ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ちょんまげぷりん

Kiyoshirouchonmage
はむちぃ: みなさまこん**は、はむちぃでございます。本日の映画レビューは話題の邦画コメディ「ちょんまげぷりん」を取り上げさせていただきます。
ゆうけい: 家内がこの夏一番見たい映画だと申しましてな、久々に三宮のど真ん中のシネリーブルまで出かけて参りました。
は: はて、「ザ・ロードもリーブルではございませんでしたか?
ゆ: はっ、そうだったか(健忘。
は: もうそろそろ認知が。。。(-_-;)
ゆ: 何か申したか、はむちぃ君や?
は: いいえ、何でもございません、そう言えば帰りにジュンク堂で「The Road」をゲットして来られましたね。(と話題をすり変えるのも執事の役目でございます)
ゆ: そうそう、まともに洋書が置いてあるのはあそこくらいしかないんだよね~(上機嫌)
は: 単純なご主人様で何よりでございます、では映画紹介に参りましょう。

『 2010年日本映画、ジェイ・ストーム

監督・脚本: 中村義洋
原作: 荒木源
エンディング・テーマ: 忌野清志郎「Remember You」

キャスト: 錦戸亮ともさかりえ今野浩喜、佐藤仁美、鈴木福、怱那汐里、堀部圭亮中村有志、井上順

ある日、仕事と家事に追われ忙しい毎日を送る、シングルマザーのひろ子(ともさかりえ)とその息子・友也(鈴木福)の前に、ちょんまげ姿の男が現れた。聞くと名前は、木島安兵衛(錦戸亮)、180年前の江戸から来た侍だという。行くあてもなく、親子の家に転がりこんだ安兵衛は、居候のお礼にと、働くひろ子のため家事を手伝う。友也のために作ったプリンをきっかけに、みるみるお菓子作りの手腕を発揮した安兵衛はあっと言う間に超人気パティシエになってしまう。そして、一緒に暮らすうちに互いにかけがえのない存在になる3人だったが、やがて甘く切ない別れが訪れる…。』

は: 涙あり笑いありの楽しいコメディでございましたね。
ゆ: 題名からして余り期待してなかったんだけど、意外に良かったね。あまり大きなシネコンではないんだけどほぼ満員で、しかも笑いが絶えなかったからねえ、あんな雰囲気で映画を見たのは久しぶりでしたから楽しかったです。
は: 存じております、奥様がぼやいておられましたよ~、

「はむちぃ聞いてよ、ハンバーガーショップではしゃぎまくって他のお客さんに迷惑をかける子供を錦戸君が大声で一喝する場面でね、あのおっさんときたら事もあろうに拍手するんやで、参ったわ、思わず両手押さえたったけどそれでも拍手やめへんね、恥ずかしいッたらありゃしない」

って、お気持ちは分かりますが程ほどになさいませんと(--〆)。
ゆ: いやあ、気持ち良かったですなあ。母親が叱りきれずにいる時、ああいう人がいてくれたら日本も変わるんですけどね、マイミクに一人いらっしゃいますが(マジ。

は: あの古来の日本の武士の理想像のような安兵衛役は、中村監督によりますと真田広之様の「たそがれ清兵衛」をモチーフにしておられるようでございます。
ゆ: いかにも、な感じですね。清兵衛がタイムスリップして現在に現れたら、というアイデアは確かに秀逸ですよね。それにしても、現在もののコメディで彼のように生真面目一徹に徹する事はかなりの演技力がいると思うんですが、錦戸亮君は監督の期待に応えて、きりっとした表情と居住いの正しさを崩さずによく演じきりましたね、立派だと思います。

は: その武士と、現代の典型的な母子家庭のともさかりえ様、鈴木福様とのからみが絶妙でございました。
ゆ: 一所懸命仕事と家庭を両立させようとしているのに、結局仕事場でも嫌味を言われ、子供もうまく躾出来ずに疲れ果てている、そんな母親の役どころをともさかりえがうまく演じていましたね。
は: 泣き虫の子供に

男はやたらに泣くものではない!

と諭せるのはやはり父親の役目だ、と言ってしまえば男女同権の今の世の中でバッシングを浴びそうなものなのですが、
ゆ: 映画館ではブーイングなど一つもおきなかったですよね、更には

母上に対して、何という口のききようか。誤られい!

ときっちりと叱るシーンなんかも原作者や監督の強いメッセージだと思うんですが、世の所謂「進歩派」「人権派」の方々に意見を聞いてみたいもんですな。

は: 男女同権と言えば、最初安兵衛様は奥向きの仕事(家事全般)を引き受け、家族の間に愛情と結束が高まっていくのですが、安兵衛様がパティシエとして出世していくにつれ「奥向きの仕事はおなごの役目」的態度に変わっていくところが、シングルマザーのともさかりえ様の逆鱗に触れてしまいますね。
ゆ: 起承転結の転ですね。彼女の離婚の理由があの辺の男の身勝手さにあった事をさりげなくそれまでに提示していましたし、とてもうまい筋運びだと思いました。と同時に考えさせられるところでした。

は: さてその「結」でございますが?
ゆ: 武士の本分である実力を最後に発揮するところなど、水戸黄門的安直さはありましたが、まあコメディとしては合格点ですね。ラストの場面でまた「プリン」が出てくるところはほのぼのとして良かったです。
は: タイムスリップものにうるさいご主人様にしてはやや甘いようにも思いますが(^_^;)。
ゆ: 「ぷりん」は甘いものですよ(笑、まあ冗談はともかく、コメディのラストとしてはとても秀逸だったと思いますね。

は: では採点でございます。
ゆ: 題名とジャニーズ系主演と番宣だけでちょっと馬鹿にしておりましたが、なかなかどうして優れたコメディでした。館内に笑い声やすすり泣きが満ちていたのはその何よりの証拠でしょう。エンドロールでの故忌野清志郎の歌声にもぐっと来るものがありました(泣。

はむちぃ: 77点
ゆうけい: 77点