ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

その日の天使 / 中島らも

中島らも その日の天使 (人生のエッセイ)
 明日7月25日らも忌。それも今年は七回忌。もうそんなに経つのか、ってこのブログと同じだけの年数だけど。らもさんについてはもう散々書いてきたからもういいだろう。
 で、ご遺族の意向もあるのだろう、この季節になると大抵新刊が出る。と言ってもそうそう未刊の小説があるわけも無く、もうそろそろ終わりかな、と思っていた。が、やっぱり今年も出た。今回は過去のエッセイやインタビューの中から主に人生についてをテーマにしたものを集めて一巻にまとめたもの。。。。。まだこういうやり方で出すか、とも思ったが、七回忌の供養だと思ってまた買ってしまった。

 「あいもかわらずらもさんらしいや」とニヤニヤしたり、「また偽悪家ぶって」とか思ったり、「おっ、シャイで照れ屋のらもさんが恥ずかしげもなくよう書くな」とか心の中でちゃちゃいれたり、結局それなりにらもさんファンには楽しめてしまう。らもさんファン以外の方が買うとも思えないし、まあこれはこれでいいんだろう。

 「その日の天使」を抜粋してみる。帯に紹介されている、って事は立ち読みでも読めるという事で、ここに掲載しても許してもらえるだろう。

『その天使は、日によって様々な容姿をもって現れる。少女であったり、酔っ払いであったり、警官であったり、生まれてすぐに死んでしまった犬の子であったり。(・・・・・)こんなことがないだろうか。暗い気持ちになって、冗談にでも”今自殺したら”などと考えている時に、とんでもない知人から電話がかかってくる、あるいは、ふと開いた画集か何かの一葉の絵によって救われるようなことが。それは、その日の天使なのである。』

 僕にもその日の天使が唐突に現れた事がある。そう遠くも無い過去の事だ。らもさん、あんたが呼んでくれたのかい?

 「んなわけないやろ」、ってあのスローペースの呂律の回らない喋り方で突っ込んでおくれよ。