこもこした音になっている感じがしました。結構セッティングの難しいスピーカーだなと思いました。

 では今日はこの辺で。