ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

SHM仕様のSACD

シンクロニシティー
 久々にオーディオネタの与太話など。先日導入した新SACD/CD Player Accuphase DP-700もそれなりにエージングが進み、大分こなれた音となってきました。以前は今一つ音に満足していなかったCDなどもこのプレーヤーでかけなおすと新たな発見と言うか、真の音を発見できて喜んでおります。例えば音がダマになっている所があって気になっていたAlan Pasquaの「ボディ・アンド・ソウル」などもすっきりほぐれて表現され、彼のピアノの透明感が綺麗にかつ彫り深く再生されるので喜んだりしております。

 では手放しで大満足かというと、SACDの音がまだ試聴機で聴いた伸びやかで柔らかい音に至っていないように思います。で、SACDをせっせとかけ続けているわけですが、拙宅にある手持ちSACDだけですとさすがに飽きてきたので、チョコチョコ物色しては買い足しております。家内がカードの支払額に気づくのが怖い(苦笑。

 でもなかなか音質と言う点で目を見張るようなブツに出会えない。そこで一枚4500円と高価ではありますが、ユニバーサル・ミュージックSHM仕様のSACDシリーズに手を出してしまいました。
 このシリーズは基板に液晶パネルなどに使われる透明性の高いポリカーボネート「SHM」を用い、更には2ch-SACDのみのシングルレイヤーにした事により非圧縮でデジタルデータを収録できることにより、尋常ならざる高音質になっていると話題で、ステレオサウンドにも特集されています。小林慎一郎氏はその中でスティーリー・ダンの「Aja(彩)」を

「生涯資産」

とまで言い切っておられます。これは買わねばなるまい(笑。が、「Aja」は山口小夜子のジャケに惹かれてリリースされた当時即LPを買いましたが、あまり好きになれずじまいでした。で、まずはポリスの最高傑作「シンクロニシティ」を第一号として選んでみました。

 届いたブツは豪華な厚紙の折り畳み式紙ジャケ仕様となっております。豪華過ぎてディスクを取り出すのにも一苦労(-_-;)。が、いざ音を聴いてみると確かに凄い。。。「まじかよ。。。」と、本当に腰を抜かしそうになりました。
 リバーブのかかり具合まであからさまに分かるStingのヴォーカル、そして全ての楽器の質感が段違いというか次元が違うというか。「Synchronicity I,II」の複雑な構成がパノラマ的に眼前に展開される様、「Walking in your footsteps」のStuのパーカッションの音のリアルさ、しなやかさ、「Every breath you take」でのAndyのギターのスタッカートのかかった印象的なアルペジオとその陰に隠れがちなStingのベースラインが鮮やかに分離されて聴こえてくるところなど、数え上げるときりがないくらい。

 長い間聴き馴染んできた手持ちのLP(日本盤初盤)ととても同じマスターとは思えません。バランスも大分違う気がします。情報では米A&M制作2003年DSDマスターを用いているそうで、その時に若干手が加わっているかもしれません。まあとにもかくにも元となったマスターテープの音に限りなく近いんじゃないか、逆に言えばマスターテープの音ってこんなに凄いのか、と感心することしきりでした。

彩(エイジャ)

 で。。。「Aja」も買ってしまいました(^_^;)。こちらは日本盤オリジナルマスターを用いた初SACD化だそうで、それなら私のLPと全く同じマスターのはず。聴き比べてみると確かに同じマスターの印象を受けます。が、音の立ち上がり、S/N比と音場の深さが全く違います。特に感じるのが各曲の冒頭。無音の深淵からレベル一杯まで何のストレスもなくいきなり音が屹立する感じは快感。これを聴いてからアナログを聴いてみるとアナログのバックグラウンド・ノイズのレベルが良く分かります。
 更には各楽器の音が全て伸びやかで聴いていて気持ちがいいですね。この伸びやかさしなやかさを拙宅のDP-700で全てのSACDで引き出せるようになる頃にはもっと凄いことになってるかもしれませんが。。。
 まあだからと言って「Ajaを好きになりました」.というわけではないのですが(笑、オーディオセッティングの新しいリファレンス・ディスクができたことは間違いありません。


 というわけで、SHM-SACDの凄さはよく分かりました。かと言ってこれからもこのシリーズを買い続けるかというと難しいところ。ロック、ジャズ、クラシックと広いジャンルから選ばれているのは嬉しいところですが、今のところ旧作のSACD化ばかり。何よりも一番の難点は値段ですね。豪華な厚紙折りたたみ式の紙ジャケでなくて普通のプラケースでいいから、せめて3000円台前半で出して欲しいところです。
 ちなみに4枚買うと1枚プレゼント・キャンペーンを年末まで行っていますので、18000円出せば一枚3600円になる勘定になりますので(ただし手数料400円要)、これは狙わねばなるまい(笑。ちなみに今月のクライバー(ベト5&7)、来月のコルトレーン(バラード)あたりを狙っております。