ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

父と暮せば

父と暮せば 通常版 [DVD]
はむちぃ: 皆様こん**は、はむちぃでございます。ご心配をおかけいたしましたが病も癒え無事復帰いたしました。本日は原爆忌を前日に控えて少々古くはございますが邦画「父と暮せば」をお送りいたします。
ゆうけい: お帰りはむちぃ君。まあ2004年の映画なんで確かに大分古いんですが、最近亡くなられた井上ひさし氏の追悼も兼ねてお送りいたしましょう。では映画紹介よろしくね。
は: さすがに今日ばかりはゆうけいもボケは控えているようでございます(^_^;)。では、

『2004年 日本映画

監督: 黒木和雄
原作: 井上ひさし
出演: 宮沢りえ, 原田芳雄, 浅野忠信

  名匠・黒木和雄監督が『TOMORROW 明日』『美しい夏・キリシマ』に続く戦争レクイエム三部作完結編として取り組んだ、井上ひさしの同名戯曲を映画化したヒューマンドラマの秀作。原爆投下から3年後の広島、愛する者達を一瞬の閃光で失い、自分が生き残っていることに負い目を感じ続けている美津江(宮沢りえ)の前に、原爆資料を収集している木下(浅野忠信)が現れた。彼に心惹かれながらも恋心を押さえつけようとする美津江を父(原田芳雄)は常に励まし続けるのだが……。
   出演者は3人(戯曲では父娘のみだった)というシンプルな構成の下、広島弁での父娘の心和む会話を連鎖させながら、ドラマはほのぼのと、しかしあくまでも原爆の悲劇を機軸にした切なく悲しいものとして進められていき、その中からやがて未来の希望がかもし出されていく。飄々とした父を好演する原田と、清楚な美しさを自然に体現する宮沢とのコンビネーションが素晴らしい。宮沢は本作でキネマ旬報主演女優賞を受賞した。(増當竜也AMAZON解説等より)』

は: 故黒木和雄様の作品としては「紙屋悦子の青春」を取り上げた事がございましたね。
ゆ: はむちぃ君、やはり病明けで勘が戻っておらんようじゃのう、原田知世様主演の「紙屋悦子の青春」と紹介してくれたまへ。
は: はいはい、先へ進みますよ、あの映画も終戦間近の鹿児島を舞台にした舞台劇的な映画でございましたが、この「父と暮らせば」は、より舞台劇に近い構成となっておりますね。
ゆ: 殆ど二人劇ですからね。原作が井上ひさし氏の戯曲で、既に劇場公演していましたから、それを忠実に踏襲しつつ終戦間も無い広島の被爆女性の自宅を中心に据えた映像となっております。

は: 「夕凪の街 桜の国」と同じく、原爆投下を生き残ってしまったことへの罪悪感を抱きつつひっそりと生活しておられる主人公の女性・福吉美津江に、ある日好意を寄せる男性が現れるのですが、
ゆ: 自分の気持ちに素直になれず、亡くなった人たちへの申し訳なさから好意を受け入れられない。さあ皆さん、ハンカチの用意はいいですかっ!1、2、
は: もうええっちゅうに!さっさと先へ進みますよ、そんな女性を慰め励まし、彼についていけ、と強く勧めるのが、何故か原爆で死んだはずの父・竹造。
ゆ: 美津江さん、全然ビックリしませんなあ(笑。
は: まあその辺は戯曲でございますから。そして一日一日と誰に対して申し訳ないのかが明かされていき、最後は。。。。。
ゆ: ガオッ~~~(号泣(ToT)
は: あんたは岡八郎ですか(--〆)
ゆ: 今時故岡八郎師匠を知ってる人はおらんぞなもし。
は: そのギャグをかましたのはご主人様でしょうに(怒。確かに美津江様と竹造様の最後の会話は胸一杯に感動が膨れ上がりますね。
ゆ: それだけにラストシーンが必要だったのかどうか、私には少々、と言うか、かなり疑問ではありましたが。。。

は: さて、実質上の二人芝居、宮沢りえ様と原田芳雄様の演技はいかがでございましたでしょうか。
ゆ: もういかがもなにも、あれだけの感動を与えるんですからね。それにしても宮沢りえは不思議な女優ですねえ。
は: 完璧な美貌を誇っていた頂点で衝撃的なヌード写真集を発表して日本中に衝撃を与え、その後の私的スキャンダルで劇痩せしてから演技に開眼すると言う、稀有なキャリアでございますね。
ゆ: この映画の演技には本当に感心しましたね、劇痩せもこの映画にはぴったりでかえって痛々しくさえありました。
は: ご主人様はあまり今まで宮沢りえ様のことには言及されておられませんが。。。?
ゆ: ふふふ、まあいいじゃありませんか(含笑。
は: おや、何か秘密でもあるんでございましょうかね。
ゆ: いや別にそれほどのものはないんよ(シレッ、サントリー伊右衛門CFシリーズ大好きですよ。日本の父親を犬にして遊んでいる阿呆なCFより余程好感度が高くないといけないはずだんですけどねえ。

は: 原田芳雄様はいかがでございます。
ゆ: あれくらい出来て当然の方なんですが、年齢を重ねてもちょっとした台詞仕草にあくの強さを残しておられるのがいいですね。黒木和雄氏とはATG時代の傑作「竜馬暗殺」でコンビを組んでおられたから、もうこの映画でも阿吽の呼吸だったでしょうね。
ゆ: 竜馬と言えば今は福山雅治様でございますが、、、
ゆ: 失礼ながら福山君とは格が違う演技でしたねえ。まあ映画とTV連続ドラマとでは演じ方も違ってくるとは思いますし、映画自体は今の時代にあっては賛否両論ありそうな出来ではありましたが。。。

は: というわけでこの季節にはレンタルショップでも並ぶのではないでしょうか、黒木和雄様の三部作のラストを飾る素晴らしい映画でございます、是非どうぞ。では採点でございます。
ゆ: なにしろ古い映画なものでちょっと採点が難しいのですが、まあやってみましょう。

はむちぃ: 80点
ゆうけい: 75点