ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

カムイ外伝

Kamui
ゆうけい: さあ、今日ははむちぃ君お待ちかねの「カムイ外伝」ですで。
はむちぃ: もうわくわくでございます、四の五のギャグ飛ばさずに早速参りましょう!
ゆうけい: ちょっと待ってくださいよ~(コンニチワ根岸風)

『 2008年日本映画 企画・配給:松竹
原作:白土三平カムイ外伝』(小学館刊)
監督:崔洋一 
脚本:宮藤官九郎 崔洋一 
キャスト:松山ケンイチ 小雪 伊藤英明 大後寿々花 イーキン・チェン 他

17世紀、日本社会の最下層で生まれ育った忍者カムイ(松山ケンイチ)は、殺戮に明け暮れる自由のない日々に嫌気がさし、抜け忍となった。永遠に追われ続ける運命となった彼は、かつての仲間たちでもある追っ手と激しい戦いを繰り返しながら、ふとしたきっかけである島にたどり着く。そこでカムイは同じ"抜け忍"のスガル(小雪)とその娘サヤカ(大後寿々花)と出会う。 』

は: す、素晴らしいカムイ様の術でございました(感激。
ゆ: やっぱりそこへ来ますか(笑、さすが「飯綱落とし」を修行していただけの事はありますな(^O^)
は: まあそれはそれといたしまして、前田有一様が30点をつけておられましたので心配しておりましたが、ストーリーとVFXがそれ程の違和感もなく融合した娯楽映画となっておりましてほっといたしました。
ゆ: 前田氏のおっしゃる事も分かるんですが、まあ我々カムイかぶれ組としてはせめて倍の60点はあげたいですね。

は: カムイ様の抜け忍としての孤独、封建時代の社会制度が産む悲しみや憎しみ、追忍側の非情さ、島人を皆殺しにする残酷さを原作に忠実に描いていたと思うのですが。
ゆ: 崔洋一監督は私と同じくリアルタイムでカムイ伝カムイ外伝を体験した世代ですからその辺にはこだわっていたと思いますね、白土先生自身がそれを認めています。
は: その上でクドカン流のエンターテインメント性を加えているわけですが、その辺がちょっと評価の分かれるところなんでしょうね。
ゆ: 私は許容範囲内だったと思いますけれどね。特に序盤でカムイ対追忍の戦いをテンポ良く見せ、その中で早くも「変移抜刀霞斬り」「飯綱落とし」というカムイの必殺技を見せてしまうところなんかサービス精神旺盛でワクワクしましたよ。

は: そして話の中心は「スガルの島」編に移っていきます。
ゆ: この話は初期の少年サンデー連載当時の「カムイ外伝」には無くて、なんと15年の歳月を経てビッグコミックに連載されたシリーズ中のエピソードなんですね。だから絵もテーマも子供向きから大人向きに内容は深化していて随分驚いた覚えがあります。そう言う意味では子供向きの序盤の忍術合戦から人間ドラマとしての本題に入っていく流れとして、このエピソードの採用は良かったんじゃないですかね。

は: さて、俳優陣でございますが、何といっても松山ケンイチ様のカムイは素晴らしゅうございました。
ゆ: 以前どこかに

「彼はタッパがあるし演技もうまいし良いカムイになりますよ」

と書いた覚えがあるんですが、その通りになって嬉しいですね。頑張りすぎて怪我をして撮影が中断したり、小雪とのロマンスが伝わってきたり、ハラハラはしましたけど、ちゃんとやってくれました。
は: 漫画の映画化と言う事でデスノートDMCヨハネ・クラウザー2世みたいにならないか心配でございましたが、ほっといたしました。
ゆ: そんじょそこらのコミックと「カムイ外伝」を一緒にしてもらっちゃ困りますな(^_^;)。まあそれはそれとしてスガルが小雪?というのも心配だったんですが意外に似合っていましたし、とにもかくにもヘボ役者がいなかったのが幸いでした。
は: それにしても皆様、原作のキャラクターと良く似ていてビックリでございました。
ゆ: 佐藤浩市土屋アンナはやりすぎですけどね~(笑。俳優陣はもとより衣装、メイクさんたちは頑張りましたねえ。特に不動伊藤英明はあれでもやや線が細いくらいですけど原作を髣髴とさせてくれました。
は: 衣装担当の小川久美子様は、この時代と現代の日本人の体型が全く違う為、着物が洋服のように見えないように苦労したと語っておられます。
ゆ: なるほどねえ。伊藤英明の線が細く見えたのはスタイルが良すぎる事が原因なんですね。カムイは元々マッチョではなくどちらかというと中性的なので丁度良かったんでしょうね。
は: そう言えば老絵師がPANTA様というのはご主人様にはショックではございませんでしたか?
ゆ: パンタ~!!!(TKO Night Light風)ってか(笑。まあ随分前の「稲村ジェーン」で十分なショックを受けましたから今更どうと言う事はないですね。

は: さて最後に何といってもこの映画の肝でございますVFXについて語らねばなりません。
ゆ: 何度も言いますが見事でした。今年のベストVFX賞はもう早この映画に決定ですかな。
は: 浅野秀二様率いるVFXチームはあの「僕の彼女はサイボーグ」を担当しておいででございました。(-.-)
ゆ: さ、さよか(^_^;)。まあとにかく谷垣健治率いるアクション・チームとの連携が見事でしたね。まあ、小雪までワイヤーアクションをやるとは思いませんでしたが。
は: 「グリーン・デスティニー」のチャン・ツイィー様を意識しておいででございましょうか?
ゆ: そう言えばジョーズも出て来ましたな、瀬戸内海にあんな化け物はいませんって(笑。そう言えばあの海はどう見ても沖縄ですな~。
は: ご主人様、話が横道にそれております(-.-)、ちなみにこの映画には約650ものVFXカットがあるそうでございます。それにより白土ワールドに展開される様々な術合戦が実にリアルに描かれておりました。
ゆ: 「変移抜刀霞斬り」「飯綱落とし」「飯網落とし返し返し」「十文字霞くずし」どれをとっても今の時代だからこそ可能な映像で白土先生も感激された事でしょう。

は: という訳でございまして、カムイファンには決して失望はさせない娯楽作品でございます。
ゆ: 白土作品の映画化ですから「水戸黄門」の様にのほほんと楽しむ訳にはいきませんが、このブログでこれまで紹介して来たトホホ忍術映画の轍は踏んでおりませんので是非どうぞ。

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