ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

インスタント沼

Instantnuma
はむちぃ: ご主人様、急用とは何でございます?
ゆうけい: やあはむちぃ君、すまんね、ちとまた映画につきあってくれんかね?
は: はは~ん、奥様がお留守なのをいい事にまたまたトホホ系映画でも観る算段でございますね(;一_一)。
ゆ: いやいや、トホホ系じゃなくてユルユル系だよ(*^_^*)。
は: 分かりました、三木聡様の「インスタント沼」でございますね。そして目的はずばり麻生久美子様、ですね。
ゆ: 当ったり~。
は: はあ、まあようございます、久しぶりに映画館までお供いたしましょう。

『 監督・脚本:三木聡
キャスト:麻生久美子加瀬亮風間杜夫松坂慶子相田翔子笹野高史ふせえり岩松了、他

2009年、日本映画、119分

非科学的なことは一切信じない、雑誌編集者の沈丁花ハナメ(麻生久美子)は、担当する雑誌が廃刊になって会社を辞することになり、母親の翠(松坂慶子)は何を考えたかカッパを探して池に落ち昏睡状態になるなど、泥沼の渦中にあった。同じ池から発見された母が投函した古い一通の手紙から自分の出生の秘密を知ってしまったハナメは、行方知れずだという実の父かもしれない男・沈丁花ノブロウ(風間杜夫)の居場所を探し、訪ねてゆくことにする。ノブロウは怪しげな骨董店「電球商会」を営んでおり、店にタムロするパンク青年・ガス(加瀬亮)からは「電球」と呼ばれていた。ノブロウのいい加減で身勝手な性格に呆れ果てたハナメだったが、彼らと触れ合っていくうちに骨董に興味を持ちはじめ、自ら骨董屋を開業する。なかなか商売がうまく行かずテンションの上がらないハナメに電球は「物事に行き詰まったら水道の蛇口をひねれ」という教えを伝授する。』

は: いやはや、何と申しましょうか、ふざけてるんだか真面目なんだか、、、
ゆ: 「亀は意外と速く泳ぐ」や「転々」を撮った三木聡のセンスがお好きな方は2時間クスクス笑い続けてられますし、
は: 麻生久美子ファンの方は、
ゆ: 2時間彼女の奮闘振りを楽しんでいられますね。
は: しかし、どちらでもない方が映画館でご覧になったら、、、
ゆ: 元気が出ますね!
は: 怒る元気しか出ませんよ、きっと(--〆)。
ゆ: まっ、そうかもね(苦笑。

は: 三木様のセンスと先程おっしゃいましたが、メインストーリーが奇想天外で人を食っていて、細部にはとことん拘るあたりでございましょうか。
ゆ: そうですね、パンフの三木聡のインタビューによりますと、土に水をかけると沼が出来上がると言う「インスタント沼」の発想は、昔彼が担当していた「北半球で一番くだらない番組」中の「日光テレフォンショッピング」というコーナーで取り上げた事があるそうです。
は: その馬鹿馬鹿しい構想を綿密な脚本・演出で意味不明なのに面白い映画に仕上げるという技は、まさに三木様の真骨頂でございますね。で、今回ご主人様のツボにはまった演出はどんなところでございます?
ゆ: 意外な事に三木映画初主演となる麻生久美子に、徹底して体を張った演技をさせてるところですかね。
は: やっぱりそこにきますか(-_-;)。
ゆ: いやほんと、麻生久美子の張り切り振りは凄いよ、余程三木映画に出るのが嬉しかったみたいです。先日のTV番組「情熱大陸」でリハと本番の演技の違いを見ておりましたので余計に楽しめました!

は: まあそれはそうと、映画レビューでございますので、演出技法的な所を説明していただきませんと(-.-)。
ゆ: そうですね、演出としては、映画冒頭に子フレーム中で展開される8mmフィルム風の短いカットの連続が面白かったですね。
は: 麻生久美子様がマシンガン・トーク的に自らの泥沼ぶりをおしゃべりになることにより、観客に手短にバックグラウンドを説明する技法でございますね。それにしても背中に「バカ」と書いた張り紙を張らせて駅構内を歩かせたり、ゲリラ撮影的なことをしてらっしゃいますね。
ゆ: だから言ったでしょ、体張ってるって(笑。

は: 他のキャストも三木常連組が大半ですので、安心して観ていられますね。
ゆ: そうそう、その下地の上にゲスト組がどう絡んでいくかが三木映画の見所なんですけど、
は: 「転々」での三浦友和様のような役割を今回は風間杜夫様が怪演しておられました。ご主人様は三浦様を高く評価しておられましたが、風間様はいかがでございます?
ゆ: まあ役割的に三浦友和ほど重いものを背負ってないので、怪演にとどまってますけどこれは仕方ないでしょうね。
は: 加瀬亮様はいかがでございました?
ゆ: トサカ頭が良かったですね(笑。「情熱大陸」で麻生久美子と絡むシーンだけ観た時はステレオタイプなチンピラ風演技で終始するのかなと思ってましたが意外に良かったです。「ハチクロ」「硫黄島」「それボク」「犬と私」とそれなりにいろいろな役柄をこなしているだけあって、三木監督の起用にちゃんと応えてましたね。

は: というわけでございまして、三木聡ファン、麻生久美子ファン限定でございますが、2時間楽しめて元気を貰える映画でございます。
ゆ: 張り紙やナンバープレートなどの小ネタやエンドロール後のサービスカットもお見逃しなく!

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