ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

林静一展@明石市立文化博物館

Hayashi
 暑い日が続きますね。今日は朝のバイトを終わって車に戻ったら車内はサウナ状態。このまま蒸し風呂のような家に帰るのもやだなあ、という事で車を反対の方向へ向け、明石市立博物館で行われている林静一展を見てきました。800円で涼めるし、平日の昼間と言う事もあってか殆ど独占状態で鑑賞できるし、言う事無し(笑。

『 ロッテ・キャンディーのキャラクターとしておなじみの「小梅ちゃん」。その生みの親、林静一は画家・イラストレーターとして活躍しています。

 1945年に満州で生まれ、終戦を迎えて母親と帰国し、17歳で東映動画(現・東映アニメーション)に入社しました。アニメーターとして働く一方、雑誌に漫画を投稿し続け、1967年(22歳)には漫画誌「ガロ」で漫画家デビューを果たしました。
 1970年に同誌に連載した漫画「赤色エレジー」は、同世代の若者の共感を呼び、ヒット曲も生まれるなど、社会現象となりました。その他にも企業広告や歌番組のアニメーションなども手がけ、おなじみの作品を次々に生み出しました。近年ではコンピュータグラフィックスを取り入れた作品も発表しています。
 本展では、画ニメ「赤色エレジー」や「小梅の初恋絵草子」「夢枕」などのデジタル作品をはじめ、季節感あふれる美人画、童画とボローニャ国際児童図書展特別賞受賞の絵本「ねこのしゃしんかん」や映画「源氏物語」の原画、漫画誌「ガロ」など約250点を展示いたします。

 林静一の多彩な活動としなやかで優美な絵画の世界をお楽しみください。(明石市立博物館HPより)』

 林静一氏と言えば我々の世代には何と言っても

「幸子の幸はどこにある~♪」

あがた森魚が歌った「赤色エレジー」ですよね。と言っても厨房時代だったからちょっとエッチなシーンもある劇画はなかなか見る事ができませんでした。そのようなドキドキ感をもって、こそっと立ち読みしてたのが雑誌「ガロ」でした。白戸三平先生の「カムイ伝」が表紙の時はほっとしたリして(笑。今回の展示でその当時のガロがずらっと並んでいて感慨深いものがありました。

 それはさておき、漫画「赤色エレジー」のそっけないほど単純な線による人物描写は林氏の業績のホンの一部でしかありません。彼の真骨頂はやはり女性画。それも着物の女性のさりげない表情、しぐさ、背景、持ち物、そして衣装等により女性心理まで描ききってしまう所に惹かれます。
 今回まとめて見させて頂いて気づいたのは

「儚夢」

という題名が多い事。彼の女性に対する憧憬、或いは竹久夢二の影響が見て取れます。

Koume  シリーズで感動したのはロッテの「小梅ちゃん」を主人公にした「小梅の初恋絵草子」という一連の作品。ちゃんとナレーションも書きこんであり一つの物語として見る事ができます。淡い初恋を描いてほのぼのとしており、柄にも無くホロッと来て何度も往復してしまいました。他に客がいなくてよかった(苦笑。

 他にももちろん「赤色エレジー」シリーズや「夢枕」「源氏物語」「伊勢物語」シリーズなど充実した作品群が展示されています。明石近辺の方は夕涼みも兼ねていかがでしょう。

 ちなみにロビーではロッテの小梅ちゃんは売ってませんでした(-_-;)。リトを売っていたのですが15マソという値段にビビッて750円の8枚組絵葉書を買って帰りましたとさ。