ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

つかこうへい氏を悼む

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 一つの時代が終わった、という気がします。つかこうへい氏が7月10日逝去されました。謹んでご冥福をお祈りします。 もう私のTobacco Police的ゴタクは聞き飽きたという方も多いと思うので申しませんが、死因は肺癌でした。

『戦後の演劇界を代表する人気劇作家で直木賞作家のつかこうへいさん(本名・金峰雄=キム・ボンウン)が10日午前、肺がんのため千葉県鴨川市の病院で亡くなった。62歳。今年1月25日に肺がんを公表し抗がん剤治療を受けていた。「熱海殺人事件」「蒲田行進曲」などヒット舞台を連発し、風間杜夫平田満阿部寛ら数多くの俳優を育てた。つかさんの遺志で密葬を済ませたが、がん公表前の1月1日に「娘に日本と韓国の間、対馬海峡あたりで散骨してもらおうと思っています」と遺言していた。(asahi.comより)』

 アングラ出身で、1974年に「熱海殺人事件」で岸田國士戯曲賞を最年少で受賞。その後その独特のあくの強い演出振りで一世を風靡し、1982年には「蒲田行進曲」で直木賞を受賞し、映画化されそれも大ヒット、もう飛ぶ鳥を落とす勢いでした。その他にも代表作をあげればキリがありませんが、私は自分が一番多感な時代に強烈なインパクトを与えてくれた「熱海殺人事件」が今でもベストです。確か風間壮夫木村伝兵衛をやったバージョンを見た記憶があります。その後様々なバージョンが作られましたがそういうやり方はどうなんだろう?とやや疑問もありました。

 彼は在日韓国人二世で、「つかこうへい」という名前は在日韓国人の身分が「いつか公平になるように」という願いをこめてつけられたと言われています(別説もあり)。散骨を日本と韓国の間の対馬海峡でという遺言が、彼の両国に間で揺れていた心情を象徴している気がします。

 合掌。