ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

(ハル)

(ハル) [DVD]
はむちぃ: 皆様野分(のわき)の候、いかがお過ごしでございましょうか、はむちぃでございます。本日はちょっと懐かしい映画でございますが、深津絵里様主演の「 (ハル) 」をお送りいたします。
ゆうけい: 当然ながら深津さんの第34回モントリオール映画祭最優秀女優賞受賞記念でございます。深津さんといえば今はすぐ「踊る大捜査線」シリーズのすみれさんを連想される方がほとんどと思いますが、私はこの映画の印象が強烈で、良い女優さんが出てきたな、と思いましたね。でははむちぃ君、早速映画紹介お願いね。

は: ちょっと待ってくださいませ、ご主人様(ーー;)。
ゆ: は、な~に?
は: 昨晩ご就寝前にtwitterで大笑いしておられました、よ、ね(一_一)
ゆ: ぎくぅぅぅっ(@_@;)、あ、いや、(はる)に比べれば通信手段もお手軽になったなあと思ってね(大汗。
は: 嘘おっしゃい!ログを記録してございます。これでございますっ!

「  ××さんに倣って、はむちぃを平仮名2文字で表すと…【 へ ぼ 】 あっはっはっはっは~(^◇^)  」

ゆ: た、確かに、140文字以内ですな(苦笑。。。
は: そういう問題ではございません!
ゆ: ひえ~、ご勘弁を~、自分でやったら「ゆり」で面白くも何とも無かったんだよ~
<m(__)m>、ま、気を取り直してまいりましょうか。
は: それはこっちのセリフでございます。

『1996年 日本映画、
制作:光和インターナショナル、配給:東宝

監督・脚本:森田芳光
主題歌:『TOKYO LOVE』:THE BOOM

キャスト:
深津絵里内野聖陽戸田菜穂宮沢和史平泉成 他

   人生に行き詰まりつつあるサラリーマンの逸見(内野聖陽)は、「ハル」というハンドルネームでパソコン通信を始め、やがて「ほし」と名乗る人物とのメール交換が始まる。しだいに「ほし」が女性(深津絵里)であることがわかり、彼女もまた、人生に悩みつつ日々を生きるひとりの若者であることを知る…。
   森田芳光監督が、まだメールという言葉が一般的でなかった1995年に、お互い顔も知らぬまま恋に落ちていく男女の姿を、画面いっぱいのメール文字を中心にしながら描いていくという実験的要素と、時代を先取りする卓抜したセンス(アメリカ映画『ユー・ガット・メール』よりも早い)で繰り広げていくラブストーリー。主人公ふたりがさまざまないきさつを乗り越えて、ようやく出会うラストシーン。そこでの台詞の美しさたるや!(的田也寸志

AMAZON解説等より)』

は: 確かにこの映画を拝見いたしますと、たった14年前の映画にもかかわらず、パソ通時代の古さが歴然でございますね。
ゆ: 私がNifty Serveを始めてしばらくした頃だったかなあ、と思います。あの頃のモデムの通信スピードは、

「ダウンロードするテキスト情報が視認できる」

くらいだったんですよね。それはそれで便利だった気もしますが(笑。
は: メールで知り合った二人がそのやり取りの中で少しずつ心を通わせていき、会いたい、お互いの存在を確かめたい、と強く思うようになる過程が見事に描かれていましたね。
ゆ: もちろん二人の演技もさることながら、会話自体パソコンの画面が主体となるわけですから、森田芳光監督の演出・脚本のうまさですねよね。あの時代に主人公の名前を

(ハル)」「(ほし)」

にするセンスは彼の年代(1950年生)にして初めてできた技でしょうね。

は: お互いの実在を確かめあう場面もセンスの良さが光りますね。
ゆ: まあ古い映画なのでネタバレさせてしまいますが、(ハル)の東北出張を聞いた(ほし)が、沿線のある地点で(ハル)が乗車する新幹線を見送ると約束し、互いにビデオカメラを持ち目印のハンカチを振り、線路沿いに立つ(ほし)と車中の(ハル)をお互いに撮影することで、遠くからの、ほんの一瞬だけの対面を果たすんですよ、斬新だし、深津絵里の表情にちょっとウルウルきましたね。

は: そのあと、少し波風が立つのですが、これはもう映画の演出上、常套手段ではあります。
ゆ: ただ、その波風の一因が「映画フォーラム」だというところが当時は目新しかったですね。「フォーラム」という言葉自体もう死語になりかけてますが、現在のMixiで言えばコミュにあたるものでした。私も色々入っていましたが、ソフト、ハードの目まぐるしい発達により、その存在価値を失っていきました。
は: ご主人様自身立ち位置をブログに移されて、2005年に「Nifty Serve時代の終焉」という記事をお書きになりました。
ゆ: そうでしたね。ただ正確に言うとNifty Serveは今も「Folomy」と名を変え形態を変えて残っています。ただ、この映画の頃のような時代の最先端だった時代は遠に過ぎて、SNStwitterを携帯でお気軽にする時代になってしまいましたね。
は: 今回深津様が受賞された「悪人」も携帯の出会いサイトというある意味通信手段の影の部分がクローズアップされているようでございます。
ゆ: 彼女にとっては皮肉な巡り会わせといえばそれまでなんですが、14年間でこれだけ通信手段によるコミュニケーションの激変が起こった時代と言うのは過去に例を見ないわけで、そういう意味では大変な時代を私たちは生きていると言えるでしょうね。

は: さて、この映画のラストシーンは邦画史上に残る名シーンでございましょう。
ゆ: こういう通信手段の無かった時代には考えられない終わり方ですからね。
は: 映画の宣伝もこの終わり方をキャッチフレーズにしておりました。
ゆ: 最近の映画では「おと な り」がこれに近いんですが、こういう終わり方って好きですねえ(笑。
は: さて、採点はいかがいたしましょう?
ゆ: 深津絵里さんにご祝儀で差し上げましょうか(笑

はむちぃ: 80点
ゆうけい: 85点

は: ご主人様は深津絵里様に甘いのとNifty Serveの思い出とでやや甘のようでございますが、今見ても恋愛映画としての内容自体は新鮮でございます。「悪人」をご覧になる前に是非どうぞ。