ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Stereo Sound No.172

Ss172
 今季のステレオサウンドのヘッドラインにはビックリしましたね~。やっていいのかブラインドテスト!(笑。編集部と柳沢、和田両先生の英断に拍手です。ということで昨日ざ~っと目を通しておりました。

1:表紙: Wilson Audio Sasha
 Watt and Puppyの最終進化型と言われているSASHAです。全体像を見た時にはお世辞にもかっこいいとは言いがたかったですが、さすがプロの写真家は違いますね~(笑。それはともかく、信じられないほどのコストダウン(330万円)と三浦先生の試聴記にそそられますね。私がDynaudioに逝ってなかったら正当グレードアップ目標になっていたかも。

2:エキサイティングコンポーネント
 前出のSASHA以外にも大物が目白押し。AvalonTimeはやっぱり傳先生がレビュー、予想通り「スピーカーが消えて」おります(苦笑。ISISを買えない人には朗報かも知れんけど、それでも650万円、SASHAが2セット買えますがな。
 以前JMラボのAlto Utopiaを本気で考えていたものとしては、FocalのScala Utopiaにも興味津々。デザインの基本コンセプトは一緒ですが、それでも前の方が良かったような気がします。ところで三浦先生、手嶌葵の「ザ・ローズ」はうちのシステムでさえ「尋常ならざる存在感」は出ますよ(^_^;)。

3: ブラインド試聴テストで探る注目アンプの実力
 ついに出ましたブラインドテスト。普通の試聴記より余程あてになると思いますが、メーカー側がよくOKを出したもんですねえ。今回はプリアンプ7モデル、パワーアンプ8モデル、プリメインアンプ10モデル、何れもステサンで言うところの中堅機(70~200万円)。欲を言えば是非日本製の低価格帯とムンドの超高価格帯を対決させて欲しかったところです。

 お二人の評価から見えてくるのは、ヴィオラブルメスター、リンデマンというハイエンドの3社のボトムとなる価格帯も音が良い事、特にリンデマンのプリメインは抜群にC/P比が高そうということ。
 個人的にはアキュフェーズと言うブランドがなかったらこの三社、特にリンデマンを選んでいる可能性が高いと常々思っていたのでこれは嬉しかったですね。ただ、プリとパワーはリファレンスのアキュフェーズと組み合わせるので相性の悪い機器もあったと思いますので、できれば純正組み合わせもやって欲しかったです。

 とにもかくにも「評論家人生をかけた!」お二方には敬意を表したいと思います。

4:進化するデジタル・ファイル・ミュージック
 
ステサンもPCオーディオ記事がレギュラー化してきました。『ベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホールを聴くようになって』では諸石幸生氏がエアーQB9を、『192kHz/24ビットが再現するリアリスティック・サウンド』では山本浩司氏がリンDSを、 『サウンドフィデリティのオーディオコンピューター』では三浦孝仁氏がModel2(typeA)を、『192kHz/24ビット入力に対応する高性能オーディオインターフェース』でも三浦孝仁氏がRME Fireface 400をレビューしておられます。あと2、3年でオーディオライターが激変しそうな予感がしますね。
 それにしてもサウンドフィデリティの140万円と言うプライスタグを筆頭に冗談でしょうと言うプライスタグばかり。まともなのはRMEのFireface(実売15万円前後)くらいでしょう。PCなんて1、2年もすれば骨董品になっちゃうご時勢なのに馬鹿みたいな値段つけてちゃ年寄り相手の○っ○○り商売と思われても仕方ないんじゃないかな。
 このあたりはステサンよりネット情報の方がはるかに現実的で先を進んでいますよね。かく言う私はFirefaceの十分の一くらいの価格でグレードアップ作戦を考えております(^^ゞ。

5: レコード演奏家訪問
 いつも2軒ご訪問される菅野先生ですが今回は1軒だけでしたね。菅野先生「後期高齢者」だそうですし、お体大切に。あっ、民主党になって後期高齢者は消えるのか(笑。冗談はともかく、いい加減褒め疲れてきたんじゃないでしょうかね(笑。
 ちなみに「Fitzfgerald & Pass ... Again」は私も持っておりまして、先日jazzaudiofanさんが来訪された時にかけてみましたが、あらためてその録音の良さに二人で感心しておりました。さすがパブロ・レーベルです。
 一方すっかりレギュラー化したのが石井伸一郎先生の訪問記。イコライザーと石井式ルームの双方を定期的にレポートしておられてお元気です。

6: その他
 ディスク・レビューではやっぱりジンマンの「マーラー7番 夜の歌」が気になりますね。この前5番勝負を終えた時はもうええわ、と思ってたんですが(爆。

 三浦先生の『リマスタリングは本当に音を良くしているのだろうか』は、もう随分前からネット世界では議論されている事ですけど、ついついメーカー側にすりよらざるを得ない評論家の立場としてはこれも英断と言っていいかも。
 と言いつつ、最後に提灯記事になってたりするのが疑問。私も昨日ビートルズリマスタリングBOXセットに長蛇の列ができているニュースを見ましたが、この文章の最後で三浦先生、

リマスタリングされたザ・ビートルズのCDがどんな音を聞かせてくれるのかワクワクと心躍らせている。」

と書いておられます。をいをい(^_^;)、本心じゃないでしょ。「中古屋で全部揃えたほうがよっぽど賢い」と何故書かない(笑。

 あと、ずっと楽しみにしていた嶋護先生の「オーディオファイルのための管弦楽入門」が終わってしまってがっかりしていましたが、補遺と称してあと二回追加となりました。実は前季号「最終回」に満を持して比較試聴されたブーレーズショルティの「春の祭典」に関して、私は幸いブーレーズのLPを持っていたので何回も何回も繰り返し嶋氏の記事を読みながら聴き込んだのですが、正直言ってさっぱり分かりませんでした。
 今回の補遺を読んでみて、氏がアマチュアのオーケストラに4年間在籍した事、他の楽器の音を聴く事が好きだった事、そして何よりトゥッティの練習が一番スリリングで大好きだった事などを語っておられ、やっぱり耳の鍛え方が違うか、と腑に落ちました。
 と言いつつ、ようやくショルティの春祭のLPも手に入りそうなのでまた聞き比べてみようと思っています。

 最後に傳先生が追悼記事を書いておられますが、黒田恭一先生のご冥福をお祈りします。

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