ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

FLOWERS

Flowers62
はむちぃ: 皆様こん**は、ゆうけい家筆頭執事のはむちぃでございます。この肩書きも時々申しておきませんと初めて見られた方はびっくりされるもので(^_^;)。本日はいよいよ現在公開中の映画「FLOWERS」のレビューでございます。
ゆうけい: なんせ蒼井優田中麗奈の二大女優共演ですから観ないわけにはいきませんな。
は: そのフェイクはもう既出でございます(-_-;)。資生堂TSUBAKI」のCFにご登場の豪華女優六名様の共演でございます。
ゆ: しかしまあ資生堂も臆面も無くこんな大宣伝映画を企画したもんですな。
は: 当初予定されていた監督の自殺など、完成までにはいろいろとあったようでございますが。
ゆ: これだけの女優を共演させるんですからそりゃ大変ですわな。これで興行的にずっこけたら目も当てられませんが、まあとにかく観てみましょう。

『2010年 日本映画、ROBOT制作、東宝配給

スタッフ:
監督 小泉徳宏
製作総指揮 大貫卓也
製作 阿部秀司
脚本 藤本周、三浦有為子

キャスト
蒼井優
鈴木京香
竹内結子
田中麗奈
仲間由紀恵
広末涼子

 化粧品のCMで共演した日本を代表する6人の女優を主人公に、昭和初期から現代のそれぞれの時代に生きる三世代6人の日本女性の人生を描いたドラマ。 
 昭和11年、春。親同士が決めた、会ったこともない相手との結婚に悩み続ける凜(蒼井優)。女学校を出て、進歩的な考えを持つ彼女は、ついに迷いを抱えたまま婚礼当日を迎えてしまう。昭和30年代。凜の長女・薫(竹内結子)は、大学卒業と同時に教授の真中(大沢たかお)と恋愛結婚する。大手出版社で男と張り合い奮闘するキャリアウーマンの次女・翠(田中麗奈)は、恋人(次長課長・河本)からの突然のプロポーズに、仕事と結婚の間で揺れ始める。昭和52年、秋。凜の三女・慧(仲間由紀恵)は、夫と娘と郊外の団地で幸せに暮らしていた。そして、待望の2人目の子どもを授かった慧だったが…。平成21年、冬。慧の長女・奏(鈴木京香)は、祖母・凜の葬儀のために久々に帰省する。そこで、結婚して幸せな家庭を築いている妹の佳(広末涼子)と再会するが…。(ALLCINEMAより、一部改変)』

は: TSUBAKIのイメージカラーの白と赤を基調にした映像や、親子3代に渡るそれぞれの時代の女性像、宣伝映画という予断さえなければ結構良質のオムニバス風映画となっておりましたね。
ゆ: キャラクタの設定の甘さとかストーリの浅さとか、「日本の女性を元気にする」と言うコンセプトの裏に

「女性は命を繋いでいくのが一番の幸せ」

という国策的洗脳を隠してるんじゃないのとか突っ込みどころは満載なんですが、そのようなマイナス点を一杯差し引いても意外に良くできた映画でしたね。禁煙を推奨しているのも良かった(笑。
は: 六人もの主演女優を活かしきれたかどうかはともかく、上手くバランスはとっていましたね。
ゆ: そうですね、昭和11年に蒼井優、昭和30-50年代に竹内結子田中麗奈仲間由紀恵、平成21年に鈴木京香広末涼子とうまく配分が出来ておりました。
は: キャスティングスタッフは相当苦労されたことでございましょう。
ゆ: 六人が祖母、母、子であるにもかかわらず世代間の共演シーンが全く無かったり、三姉妹のうちで仲間由紀恵だけは姉二人との全く別の映像だったり、制作の苦労が偲ばれますな、まあ丸く収まればそれもご愛嬌で済むんですが。。。
は: 先程の裏話を聞くとご愛嬌ではすまないところが辛うございますね。
ゆ: 最初から無理矢理な企画だったんですな、それを承知で色々な障碍を乗り越え、とにもかくにも一本の映画として評価しうるものを作った監督、脚本家をはじめとするスタッフには敬意を表したいですね。

は: 女優六名様を描ききらなければいけないだけに、カメラワークにも凝っていましたね。
ゆ: 昭和11年がモノクロ、昭和40年代が当時のレベルの彩度、色調、解像度のカラー、そして平成21年はもちろん現在の映像レベルときっちり描き分けていましたね。この辺は「ALWAYS 三丁目の夕日」を作ったROBOTの手腕発揮というところでしょうね。
は: 一番綺麗に女優さんを描けるのは現在の映像なんですが、モノクロ映像も現在の技術レベルでは凄く綺麗でございますね。
ゆ: ハイレゾの凄く滑らかなグラデーションで撮られていて一昔前の白黒とは大違いですね。蒼井優ちゃんの肌の肌理の細かさなど、とても綺麗に撮れていました。昭和40年代当時のレベルの映像とあの頃の厚化粧で損をしていた田中麗奈ちゃんは気の毒でしたが。

は: さて、とにもかくにも六名の女優様を評価しなければならないのですが、この際一気にご主人様に寸評していただきましょう。99%の確率で蒼井優様を褒めまくるに決まっておりますので、蒼井優様を10点として評価お願いいたします。
ゆ: その通りでございます(笑。じゃ、いきましょうか。

蒼井優 10点満点
 さすがですっ(爆。冒頭のタイトルロールで現代から過去に遡りつつ六名の女優のクレジットと映像が流れるんですが、その最後が蒼井優。桜の咲く道を赤い和服で歩いている蒼井優をフィックス&パンフォーカスの遠景で撮っているんですが、さ~っとそれまでと空気が一変して本当に鳥肌が立ちました。「キタ━(゚∀゚)━!!!!!」というアスキーアートはこんなシーンのためにあるんじゃないですかね。歩くという所作だけで見るものをスクリーンの中の昭和初期へ引きこんでいくとは何と言う演技力!

 その映像が段々とモノクロームに変わっていき、話が始まります。監督は小津安二郎を明らかに意識していますが、一つ一つの所作、何気ない視線の動き全てに意味がある演技、最後に三つ指をついて父に頭を下げる場面まで完璧でした。原節子有馬稲子に一歩も引けをとっていないと申しておきましょう。

竹内結子 7点
 綺麗、もう本当に綺麗としか言い様が無い女優さんですね、彼女は。演技も上手いんですが、それを活かしきるだけの役柄でなかったのが残念です。というか、考えようによってはもっと深い演技のできる役柄なんですが時間の制約もあるのか、脚本がそれを活かしきれていなかったのが残念です。それとエンドロール前の天池真理カット(多分)はあんまりと言えばあんまりだ(-_-;)。

田中麗奈 8点
 今回一番はじけて元気でした、コミカルな役をやらせたら抜群ですね。昭和40年代風の厚化粧で彼女の美貌がやや損なわれているのが惜しい。まっ、設定上仕方ないですけどね。

仲間由紀恵 6点
 驚きのイメチェン。なんせTRICKの山田役しか見た事がなく、ストレートのロングヘアしかイメージに無かったもので驚きました。あらためてかわいい女性だなあと思いました。演技は役柄で得をしていますが可も無く不可も無し、といったところ。

広末涼子 8点
 良く出るなあ(笑。もう乗りまくっているというか、仕事しまくってるというか、見る映画見る映画ご登場です。しかもそれなりに印象に残る演技をしている。今回の映画でも一番頑張っていました。上手いとはいわないが表情でちゃんと性格や心の動きを表現できるようになったところは認めざるを得ませんね。

鈴木京香 6点
 安心してみていられる女優さん。さすが貫禄は一番ですが、今回は役柄が一番暗めなこともあって演技がやや重かったです。オーケストラの開演時に浮かない顔がきゅっと引き締まった時の表情などはあとから思い返してみるとさすがだな、と思いましたけれどね。

は: ご主人様、お疲れ様でした。エコ贔屓もここまで来ると立派でございます(苦笑。ということでご主人様としてはやはりこの映画一番の見物は昭和11年のエピドードという事でございますね。
ゆ: そうですね、小津を模すと言う明確なコンセプトがまとまりのあるいいシーンを産み、しかもそれが映画の構成の中に効果的に挿入されていました。塩見三省真野響子蒼井優の親子役の熱演には思わずホロリとさせられましたよ(苦笑。

は: では採点に参りましょうか。
ゆ: まあ総花的映画ではあるんですがそれなりにまとまっておりますのでお暇な方、それぞれの女優さんのファンは是非どうぞ。

はむちぃ: 62点
ゆうけい: 70点

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