ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

踊る大捜査線THE MOVIE 3ヤツらを解放せよ!

Od3
は: 皆様ごきげんよう、はむちぃでございます。参院選の喧騒から一夜明け本日も相変わらずの梅雨空でございます。というわけでございまして今回の映画レビューは鬱陶しい気分をぱ~っと晴らすべく「踊る大捜査線THE MOVIE 3」(以下OD3)をお送りいたします。
ゆ: 邦画界今年最大のヒット確実と言われておりますが、まあ対抗馬がレビューする気にもならん「告白」かジブリの「借りぐらしのアリエッティ」くらいらしいですから邦画界も情けないと言えば情けないですなあ。でもまあ何といってもメディアミックスでのメガヒットの元祖シリーズですからな、一応見ときませんと。
は: またまた無理して、ほんとはお好きなくせに(;一_一)。
ゆ: まっTVシリーズの頃から好きなのは好きなんですけど(^_^;)、これを真似してメディアミックスで映画化したTVドラマは大抵大失敗しておりますからねえ。「踊る」とどこが違うのか、検証するためにも早速見て参りました。

『2010年日本映画、製作ROBOT、配給東宝

スタッフ
監督: 本広克行
製作: 亀山千広
脚本: 君塚良一

キャスト
織田裕二深津絵里ユースケ・サンタマリア伊藤淳史内田有紀小泉孝太郎寺島進佐戸井けん太小林すすむ
北村総一朗小野武彦斉藤暁
小栗旬小泉今日子柳葉敏郎

過去2作がいずれも興行収入100億円を超えた大ヒットムービー『踊る大捜査線』シリーズの第3弾。強行犯係係長に昇格した青島が、新しい湾岸署への引っ越しを命じられる中、数々の事件に巻き込まれてしまう。監督は、テレビシリーズから携ってきた本広克行。キャストは、青島を演じた織田裕二深津絵里ユースケ・サンタマリア柳葉敏郎らが続投し、内田有紀と故いかりや長介が演じた和久平八郎のおいっ子として伊藤淳史が新たに加わる。8つの事件が絡み合うストーリーと、熱い思いに突き動かされる青島たちが、懸命に奔走する姿から目が離せない。

ストーリー:湾岸署を襲った連続殺人事件から7年。海外からの要人が降り立つ空港が近くにあり、高速道路や変電所などが立ち並ぶお台場は、テロリストの標的となっていた。そのため湾岸署は、よりセキュリティー設備が充実した新湾岸署への引っ越しをすることになる。引っ越しの作業を一任された青島(織田裕二)は、部下と一緒に取り掛かるものの、湾岸署管内で次から次へと事件が発生し……。(パンフレット、シネマトゥデイ等より)』

は: 見慣れたキャラ、派手な展開、随所に仕込まれた小細工とインターネットの縦横無尽な活用、そして何より青島役の織田裕二様の久々の奮闘と、さすがにこれまで次々と興行収入を塗り替えてきた「踊る大捜査線」シリーズだけの事はある見応えのある作品でございました。
ゆ: 亀山・本広・君塚の今や押しも押されもせぬ大物トリオのホームグラウンドだよね、やっぱり。いわば阪神タイガースにとっての甲子園に帰ってきた感じだな。
は: そう言えば亀山様がこのOD3を作ろうと決断したきっかけが、3年前本当に東京警視庁から

東京湾岸署を作るに際し湾岸署と言う名前を許可していただけますか?」

という打診が入った事がきっかけだったそうでございますよ。
ゆ: 虚構が現実より先行している今の時代を象徴するような出来事ですな。

は: 一本の単独映画としてこの作品を評価するといかがでございましょう?
ゆ: それでんがな、問題は(笑。正直言ってな~んにも知らない人がこの映画だけを見たら、なんだかやたら画面はごちゃごちゃしてるし、登場人物が多くてその関係が把握出来ないし、犯人たちはやたら気持ち悪いし、最後に派手な爆発場面はあるけど誰も犠牲にならないし、おまけに翌日には能天気に新署オープン記念式典をやってるしで、なんじゃこの映画は、となるでしょうね。
は: 見事な欠点の羅列ありがとうございました(苦笑。たしかに単独の映画としてみればトホホ系でございますね。
ゆ: まあでもそんな人は日本中に殆どいないわけで、お約束の仕込の知悉度に差はあれど結局誰もがODシリーズの一環として楽しむわけでしょう、そういう意味では良くできた映画だと思いますよ。ODシリーズを猿真似して失笑を買うしかないような映画を作り続けている他のTVドラマのスタッフはやはり

「柳の下にどぜうは二匹はいない」

と言う事を肝に銘じてほしいですね。

は: では俳優陣についてお願いいたします。
ゆ: やはり織田裕二でしょう。彼あっての映画ですし、彼自身一層精悍になってスクリーン映えしてますよね、それにコミカルな部分もちゃんとわきまえている。失礼ながらなんの進歩も無い柳葉敏郎とは役者としての器が違うのかな、と思いますね。
は: 実際の共演シーンはたったワンカットでしたね。
ゆ: 不仲説はやはり本当みたいですな。
は: 和久さん(いかりや長介)の不在をスタッフ、キャストともにしみじみ感じていたようですが。
ゆ: それについてはまあ賛否両論あるでしょけど、あれだけ露骨に懐かしがられると正直なところ白けてしまいますね、個人的には。伊藤敦を甥っ子役で登場させていますが、やはり従来のメンバーほどキャラが立ってないですね。それより某プロダクションの差し金で参加できなくなった水野美紀さんの方が余程大問題だと個人的には思いますけどね。
は: 産休という苦しい言い訳でございましたが。
ゆ: 今後シリーズを続けるのなら、ず~~~っと産休でいくんですかね(苦笑。
は: すみれ役の深津絵里様は相変わらずお綺麗ですね。
ゆ: グルメ本マニアにしては痩せすぎですけどね(笑。

は: 新加入で目立ったのは小栗旬様でしょうか。
ゆ: 彼はさすがですね、若手では演技力がずば抜けている印象を持ちます。あと個性が強烈で好きなのはスピンオフシリーズからの参入となる寺島進ですね、いい味出すわ(笑。
は: 裏主役であられたあの強烈なサイコパスの方はいかがでございましたでしょう?
ゆ: 日本のハンニバル・レクター、ですかな(^_^;)。普通に年とったおばさん然として登場していきなり名文句「手術してやろうか」、インパクトはありましたけど、どちらかというと尻すぼみな気もしました。脚本のせいか、彼女の演技力の限界か、判断は難しいところですね。

は: というわけでございまして、エンドロールではニューアレンジの「Love Somebody CINEMA Version III」が流れ、そのあと青島係長が大急ぎで新庁舎に戻って行くシーンが挿入されておりますので、続編も期待できそうでございます。
ゆ: これだけのドル箱シリーズですからそうそう簡単にはやめないだろうし、また逆に慌てて毎年作る必要もないし、まっ、何れ帰ってくるんだろうなくらいな感じで待つのが正解でしょうね。
は: では採点でございます。
ゆ: 細かな隠れアイテムも楽しめますが、これはさすがに分からないだろうという所をネタバレしておきますと、最後に実行犯の顔を見た青島係長が

「キミ、どっかで」

と首を傾げる場面があるんですが、実はテレビシリーズ第一話で万引きをして捕まった小学生だったんだそうです。(見たい人はドラッグしてね)

はむちぃ: 68点
ゆうけい: 76点

お気に召せばポチッとお願いしいますm(__)m

にほんブログ村 映画ブログへ