ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Homage To Marc Bolan and T.Rex(1) Return Of The Dandy In The Underworld

Marcbolan1
Marc Feld、known as Marc Bolan ( 1947.9.30 - 1977.9.16 )、photo by Masayoshi Sukita)
はむちぃ: こ、これはご主人様が大好きなマーク・ボラン様の雄姿。。。おっと失礼しました、皆様こん**は、はむちぃでございます。唐突ではございますが、本日から3回に渡りまして、自主的40万ヒット記念企画をお送りいたします。もう皆さん忘れておられただろうと思いますが、主人のゆうけいはしつこくずっと構想を練っておったようでございます。
ゆうけい: これこれ、はむちぃ君余計な事はイワンの馬鹿。
は: おおっ、初心に戻った陳腐なギャグ(-.-)。
ゆ: これこれはむちぃ君、余計な事は。。。。ままっ、ええか(小薮千豊風)
は: 話を進めましょう(--〆)、で今回のレビュー課題ディスクは何でございます?
ゆ: 以前感傷的に過ぎるレビューをしちゃったT.REXのことがずっとひっかかっていたので、一度きっちりとやってみたかったんです。で、どのアルバムにするか散々悩んだんだけど、ちょっと反則技的ですがこのディスクを選んでみました。

Marc Bolan and T.Rex: The Final Cuts (Imperial Reocords, TECI-24380)

Final Cuts

は: これは2006年に突然日の目をみた、Marc Bolan and T.Rexとしては今のところ最終の未発表音源集でございますね。
ゆ: 詳細は第3回で説明いたしますが、音源はエアースタジオの元受付嬢が1989年スタジオ閉鎖の際に自宅へ持ちかえってずっと保存していたテープなんだそうです。
は: 確かにその頃はマーク・ボラン没後30周年という事で色々とマスコミも取り上げていましたから、ありえない話では無いですよね。
ゆ: とは言え胡散臭いよね、マネージャーや保管係ならともかく、受付嬢ですよ(^_^;)。はむちぃ君が言うように時期もあまりにタイムリー過ぎるし、話が出来すぎ。
は: 未発表音源をこういう形でセンセーショナルに世に出すと言うのは正直なところ良くある話でございますしね。
ゆ: そう、それでも全く知らない曲が一杯入っていれば無条件で買ってたと思うんだけど、曲目をみてがっかり。「Dandy In The Underworld」収録曲のWIP(Work In Proigress)か、その時期のボツ音源で死後既出曲ばかりだったんだ。
は: それを今回わざわざ購入されて取り上げられたわけは?
ゆ: 聴いてみてよかったから(笑。
は: (;一_一)。。。。。
ゆ: ま、まあそう怒らずに(^_^;)。理由は主に次の3つです。

1: 今のところ一番新しい未発表音源集である 
2: オーディオファイルにも聴いてもらえるだけのクオリティがある 
3: 事故死直前の彼が元気で音楽活動していたことが良く分かる(多くの誤解がある彼の晩年の真の姿を知ってほしい)

は: 1につきましてはもう説明いたしましたが、2に関しては昨今のリマスタリングの技術の賜物でございましょうか。
ゆ: そうですね、それと最近は音源をいじらずに忠実にリマスタリングするようになったことで好ましいアルバムとなっていると思います。昔から沢山出ている未発表音源の多くは音質は悪いし、相当恣意的にオーバーダブされていますからね。

は: さて、マーク・ボラン様の死直前の状況についての誤解とは一体どういう事でございましょう?
ゆ: 日本では事故は落ちぶれてドラッグ中毒だった彼の必然の結末、という見方をしていました。そして今でも一部熱心なファン以外はそう信じてこんでいると思うんです。でもそれは違うんだ、と一度声を大にして言ってみて~
は: 今泉じゃないんですから(--〆)、さっさと真実を開示してくださいませ。
は: スマソ、真実を一言でいうと、

「彼は立ち直っていて元気に音楽活動をしていた」

という事になります。彼は若い頃黒魔術師と半年ほど一緒に暮らしたと言われていて(それも怪しいと言う人もいるんだけど)自分の発現や行動にちょっとした神秘性をもたせるのが好きだったんですよね。で、若い頃に

「自分は30歳まで生きられないだろう」

と語っていたことがあります。これはまぎれもない事実です。
は: それがよりによって30歳の誕生日を目前にして愛人であるグロリア・ジョーンズ様の運転する車に同乗して事故死されたもので、その死に過大な神秘性が付与されてしまったんですね。
ゆ: それに加えて日本の音楽情報業界は、彼はもう落ちぶれて心身ともボロボロだったからその死もむべなるかなとかなと言う論調で報道していたんですよ。ひどいのになると

「麻薬で血管がボロボロだったために普通の人なら助かるところを木に当たっただけで全身の血管が破裂して死んだ」

てないいかげんなことを、某コンピレーションアルバムのライナーノートの対談でしゃべっている人もいる始末。
は: ご主人様も当時はそのライナーを読んで信じておられたわけですね。
ゆ: それくらいしか情報源がなかったからね、おまけにあの渋谷陽一でさえ、

「全盛期には考えられないくらい落ちぶれた感じで、あれほど傲慢だったのが信じられないくらい愛想良くなっていた」

と新生T.REXをロンドン取材した記事で書いていた記憶もあるし。
は: でも愛想良くなっていたというのは、人間的に成長して礼儀正しくなっていたとも考えられますよね。
ゆ: そうなんだ、T.REXが落ちぶれるとともに彼は極めて利己主義的で嫌な人間になったり、ドラッグに溺れて破滅寸前までいった事も確かにあった。だから渋谷陽一もその先入観から逃れられなかったんじゃないかと思うんだよね。

は: しかし実は事故当時は立ち直ってお元気だった、ということですか。
ゆ: そう、後年徐々に明らかになっていったんですが、1975年に愛人グロリア・ジョーンズとの間に息子ロランが生まれたのをきっかけにして彼は徐々に立ち直っていったそうです。
は: 実際最後のアルバムは往年の勢いを感じさせるくらい充実してきておりましたものね。
ゆ: それに当時勃興していたパンク・ムーブメントを積極的に支援し、自分の持っていた番組で多くの無名のパンク・グループを紹介し、オピニオン・リーダーとして周囲から尊敬を集めるまでになっていたんですよ。

は: さて、今までの流れでいけば、わざわざ未発表音源集などを選ばずに後期作品の「Futuristic Dragon」か「Dandy  In The Underworld」を課題アルバムとして選べばいいのではないかと思うのですが。
ゆ: それを避けたのは、今回じっくりT.REXを検討してみて、このバンドをデビッド・ボウイのようなアルバム・アーチストと同様な扱い方をするのは間違っているんじゃないかと思ったからです。
は: T.REXはあくまで華々しくシングル・ヒットを出し続ける事で一時代を築き上げたアイドルであって、アルバムで語るバンドではない、と。
ゆ: そう、それについては次回検討したいと思います。それに、この「The final Cuts」には元気にスタジオでテイクを撮っている様子が記録されています。30歳の節目を前にしていたマークが、新たな歩みを始めようとしている真の姿を伝えられたらな、と思っております。

は: というわけでございまして、次回はMarc Bolan & T.RexのBiography&Discographyにつきまして、詳細に検討する予定でございます。皆様よろしくお付き合いくださいませ。

まだまだ序盤ですが、お気に召せばポチッとお願いしますm(__)m

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