ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ロマンティック・ロシア!@県立芸文芸術文化センター

Romanticrussia
 昨日は朝から神戸市マスターズ大会、午後からコンサートと忙しい日曜日でした。この公演を予約した後でマスターズ大会の日程が同日だと分かった時にはあちゃあ(>_<)、と思ったのですが、兵庫芸文もさすが県立のお役所仕事、3日あるのに変更に応じてくれません。折角取ったチケットですので強行軍で聴いてきました。題名は「ロマンティック・ロシア!」、プログラムはラフ2シェラザード、題名も内容もベタと言えばベタですが、一度は生で聴いておきたい演目でした。

『日時:Oct. 25th, 2009,  15:00-
場所: 兵庫県立芸術文化センター 

指揮: ケン・シェ 
ピアノ : アレクサンドル・メルニコフ 
兵庫芸術文化センター管弦楽団 

プログラム 
1: ラフマニノフピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 
2: リムスキー=コルサコフ:交響組曲シェエラザード」 作品35 
Encore
チャイコフスキー; ポロネーズ 

 佐渡監督が大きな期待を寄せる指揮者=ケン・シェが、昨年に続いて登場。アラビアンナイトを素材としたリムスキー・コルサコフの『シェエラザード』をダイナミックに。そして、人気の高いラフマニノフの『ピアノ協奏曲第2番』は、巨匠リヒテルに認められたロシアの若きピアニスト=メルニコフが流麗に、そして、力強く奏でます。』

 結論を先に言うと、シェラザードの方が圧倒的に良かったです。特に第四楽章のメリハリを効かせたデュナーミクと旋律の美しさが融合した演奏は鳥肌モノでした。

 ケン・シェは初めて聴きましたが、若いだけあってテンポと歯切れの良さが印象的でした。速めのスピードでテンポ良く流していき、節目節目でも全く間を置かず、ピアニシモから間髪入れずに次のフレーズへ入っていきます。
 またラフマニノフの第2・3楽章間、シェラザードの第1・2楽章間で全く間を置かなかったのには少し驚きました。2曲とも生で聴くのは初めてなので彼なりの解釈なのかどうかは分かりませんが、少なくともラフマニノフの方は必然性に乏しいように思いました。

 され、ラフマニノフの方は当然ピアニストが曲の印象を大きく左右します。今回客演したメルニコフというピアニストはテクニックは抜群でしたが、どちらかと言えば理知的で温度感の低い技巧派という印象を受けました。難度の高いこの曲を正確無比にかつ目くるめくスピードで弾きこなしていきますが、もう少し彼なりの情感を感じさせて欲しかったようにも思います。普段ツィメルマンのゆっくりと情感をこめた演奏をリファレンスにしているので、余計にそう思うのかもしれませんが。そう言えばツィメルマンのCDがいかにオンマイクで録っているかも良く分かりました(苦笑。
 テクニックが抜群とは言うものの信じられないようなイージーな部分でのミスタッチがあったりと、3日目でちょっとお疲れだったのかもしれません。でもプロですからねえ、会場のアプローズがちょっと大げさすぎる気がしました。
 という訳で今一つ入りこめずにいましたが、第三楽章中盤に至ってようやくピアノとオケのダイナミズムの波長が一致して完全に音楽そのものに没頭する事ができました。

 シェラザードの方第一楽章の冒頭からゲスト・コンマス伊藤亮太郎氏のヴァイオリン・ソロが素晴らしく、滑りこんでくるハープとの絡みでこれは良い演奏になる、と思いました。この曲の肝である弦楽器のアンサンブルも綺麗でしたし、ファゴットやフルートの音も立っていて印象的でした。ちなみにフルート・トップのダリアさんはブロンドの美人でした。音には関係ありませんが大事な要素です(笑。
 さて、気持ち良く演奏は第四楽章になだれこみます。歯切れの良いテンポの切り替えや打楽器を節度をもって活かしたデュナーミク、そしてトゥッティでの高揚感など、ケン・シェと言う人の才能と実力が良く分かる演奏で最後を締めてくれました。

 芸術文化センター管弦楽団の演奏は比較的安価な値段でチケットが手に入るので、このようなプログラムがあればまた聴いてみたいと思います。

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